グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

火山とつきあう力

2014年11月21日 | 火山・ジオパーク
昨日の雨とはうってかわって、青空が広がった今日の大島です。

午前中は、ほぼ会議。
午後から、ある勉強会の案内を持って山に行きました。

実は今月末に、伊豆大島で長く火山観測を続けられている東大地震研究所の森田先生から、
地震波形の読み方を教えていただく勉強会をすることになりました。

御岳山のような水蒸気爆発は伊豆大島でも起こる可能性があります。

防災科学研究所では毎日の火山観測のデーターを公開していますが素人には難しく、
波形が何を意味しているのかわからないというのが現状です。
http://vivaweb2.bosai.go.jp/viva/v_datalist_osma.html

火山観測体制が整っている伊豆大島では、異常があればすぐに知らせてくれる火山防災事務所が島内にあります。東大地震研究所も30年の長きにわたって伊豆大島火山の観測を続けてくれています。

その意味では、伊豆大島はかなり恵まれていると言えるでしょう。

でも、だからといって全て人任せにしてはいけないと、私たちは土砂災害で学んだはず…。

自分の命は自分で守る…そんな気持ちで火山とつき合うために、そしてガイド中のリスクを少しでも減らすために、ガイドや観光、防災に関わる人を中心に、勉強会を行うことになった…というわけです。

で、外輪山のホテルや茶屋、派出所などに案内チラシを持って説明に行きました。
その時の風景です。


霞んだ伊豆半島が美しく…


富士山もしっかり見えました。

ほとんどが、噴火が作った風景なんだなぁ~とシミジミ…。

ところで森田先生は「1回話しを聞いただけで、正しく理解するのは無理だろう…」と、3回シリーズの勉強会を開くことを、提案してくださいました。

3回の到達目標は、以下のように設定されています。
1・公開されている地震波形データを見て,何が起こっているかおぼろげに分る.
  例:今年7月末に岡田で地震が多発したが,それは噴火のサインではないことが分かる。
    他の火山での噴火前のサインについて知っておく.

2・過去の噴火を知り,次の噴火のサインにどのようなものがあるかを知る.
  例:1986年噴火は山頂噴火から山腹割れ目噴火に移行した。この時何が起こったかを知り    万一、次回の噴火も同じことが起こった時には、慌てずに対応できる。
  
3.火山噴火予知連絡会資料の伊豆大島の報告で,気象庁は何を言いたいかを理解できるようになる。

ところで御岳山が噴火した時、ジオパーク全国大会に参加していた“桜島ミュージアム”の福島さんは「観測データーを見て、普段と違うということを理解して歩くのと、何も考えずに歩くのとでは、自然が発するサインの見え方にも違いがあるはず。」という主旨のことを話されていました。伊豆大島よりもずっと活発な火山で活動する火山専門家の福島さんの言葉は、かなり心に残りました。

しっかり学んで、火山とつきあう力をつけたい…と思います。

最後に、もう1つお知らせです。

来週、以下の講習が予定されています。

新聞折り込みがされていたようですが、新聞をとっていない方は知らないかも…。
まだ空きがあるようなので、お時間のある方はご参加ください。

(カナ)
コメント
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