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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

日本地球惑星科学連合大会(2014,4,30)

2014年05月01日 | 火山・ジオパーク
昨日、表題の大会のジオパーク・パブリックセッションに参加しました。
内容は講演、新規申請地域の口頭発表、ポスターセッションコアタイムなど。

大島からの参加者は…観光協会長の白井さん、新しく事務局になった船木さん、中林さんと私の4名。

今日は会場で見聞きしたことを、本当に簡単に報告します。

講演1「ジオパークの目指すもの」尾池 和夫氏
ジオパークがマスコミに出てくる時代になった。現在日本には33カ所のジオパークがあり、全国1705市町村のうち、ジオ関係市町村が1割を超えた。日本は変動帯のジオパーク。防災に関することが島原半島でのユネスコ国際会議で盛り込まれたことは大きい。ジオパークは見る、食べる、学ぶ、だと思っている。

講演2「 地域自立のツールとしての自然公園」 松田 裕之氏
私はユネスコエコパークをやっている。世界遺産は手つかずで残された自然を守ろうという保護に重点を置いた取り組み。エコパークは学術活動から、農林産業、6次産業を含めて、地域の自立にどう生かすかに重点。地域の自然資産を活かしながら、その地域の自立につなげていく。そのための知恵を考えていく。(聞いていて、ユネスコエコパークとジオパークは、目指すところが全く同じなように感じました…)

講演3「レジデント型研究という視点から見たジオパークの可能性」
菊地 直樹氏

コウノトリをテーマにレジデント型研究者を意識してきた。ジオパークとコウノトリの野生復帰、、保護/保全と活用、再生は、コウノトリの大きなテーマ。人による環境への積極的な関与をしていく。答えは決まっていない。国際的な認証制度の有無。これがあるかないかで非常に違う。ジオパークの盛り上がりは、プロセスがあるから多くの人が引かれているのだろう。2004年の円山川の水害。私も被災して1mぐらい水が付いた。被災者の経験で、地域生活の理解が生まれた。コウノトリとの共存は恵みと災害の表裏一帯。ここで暮らす限りは円山川を意識して暮らさざるを得ない。

講演4「ガイドの目から見たジオパーク・土砂災害被災後に思う」
西谷香奈

私が話した内容は、一昨日のブログに紹介した目次のとおりですが、お話をする前にジオパーク推進委員会会長である町長からのメッセージを読み上げさせてもらいました。感謝の気持ちと,今後に向けての思いが綴られていました。 読み終わったとき、会場の皆さんから拍手をいただきました~。

続いて、日本ジオパークに申請している各地域の特徴を少し…。
苗場山麓ジオパーク
新潟県最南端 津南町 長野県最北端 栄村 人口13,000人
世界でも有数の豪雪地帯で3年前の大地震で大きな被害が出た。そこから立ちあがろうとジオパーク開始。奥信越の川と火山がつくりだした大地、雪に包まれた自然と歴史文化 3000年前に苗場山噴火、高さ300mの岩壁(川が削った)多くの湧水が同じ標高に点在。湧水の側には縄文文化の土器(火焔型土器は私たちの地域のみでしかみえない)雪椿、ブナ林、湿原、エゾスグリ(氷河期時代の生き残りのもの)繁茂。川原に温泉が湧く。

天草
天草御所浦ジオパークを43.4倍に。拡大するのを天草方式と読んでもらうと嬉しい。
人口12万7千人。オリーブ栽培、アコウ大木(照葉樹林)、ハマジンチョウ、サゾリモドキ、ミナミバンドウイルカなど。天草御所浦ジオパーク

下北半島ジオパーク構想
1市一町3村 79,000人 
4つのゾーンを巡ることで,日本列島の成り立ちをたどれる。4つのゾーンは以下のとおり
東海岸→太平洋からの贈り物 チャート 付加帯の地層 メガロドン化石
田なべ平野→海と陸のせめぎ合い 段丘
恐山→火山と温泉の恵み 強酸性の湖 金鉱証 温泉 地熱 火山の恵み
西海岸→さける大地 緑色凝灰岩 恐山の奥の院として
北限のニホンザル 恐山のウグイ オオウラヒダイワタケ 寒立馬 ニホンカモシカなど、面白いものが沢山。

南紀熊野ジオパーク
9市町村 1000mを超える急峻な山々から海岸線まで。3つの地質がそろって存在している。プレートが出会って産まれた3つの大地。大地に育まれた自然と文化に出会う。大きな力で折れ曲がった大地、浅い海にできあがった地層が美しい海岸、火成岩体が地層を貫いて出来た橋杭岩などを見学できる。プ
信仰と結びつくマグマの大地。熊野詣で。大地と黒潮が織りなす豊かな自然。(ナチマイマイ、キイジョウリョウホトトギスなど)巨大1枚岩の伝説、
地域に生きる災害と防災の歴史 大津波記念碑など。

筑波山ジオパーク構想
霞ヶ浦 300の研究機関 自然歴史科学の融合 
筑波山 6000万年前の火山活動 
ブナ林 ヒメハルゼミ(北限)筑波トリカブト、筑波キンモンソウなどの発見。
八郷の茅葺きの家,職人の存在、御影石石材の職人と技術の伝承。石の100年間がリニューアルオープンした。笠間焼。
発表の前後で、200名以上が会場に応援に来ていました!

立山黒部
日本海の環境の変遷を見ることができる。400万年前から現在まで火山活動の時代
住民・ガイド・研究者が集まり活動している、民間主体のジオパーク。富山県は支援。

ところで、ポスターセッションには「ツアーの工夫が利用者数にどう影響したか」などツアーに関するものが出されていました。
また、隠岐と有珠山と桜島は絵本を作ったそうで…。

楽しそうなので、連休明けにゆっくり読みたいと思います!

ポスター会場の外で、赤色立体地図の作者、千葉先生を発見!

大島の災害を報告されていました。

以上、簡単な報告です。
眠くて文章がおかしいかもしれませんが,今日のことろはこれで…。

(西谷)
コメント
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