伊豆大島ジオパークDVD撮影の3日目は「海からの撮影」でした。今の大島火山の下に眠る古い3つの火山が、波に削られて切り立った崖を作っている東海岸を、海から見てみよう、という計画です。
前日までの強い南西風が止んで、弱い北東の風に変わっていました。
空も青いし、撮影日和です。
西暦838年の大きな噴火でできた火口が、津波によって海とつながって港となった波浮港。
火口壁に囲まれた丸い港を出て、外洋を目指します。
船長はケンボーダイビングの佐藤さん(写真右)。
ガイド仲間も私以外に2名、同乗しました。
港を出て、北上開始。
港の外側の壁には、キレイなシマシマが見えました。
シマシマは黒い溶岩の上に乗っています。最初に溶岩が液体の状態で流れて冷え固まり、その上に噴火で溶岩のしぶきや火山灰が降り積もったのでしょうか?
進んでいくと崖の所々に、赤い色が見えます。
昔このあたりで、激しい噴火があったのでしょう。
波打ち際にも、大きな赤い岩が転がっていて目を引きます。
地下のマグマがその通り道で冷えかたまり、それが固くて丈夫だったために波に削られずに残ったと言われる“筆島”を通過しました。
普段は海を背景に眺めている筆島を、海側から眺めるのは、とてもスペシャルな気分でした!
あ、また赤い壁が出て来ました!
しかもシマシマの向きが、ちょっとバラバラです。
昔ここで何が起こったのでしょう?
最初に赤い部分が積もっていて、そこに下から新しいマグマが上がって来て赤い部分を斜めに持ち上げたとか?あ、でも白い部分も少しシマシマになっていますね…う~ん…??
「?」がいっぱいの状態で考えていたら、佐藤さんが「ここが馬の背だよ」と教えてくれました。
「馬の背?」
なるほど~!
確かに馬がいます!
緑のたてがみの馬が、水を飲んでいます!
読者の皆さんには馬、見えますか~?
実は5~6年前、馬ノ背の上の森を歩き回ったことがあります。
こんな場所だったのですね。落ちなくて良かった…。
ところで、この馬の首の部分、木が平行に並んで“たてがみのような模様”を作っています。
なんで?
溶岩の“ヒビ割れ”は、植物が生えた後でも、こういう縞模様となって残るのでしょうか?
「う~ん…??」
私の疑問をよそに、船はさらに進んでいきます。
先方に「柱状節理」と呼ばれる、柱のような溶岩が見えて来ました。
「柱状節理」はけっこう長い距離、続いています(1kmぐらい?)。これってきっと、数10万年前の火山の沢を伝って海に流れ込んだ、現在の大島火山の若い(?)溶岩ですよね?
こんなにいっぱい、溶けた岩が海に流れ込んだんですね~。
その場にいたら、きっと息をのむような光景なのでしょう。
しかし大島の柱状節理って、下の方は細かいキレイな割れ方ですけれど、上半分は何だかバラバラな割れ方ですね。
これって最初は海水に接触してギュッと縮むけれど、そのあとはノンビリ冷えるからなのでしょうか?
(不規則に割れている分、見る角度によっては顔がいっぱい並んでいるようで面白いです!)
さて、船はさらに進み「行者屈」と呼ばれる場所の近くへ。
波でできたと思われる洞窟が複数並んでいます。
なんでここだけ、こんなに洞窟が集まっているのでしょう??
穴の周辺をよ~く見てみると…むむ、モザイク模様!
こりゃ縦にも横にもヒビが入っているから割れやすいってことでしょうか?
それとも数10万年前の火山の溶岩で、長い年月かけてボロボロになっているとか?
目の前の景色を「なんでこうなったの?」と考えると、不思議がいっぱいです。
正解がさっぱりわかりませんけれど、どんどん変わる景色の謎解きが面白かったです。
「どのコースを帰ろうか?」「あ、魚の群れがいる!」
折り返し地点で、少しの間船を止めながら、みんなで雑談しました。
船に酔って気持ち悪かったけれど、楽しかったです。(笑)
帰りはカメラマン氏のリクエストで、できるだけ海岸近くをゆっくり移動しました。
太陽の位置が変わって、筆島の対岸の壁の模様がクッキリと浮き出ていました。
赤い壁を斜めに走るグレーの帯は、地下から上がって来たマグマが、地上に噴きでることなく冷え固まったもの。太いものから細いものまで、何本も壁を貫いています。
ドロドロに溶けた熱~い岩が、こうやって地面の下から上がってくるのが“噴火”なんですよね。26年前の噴火の時には、地面の下から突き上げるような揺れを感じたと語る人もいますが、こういう景色を見ると納得します。
最後にもう一度、数10万年もの長い年月を荒波に耐えて残った溶岩“筆島”の姿を眺めてから、港に戻りました。
筆島、「孤高の岩」という感じで、メチャメチャかっこ良いです。
全行程2時間半。
たっぷり海からの火山を楽しんだ、大満足の1日でした。
きっと伊豆大島ジオパークのDVDには、今日の素敵な風景が盛り込まれていることでしょう。
完成が楽しみです!
(カナ)
前日までの強い南西風が止んで、弱い北東の風に変わっていました。
空も青いし、撮影日和です。
西暦838年の大きな噴火でできた火口が、津波によって海とつながって港となった波浮港。
火口壁に囲まれた丸い港を出て、外洋を目指します。
船長はケンボーダイビングの佐藤さん(写真右)。
ガイド仲間も私以外に2名、同乗しました。
港を出て、北上開始。
港の外側の壁には、キレイなシマシマが見えました。
シマシマは黒い溶岩の上に乗っています。最初に溶岩が液体の状態で流れて冷え固まり、その上に噴火で溶岩のしぶきや火山灰が降り積もったのでしょうか?
進んでいくと崖の所々に、赤い色が見えます。
昔このあたりで、激しい噴火があったのでしょう。
波打ち際にも、大きな赤い岩が転がっていて目を引きます。
地下のマグマがその通り道で冷えかたまり、それが固くて丈夫だったために波に削られずに残ったと言われる“筆島”を通過しました。
普段は海を背景に眺めている筆島を、海側から眺めるのは、とてもスペシャルな気分でした!
あ、また赤い壁が出て来ました!
しかもシマシマの向きが、ちょっとバラバラです。
昔ここで何が起こったのでしょう?
最初に赤い部分が積もっていて、そこに下から新しいマグマが上がって来て赤い部分を斜めに持ち上げたとか?あ、でも白い部分も少しシマシマになっていますね…う~ん…??
「?」がいっぱいの状態で考えていたら、佐藤さんが「ここが馬の背だよ」と教えてくれました。
「馬の背?」
なるほど~!
確かに馬がいます!
緑のたてがみの馬が、水を飲んでいます!
読者の皆さんには馬、見えますか~?
実は5~6年前、馬ノ背の上の森を歩き回ったことがあります。
こんな場所だったのですね。落ちなくて良かった…。
ところで、この馬の首の部分、木が平行に並んで“たてがみのような模様”を作っています。
なんで?
溶岩の“ヒビ割れ”は、植物が生えた後でも、こういう縞模様となって残るのでしょうか?
「う~ん…??」
私の疑問をよそに、船はさらに進んでいきます。
先方に「柱状節理」と呼ばれる、柱のような溶岩が見えて来ました。
「柱状節理」はけっこう長い距離、続いています(1kmぐらい?)。これってきっと、数10万年前の火山の沢を伝って海に流れ込んだ、現在の大島火山の若い(?)溶岩ですよね?
こんなにいっぱい、溶けた岩が海に流れ込んだんですね~。
その場にいたら、きっと息をのむような光景なのでしょう。
しかし大島の柱状節理って、下の方は細かいキレイな割れ方ですけれど、上半分は何だかバラバラな割れ方ですね。
これって最初は海水に接触してギュッと縮むけれど、そのあとはノンビリ冷えるからなのでしょうか?
(不規則に割れている分、見る角度によっては顔がいっぱい並んでいるようで面白いです!)
さて、船はさらに進み「行者屈」と呼ばれる場所の近くへ。
波でできたと思われる洞窟が複数並んでいます。
なんでここだけ、こんなに洞窟が集まっているのでしょう??
穴の周辺をよ~く見てみると…むむ、モザイク模様!
こりゃ縦にも横にもヒビが入っているから割れやすいってことでしょうか?
それとも数10万年前の火山の溶岩で、長い年月かけてボロボロになっているとか?
目の前の景色を「なんでこうなったの?」と考えると、不思議がいっぱいです。
正解がさっぱりわかりませんけれど、どんどん変わる景色の謎解きが面白かったです。
「どのコースを帰ろうか?」「あ、魚の群れがいる!」
折り返し地点で、少しの間船を止めながら、みんなで雑談しました。
船に酔って気持ち悪かったけれど、楽しかったです。(笑)
帰りはカメラマン氏のリクエストで、できるだけ海岸近くをゆっくり移動しました。
太陽の位置が変わって、筆島の対岸の壁の模様がクッキリと浮き出ていました。
赤い壁を斜めに走るグレーの帯は、地下から上がって来たマグマが、地上に噴きでることなく冷え固まったもの。太いものから細いものまで、何本も壁を貫いています。
ドロドロに溶けた熱~い岩が、こうやって地面の下から上がってくるのが“噴火”なんですよね。26年前の噴火の時には、地面の下から突き上げるような揺れを感じたと語る人もいますが、こういう景色を見ると納得します。
最後にもう一度、数10万年もの長い年月を荒波に耐えて残った溶岩“筆島”の姿を眺めてから、港に戻りました。
筆島、「孤高の岩」という感じで、メチャメチャかっこ良いです。
全行程2時間半。
たっぷり海からの火山を楽しんだ、大満足の1日でした。
きっと伊豆大島ジオパークのDVDには、今日の素敵な風景が盛り込まれていることでしょう。
完成が楽しみです!
(カナ)