グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

移りゆく時間を。

2012年12月06日 | ツアー
昨日のツアー報告です。
関東近郊に住まわれている、同級生の女性グループの方たちと一緒に歩きました。

昨日も、今日と同じような快晴…さらに風も弱くて、本当に快適なツアー日和でした。
全員が植物の知識が豊富で、植物好きな方たちでした。

例えば枯れかかったガクアジサイの葉っぱにも「あら~、奇麗!」の声があがります。
「なかなか無い色使い」なのだそうです。

なるほど~、そう言われてみればそうかも。
…思わず写真を撮りました。

植物好きの皆さんに、アシタバのタネの味を紹介しました。

タネもそのまんまアシタバの味と香りだということで、盛り上がりました~。

皆さん、次々に何かを見つけて教えてくれます。
溶岩の隙間に埋まるほど小さいアシタバの花のあとや…


咲き残っていた小さなノコンギク…その他、色々!


富士山もキレイでした。
上り坂の途中で、振り返って富士山を眺め…


山頂からも、富士山を眺め…

何度も立ち止まって、美しい日本の火山を楽しみました。

道中、皆さんの故郷をお聞きしたら「福島原発の地域で、今はもう帰れない」と教えてくれました。
実家を津波で流されてしまった方も、ご親族の住む場所が避難で何度も変わっている方も、いらっしゃいました。

「こうやって歩きに来られるだけでも、私たちは幸せだ。」と、皆さんおっしゃっていました。苦しい経験を経ていながらも(経て来たからこそなのでしょうか?)とても和やかで明るい笑顔でした。

きっと昨日の穏やかな青空は、三原山からのプレゼントなのでしょうね。

さて、昨日はあまりにも良い天気だったので、道中何度か「写真を撮りましょうか?」と声をかけました。そうしたら、ほとんどの方が「写真はいらないわ。」とおっしゃいます。

「写真を残すと、あとに残った者が整理が大変だとわかったから、そういう思いはさせたくない。」
「そろそろ自分の身の回りの整理をしておきたい。」とのことでした。

「美しい景色は記憶の中にとどめて、あとに何も残さない。」「締めくくりも自分の責任で」
私より15年ほど先輩の皆さんからのメッセージと穏やかな笑顔が、ジワッと心にしみました。

三原山からの帰り道、港にお送りするまでの道中で、森と海岸に立ち寄りました。
伊豆大島の様々な表情を、見ていただきたかったのです。

樹齢800年以上の堂々たる桜株。

木の枝の隙間から、太陽の光が差し込んでいました。
「すごいわ~。」と皆さん。

イガアザミの花が奇麗に開いていました。
確か10月末に来た時に満開で、その後ほとんど枯れていたのですが…?

三原山のふもとのイガアザミもほとんど終わりだというのに、ここだけ見事に咲いていて驚きました。花好きの皆さんを歓迎してくれたのかもしれません。

そして、最後に立ち寄った海岸では…

イソギクの花が満開でした。

ツワブキとセットになった豪華なものもあります!

黄色い色って元気が出て良いですよね。

「あら~、これキレイだわ。」

皆さんの声に誘われて、見に行ってみたら…

溶岩と海とイソギク!

潮風と日照りの中で、生きているぞ~という、凛とした姿が素敵です。

全てのものが変化するから、一度きりの時間だから美しい…そんな移りゆく風景の中を、人生の先輩でもある皆さんと一緒に歩くことができて、しみじみ「うれしいなぁ~。」と感じたツアーでした。

(カナ)







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする