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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

柿の木

2010年04月02日 | 植物
 昨晩から前線通過による強風と高波の影響で、今日の午前中の船は全便欠航になりました。

 雨が小降りになった昼過ぎに、庭でウグイスやホオジロが騒ぐので見ると、長いアオダイショウがイヌマキの木から紅梅の枝を伝い、藤棚をわたって軒先へ滑り込んで行きました。暖かくなったので、どこかへ出かけていて天井裏へ戻って来たようです。

 最初の画像は、庭の柿ノ木に開き始めた新芽です。カキノキも里山に欠かせない樹ですね。



 柿の木の樹皮は、フワフワと弾力性があり保水力も高いようです。こんなふうに、所々に苔(コケ)が生え、その中にノキシノブというシダ植物が着生しています。

 このところ、雨がよく降るからか、芽吹きの時季なのか、くるっと葉先を巻いた小さな葉が背伸びを始めているようでした。小さいの2本見えましたか?





 上の方の枝には、長く伸びたノキシノブがたくさん下がっています。昔、ワラ葺き屋根などの軒に着くことが多かったことから「軒シノブ」と呼ばれているそうです。シノブはシダの古語です。植物性のものに着生するばかりでなく、岩の上などにも生えているのをよく見かけます。

 葉の裏側の先端に近い部分に、円形で大きい「胞子のう群」が並んで付いているのが見えてます。

 乾燥する季節には、乾燥ヒジキのように黒っぽい針金状に縮んでしまいますが、枯れて死んでしまうわけではなく、雨が降ると復活して緑の葉を広げるので驚かされます。 




 夕方、雨がやんでから幹に登って、枝の途中に出来た水溜りを撮ってみました。

 これなら、小鳥たちの水場に最適です。


 
 雨の前は、こんな(↑)でした。枝を切った跡が腐り、周囲は盛り上がって、脇から新たな枝を伸ばし、こんな水場が出来ていたのでした!!

 よく見ると、小さな白い粒が窪みの中に落ちています。ここで水を飲んだ小鳥たちが落としていった「おみやげ」のようです。
 
 大き目の粒は、オモトの種子。小さい粒は、キヅタの種子のようです。







 他の枝の洞(うろ)には、こんな具合(↑)に、キズタ(木蔦)の芽生えがありました!

 明治から昭和初期に生きた博物学者の南方熊楠(みなかたくまぐす・1867~1941)が、50歳の時に自宅の柿の木で新種の粘菌(ねんきん)を発見し、英国の専門家G・リスターによって学名ミナカテラ ロンギフィラと命名されたという有名な話がありますね。今日は、これに習って柿の木を調べてみました(笑)。

 園芸がご趣味で、保水性の高い樹皮のイヌマキやカキノキに、ラン科のセッコクなどを着生させて楽しんでいる方もいらっしゃると思います。

 いつか、野生のラン科植物が、庭の柿の木に自然に着生しないものかなぁ、と時々見ていますが・・・。


 そんなことは、まず無いのでしょうね(汗)。   (なるせ) 

コメント
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