H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

第49回大船GIM on Zoom !

2020-11-21 | 臨床研修


おかげさまで,無事終了しました! (写真:鎌倉市のスタジオから全国に中継です・・・笑)

申し込みの段階で40名以上の方から連絡があり,実際には30数名のご参加を頂きました。数名程度でお気楽に試験的にやってみようかなんて呑気なことを考えておりましたが,予想外に沢山の方に参加いただき嬉しい悲鳴でした。

スイッチャー(ATEM mini)も少し慣れてきたので,概ね考えていたようにできました。でも一人で司会をしながらプレゼンと切り替えをやっていると,途中で頭がこんがらがりそうになることもありました。

そして肝心の症例提示ですが,久々にやらかしてしまいました。いつもの大船GIMのイントロのあとに,1例めの呈示を始めようと,2台めのMacBook Proで立ち上げたプレゼンファイルに切り替えた瞬間・・・手違いで最終診断を示すスライドがど〜ん!と出てしまいました(涙)

「先生・・見えてます」
「ありゃ〜!やっちまった。」

ギャグでやった訳ではないんです。テンションだだ下がりの状態で始まりましたが,皆さんオトナ(笑)です。見なかったことにして,始めから順にどう考えるかご意見を出して下さいました。ま,どうせ診断については,ツワモノ揃いの参加者にしてみれば瞬殺だと予想していたので,その後のネタもちゃ〜んと仕込んでありました(これホントです)。だから,まあ無事に終了したことにしましょう。

症例は,最近自分が経験した「自覚症状やバイタルから全く予想できなかった肺塞栓」でした。自分の中では相当悔しかった症例でしたので,皆さんにシェアしたいと思って用意しました。後半に呈示したポイントは,1)肺塞栓の心電図変化で,S1Q3T3は有名ですが頻度は少ない,V1-3の陰性T波は特異度は低いが頻度が高い,2)起座呼吸の反対の扁平呼吸 platypneaについて,3)この症例では認めませんでしたが,肺塞栓でベッドサイドでの診断に有用な頚静脈所見:Giant A波 の3点でした。

小ネタは「当院のような中規模市中病院の発熱外来でのできごと」について。新型コロナ以前なら,普通に外来で経過観察で診ることができたのに,コトが単純ではなくなる微熱を繰り返す症例について呈示しました。ちょうど,最近TVなどで大活躍の忽那賢志先生も参加いただいてたので,貴重な話も聞かせていただけました。また新型コロナウイルス感染が蔓延しつつある中での発熱外来の難しさなど,何人かの先生から役に立つ情報が共有できました。

症例2は,うちの中野先生が施設からの紹介で体重減少を主訴とした高齢者について。こちらも貧血,味覚障害,舌の所見などをきっかけに,萎縮性胃炎に伴ったVitamin B12欠乏による悪性貧血と診断された例でした。

コメントとして,とても役に立つパールを横井徹先生が(マッシー池田先生から教わった情報として)披露して下さいました。Romberg徴候と同等の意義がある病歴「お墓参り現象」です。脊髄後索障害を示す所見として使われるRomberg徴候ですが,患者さんに「お墓参りのときにどうだった?」と聞くとよいのだそうです。「お墓に目をつぶって手を合せるとこけた」という病歴は,Romberg徴候とほぼ同じ意義を持つ情報だそうです。これには驚きました。素晴らしいですね。


今回Zoomの会議室には,懇親会がない代わりに16時から入室できるようにして雑談タイムを設けました。久しぶりに常連の先生達と話ができて楽しかったです。カンファレンスそのものは,17時開始で途中10分の休憩をはさんでの3時間でしたが,本当にあっという間でした。また今回はオンライン開催ということもあり,以前はよく参加できたけれど,種々の理由で参加できなくなっていた懐かしい先生方が何人も参加してくれました。さながら同窓会のような感じでした。これもオンラインでやるメリットですね。また,途中のチャットで参加者の方が関連する論文やサイトをすぐに上げて下さるなど,オンライン勉強会の大きな利点が見えました。これを更に発展させて,参加者の皆さんとSlackを使った情報共有で,カンファレンス後のフォローができないかなどと考えています。対面でできなくても,オンラインでやる利点が沢山あることが今回よく分かりました。今後が楽しみです。

次回は来年2月20日(土)に開催することが決定しました。参加して下さった皆さんにあらためて感謝です!!

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