ふわり、ふわりと風のふくままに・・日記

感性がキラリと輝くような毎日を過ごしたいけれど、現実はなかなか思うようにはいかない。小さな喜びに敏感でありたい。

秋の夜長は読書 ミステリー好き??

2009-10-09 11:15:21 | 日々の出来事
 春先は、久しぶりの天童荒太「悼む人」にはまった。天童作品をミステリーと思ったことはあまりないのだが、でも彼のジャンルはミステリーらしい。私は現代の深層を深く見つめた社会派ではないかなと思っている。嫌いな人は嫌いだろうなとは思う。

 母は三人姉妹で90代二人の姉がいて、電話のやり取りや今も文庫本を回したりして仲がいい。だから、母の好みではなくても伯母の買った本が何冊もある。

 そんな束の中から夏以降に「告白」(湊かなえ著)と「向日葵の咲かない夏」(道尾周介著)を立て続けに読んだ。母はどっちも気持ち悪い本だと言っていた。(妹は「悼む人」も「告白」も「向日葵が~」もどれも読む気にならないと言っていた) 確かに殺人を扱って子供が出てきて、なんじゃこれは…と思いながら、私は一気に読んでしまった。でも私にとって天童荒太と決定的に違うのは、この二人の作家の作品を続けて読む気にはならないということ。作品の発するメッセージが分からないということ。本を読む時にいつも問題意識を持って読むわけではない。でも読みながら、読み終わって今自分の生きている時代を映している、あるいは自分に問いかけてくるものを受け止める作業は好き。作家がもつ問題意識に触れる、そのことが嫌ではない。天童氏の作品はいつも深く考えさせられる。でも彼は寡作だから「悼む人」のあとはいつになるやら…。きっと何年も構想を抱えて、身を削る実体験をしながら書いてくれるのだろうな。

 重たいテーマの後には、何にも考えずに読める本はありがたい。そういう時には軽いエッセイであったり、山本周五郎とか藤澤周平系の時代小説は気持ちが苛立たないでいい。

 小・中学校の頃、学校の図書カードをとにかく一杯にするために本を借りていた時がある。アガサクリスティーは片っ端から読んだ。何という作家だかすっかり忘れたのだけれどタイトルにいつも「○色~」がついていたシリーズも一気に読んでいた。ホームズのシリーズもかなり読んだかな。 あの頃読んだのはエミリーブロンテ姉妹の作品も、「若草物語」のシリーズも、「赤毛のアン」シリーズも女の子が読むような本は片っ端から読んでいった。学校にはカトリックの聖人伝や青少年向けの小説もいっぱい置いてあったので、信者だからシスター受けがいいかなと姑息な理由で読んだ記憶もある(受けは上がらなかったけれど、面白かったから、よしとしよう)。遠藤周作や曽野綾子さんたちカトリック作家の本も、キリスト教関係の本も手にする機会は多かった。

 学生時代から大人になっても、半徹しても一気に本を読めたということは好きなんですよね。最近は本を読んでいて徹夜なんてありえないけれど、でも中身の先が気になって気になって、早目に目が覚めて続きを読み、重たい本なのに出かけるバッグに忍ばせてバスの中で読んだり、電車の中で読んだりすることはまだある。

 必要に迫られて読むことになる本に結構引き込まれたりすると儲けもの、と思う。友人に勧められた「レディージョーカー」を機に高村薫にはまって、好きな作家のひとりになった。好きな俳優が出演する映画が気になるけれど、映画と小説どちらを大事にするかというと小説と思うので、まず本を読む。それでも観たいときには映画も観ることがある。「ハリーポッター」は本を読んで、映画を観た。映画を観てから、ポッター離れしてしまった。横山秀夫の本は「半落ち」が最初だった。映画はテレビでしか見なかったけれど、あの後ずいぶん彼の作品を読んだ。気になる存在。「大地の子」はちょうど病気で入院中にNHKで放映されていて、消灯時間を過ぎても本を読みふけった。山崎豊子さんの社会派の作品群も、長くて重たいけれど次々に挑戦したくなる。物書きになる人は松本清張然り、司馬遼太郎然り、新聞社に勤めていた人は多いのだろうか。物事への視点はそれぞれだからこそ、本はいつも読み切れないくらい出版されている。

 一昨年、青森に行くにあたり読んだのは太宰の「津軽」、久しぶりの太宰作品に他のも読んでみる気になった。今年は太宰年だったが、そうなると私の興味はほかに行く。あまのじゃくにすぎない。

 叔母からの本の中からおととい読み終わったのは「子供の世話にならないで死ぬ方法」(俵萌子著)ちょっと年上の友人から良く最期を誰に見てもらうつもりか決めておきなさいと言われる。誰にって子供に負担をかけたくないなということくらいしか考えていない私はまだ本気で考えていない。これからはこの手の本も読まなければいけないジャンルになるのだろうか(ってまだ他人事)。本を読むきっかけは、実にいろいろ。さて、時間をとって本屋を一回りしようかな。このときのムズムズ感って、皆さんありますか? どうもある人とない人がいるらしい、不思議なことの一つ。

 子供たちに読み聞かせた児童書、今、子供たちが孫に読み聞かせている児童書。孫と一緒に童心に帰れるのはとっても素敵な時間。孫へのプレゼントは圧倒的に本が多い。

・・・・・雑感はきりがないから、今日はこの辺でおしまい・・・・・