15年ぶりに,夏祭りで帰省する友がいるし、ミニ同窓会を開いたので,出てきてほしいとの案内を受けた。20名ほどの集まりだったが4時間があっという間に過ぎ去った。はじめは,初対面と思える人もいたがまもなく中学時代の顔が浮かび,名前も出てきて,一安心、、、。それぞれが今の厳しい時代をしっかり生きているようでこれでふた安心。中に小学校の教師になって,子ども達との取り組みが聞けて、ついつい”元教師根性”を披瀝してまった。
人間は考えて行動する生き物だから、考えを立て軸に、行動を横軸に取ると,人間はほぼ4通りに分かれる,縦軸では,プラス思考とマイナス思考、横軸では,アクティブ、パッシブ、大切なのは両軸が交わる原点である。迷ったら原点に戻る,成長しても,いい気にならず、原点への回帰がさらなる成長を促すからだ。教師になった元教え子に,割り箸を使って、良くほめて伸ばせと言うけど,そうしていいのは,第一象限にいる子どもだ。我々を含めて大多数の人間は,どちらかというと第二象限でうろうろしている場合が多い。つまり考え方は前向きなのだけど,実行が伴わない,それ故に伸びる力があるのに停滞している。だから第二象限にとどまっている生徒には,教師として”愛の鞭”の必要性を話した。”体罰はいけません”との縛りに絡め取られぬ,管理者やモンスターピアレンツを納得させる,普段の教室での取り組みを通しての生徒の良き変容で勝負しなさい、と説いたのだが、、、。”愛の鞭”はなんとかかんとか言っても,教師にとってはマイナス行動だ,しかし第二象限でうろうろしているマイナス行動の生徒に対して,褒めてやるわけにはいかないしマイナスにマイナスをかけるとプラスになると言う代数の基本原理をいかして、”愛の鞭”を用いなさい,そして第一象限に転化していい成果を出したとき,良かったなと一緒に喜び褒めてやればいい、、、。
心配なのは,今の世相が”勉強が出来ないのはだめなやつ”とのムードが支配的なので,何かの時の躓きで,自分は勉強が出来ないと思い込まされ,自分はだめな人間だと究極のマイナス思考に陥らされてしまった生徒の存在である。活力のあるものは,第4象限での”ツッパリ”で自己表現するしかないし,活力が失せたものは第3象限の引きこもりにならざるを得ない。教師は,関わる生徒を4通りの対応の仕方を使い分けながら、すべての生徒を第一象限に導く意義ある仕事を誇りに,その責めを果たしてほしい。
私が関わった例を参考に話しておきたい。丫君は,第4象限にいて、いろいろ問題を起こしていた。昨今では,そこに属している生徒の活力を非行と見なし、学校では対処しないで,警察力に頼る傾向にあるのが気がかりだが、そういう生徒こそ大切にし,多くの時間をかけて関わることが大切なのだ。何しろ活力があるのだから、、、。Y君とは,会話の中で、君もやがては大人になり,結婚して子どもを育てる、小学生になった息子から、”分数教えてくれ”といわれたとき、”俺知らない”じゃかっこわるいだろう、だから基本の勉強だけはしておけと話したところ、俺分数は分かると言うから、二分の一プラス三分の一はいくらだと問題を出したら,即刻、五分の二との回答を出した。おそらくそういう答えを小学校時代に出して,説明を受けることなく,ペケをもらい続け、俺は勉強はだめだと思い込まされたのだろう、、、。図を使って説明をして、答えが六分の五になることを説明したところ、Y君(中三)、”分かった!問題出してくれ”となったものだ、、、。風の便りによると,Y君は小学生の親となり,少年野球の指導をしているとか,嬉しい風の便りである、、、。ミニ同窓会で、ヒデキ君と再会した。”先生にはいびられた”と懐かしげに語りかけてくれたが、私が第2象限の生徒に口癖のように話し続けた言葉は、”人の話は目で聞いて,心で受け止め、記憶に残し,すぐ実行”と行かなければならない、君たちが成長しないのは”人の話を鼻先で聞いて,頭に来て,むかつく、、、。”からなのだと言い続けてきた。そのヒデキ君には、”今のおまえは不出来だ,原点に戻り,ヒデキとなり、さらに上出来、素敵になれ!”と言ってきたのだけど、そのことを覚えていてくれて、上出来、素敵になるから,,,と言ってくれたのは何よりも嬉しい事であった。
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