面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」

2012年04月23日 | 映画
ヨーロッパ各地で爆破事件が相次いだ。
天才的な頭脳を持つ名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr.)は調査を進める中で、結婚式を翌日に控えた相棒のワトソン(ジュード・ロウ)を連れてとあるクラブを訪れる。
そこでホームズは、捜査のヒントを求めてジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)のもとを訪ねるが、そこには暗殺者の影が潜んでいた。

翌日挙式を上げたワトソンは、新妻と共に出発した新婚旅行の列車で何者かに襲われる。
敵の攻撃を想定していたホームズによって助けられたワトソンは、モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)が自分達夫妻の命も狙っていることを知り、ホームズ、シムと共に教授の陰謀に立ち向かう……


ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニーJr.主演の「シャーロック・ホームズ」シリーズ第二弾。
前作をスケールアップし、全ヨーロッパを巻き込んでの壮大な陰謀に、相棒のワトソンと共に立ち向かうホームズの姿を描く。
これまた前作よりも激しさを増したド派手なアクションが展開するだけでなく、原作でおなじみのホームズの永遠のライバルであるモリアーティ教授が登場し、ホームズに負けず劣らずの鮮やかなスタントを見せる。
もはや原作の探偵小説の面影はどこへやら、ドキドキワクワクの冒険小説に生まれ変わっている。
しかしながら、シャーロック・ホームズというキャラクターだけを借りて好き放題作りました!というだけではない。
オマージュとして原作のセリフをそのまま使っている部分もあるところは、小説のファンには注目してほしいポイントである。

本作ではもう一点、配役にも注目。
ハリウッドリメイクが評判となっている「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」で主人公のリスベットを演じたノオミ・ラパスが、エキゾチックなジプシーの占い師役で登場しているところ。
「ミレニアム」とはうってかわってジプシーの中心人物として、大声を張りあげながらの大活躍がカッコイイ!
ミラ・ジョヴォビッチの向こうを張るアクション女優として、更なる活躍を期待したい。


とは言いながらも、今回のホームズの“変装”場面は、あまりにも原作のキャラからかけ離れ過ぎてはいまいか!?
どちらかといえば、いしいひさいちの描くホームズのキャラに近く、映画で言えば「ピンク・パンサー」オリジナル・シリーズにおけるクルーゾー警部の“弟子”ケイトーが独り立ちしたような…ま、オモロイねんけどね(笑)

アイアンマンと双璧をなすキャラクターとしてシャーロック・ホームズを得たロバート・ダウニーJr.。
正に、勧進帳の弁慶と石川五右衛門を当たり役とする歌舞伎役者の如き充実ぶり(…ヘタな例えやな)を見せる彼の、八面六臂の大活躍が楽しい、痛快娯楽活劇の王道を行くアトラクション・ムービー。


シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム
2011年/アメリカ  監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニーJr.、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス、エディ・マーサン、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・フライ、ジェラルディン・ジェイムズ、ケリー・ライリー、ファティマ・アドウム、ジル・ルルーシュ