面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

原発現場作業

2011年05月09日 | ニュースから
「宮城で運転手」応じたら、実は福島原発 西成で求人(朝日新聞) - goo ニュース


今日買った大スポで記事を読んだが、さもありなん。
と言ってはイカンのかもしれないが、現場作業は東電から請け負ったグループ会社が更に下請けへ下請けへ下請けへ…と流れていくだろうから、どんな手で人員確保しているか分かったものではなかろう。
今回ニュースになったのは声を上げる労働者だったからだが、きっと何も言わずに黙々と作業に従事して淡々と賃金を受け取っている人もいるに違いない。
逆に今回ニュースとして取り上げられたことで“仕事”を失い、収入が断たれて困るという人もいるのではないか。
「高額報酬には裏がある」のは常識で、今回の作業で日当12,000円は、現場レベルでは「高額」と言えない状況で苦情になったのではないかと、うがった見方もしてしまう。
一緒に採用されたもうひとりの方は、当初の倍の60万程度の収入になったというから、その差に憤ったことから発覚することにつながったのかもしれない。
今後、原発の現場作業に、より多くの“一般採用”の労働者が赴くことになってくると、人員確保が問題になることだろう。

そんな中、原発で作業する60歳以上の高齢者を募る「福島原発暴発阻止行動プロジェクト」なるボランティアがあることを、同じく大スポで初めて知った。
御歳72歳という発起人曰く、
「子供や将来のある下請けや孫請けの若い作業員を危険にさらすわけにいかない。放射能の感受性が弱く、将来の心配が無い経験のある元技術者の高齢者が作業すべき」
と考えて立ち上げたという。
8日時点で、発電所で働いていた技術者や大学教授などに輪が広がり、作業を行う「行動隊」81名、作業を支援する「応援隊」384人が集まっているとのこと。
このボランティアに対して、細野首相補佐官が採用に前向きな姿勢を見せたことに、発起人は、
「いよいよ動き出したか、という感じ。一日も早く現場に行きたい」
と語っている。
高齢者になる手前、中年以下の人間には、とても言い出せないことを自ら率先して発案し、立ち上がった勇気と行動に敬意を表する。
大勢の名も無き善意が支える社会には未来がある…