今年はじめて出会った蝶はベニシジミ。冬越し世代ではなく新世代成虫です。昨年秋、10月20日→10月30日→11月4日に、同じ個体に出会ったのと全く同じ場所(たぶん1mも離れていない)。11月7日に最後のボロベニシジミを見てから111日目、彼らの子供の世代です。なんだか、うれしくなってきます。
写真1‐5
ベニシジミ
2023.2.27 福岡県飯塚市 僕のアパートの前
そういえば、去年も最初に出会った蝶はベニシジミでした。3月16日、1万キロメートルほど離れたエーゲ海のパロス島。
写真6‐7
ベニシジミ
2022.3.16 ギリシャ・パロス島 ジョージの実家の前
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今日、ベニシジミに続いて姿を見せたのは、ともに成虫越冬のキチョウとキタテハ。キチョウは、いつものごとく、止まりそうで止まらない。止まると、目の前にいても姿が見えない。ということで、良い写真は撮れません。キタテハも、複数等が目まぐるしく飛んでいて、なかなかキャッチできない。それでなくても目はほとんど見えないし、カメラもぶっ壊れていることだし、我ながらよく撮影できたものと感心してしまいます。
写真8‐10
キチョウ
雌を探して飛び回っている雄ですが、本当に冬越し個体なのでしょうか? 雄だけ越冬個体で、これから出現する雌は新世代、なんてことはないのだろうか?
写真11‐14
キタテハ
こちらは紛いなき越冬個体ですけれど、考えてみれば、去年の秋には一頭も出会わなかったわけで、一体どこにいたのでしょうか?
今日のメンバー3種は、図らずも日本産蝶の3つの典型的分布パターンを代表する種です。
ベニシジミは、北半球広域分布種。
キチョウは、東洋熱帯広域分布種。
キタテハは、東アジア固有種(繁栄する遺存種)。
それぞれ、非常に魅力的な問題提起を内包しています。
僕の今後の(というか以前からずっとそうなのですが)テーマは、身近な蝶達のアイデンティティを探る。
マニアの人たちが見向きもしない、いわゆる“駄蝶”に絞って、日本の外側からその性格を探っていく。とりあえず、中国を再訪できるようになったら(もちろん四川とか雲南とかにも赴きたいけれど)、意外に(というよりもぶっちゃけ丸っきり)調べられていない、北京/上海/香港近郊の、「日本の身近な種」の実態解明(日本産との血縁関係や生態比較)に取り組んで行きたいです。
適当にピックアップした候補:アゲハチョウ/キアゲハ/モンシロチョウ/スジグロチョウ/モンキチョウ/キチョウ/アカタテハ/ルリタテハ/キタテハ/コミスジ/ヒメウラナミジャノメ/クロヒカゲ/コジャノメ/ヒメジャノメ/ヤマトシジミ/ツバメシジミ/ルリシジミ/ベニシジミ/ダイミョウセセリ/イチモンジセセリの20種。