青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 11(2007.7.5 雲南百花嶺)

2011-03-25 09:12:31 | チョウ



雲南高黎貢山百花嶺①「百花嶺(白花原始森林)へ」

ベニシジミの仲間の紹介の途上ですが、ここでちょっと趣向を変えて、アオミドリフチベニシジミとフカミドリフチベニシジミを観察した、高黎貢山の「百花嶺」(「白花林」とも言うようです)への紀行を紹介していきましょう。この紀行が終了した時点(11回+3回を予定)で、再びベニシジミの仲間の紹介を続けて行きます(残り13回を予定)。

2007年は、散々な年でした(2006年も2008年も、それぞれに相当悲惨だったのだけれど)。1~2月に雲南・ラオスで体調を崩して、ほうほうの体で帰国、7月には1週間のとんぼ返りの予定で中国に向かったのは良いのだけれど、帰国費用が捻出出来ず、猛暑の最中、香港(シンセン)で1週間余分に足止めを食ってしまったという、、、、いつも同じことを繰り返しているようですね。

この時の中国行きは、昆明の博物館での中国産野生アジサイの標本チェックが主目的、ついでに“幻の記載種”の実態を解明しておかねば、ということで、博物館で紹介された、高黎貢山“百花原始森林”に野生アジサイの探索にやって来た、という訳です。

高黎貢山は、サルウイン河(中国名「怒江」)とイラワジ河に挟まれて南北に連なる山脈の総称で、延長500㎞近く、北はチベット省境の、雲南省最高峰「梅里雪山」とミャンマー最高峰「カカポラジ」に挟まれた5000m前後の峰々、南は標高2000m前後に高度を下げ、インドシナ半島に収斂するミャンマー国境近くに至ります。僕がよく訪れるのは、南部の、保山と騰沖を結ぶ省道317号線沿いの、保山市と騰沖県と龍陵県の境に位置する、標高2400m程の峠の周辺です。その他、これまでに訪れたことがあるのは、騰沖側の河の一支流・龍川江を30㎞余程遡った「桜花谷」、さらに30㎞余北の「界頭」(いずれも騰沖の町からバスやタクシー利用)、界頭からトラックの荷台で最奥の集落「大塘」、大塘から丸一日歩き通し、ミャンマー国境まであと5㎞の稜線上の原生林、、、。いずれも高黎貢山の西側(イラワジ河流域)に当たり、すぐ西側には、北から「大脳子山」「白風坡」「雪山頂」といった、標高3500前後の高黎貢山の峰々が連なっています。

このときは、始めて東面の怒江(サルウイン河)流域から主稜線の中腹に向かったことになります。北緯25度付近で、中国で南方に位置しますが、桂林や昆明や台北とほぼ同緯度、香港よりはかなり北で、河岸の標高も1000m余りあると思われます。しかし、山稜と山稜に挟まれた深い谷間であるという地形と、すぐ西にベンガル湾からの偏西風をまともに受けるミャンマー北部のイラワジ本流の平原を控えていることもあってか、おそらく中国でも有数の猛暑の地と思われます。実際、この時の帰路に泊まった怒江沿いの宿の夜は、筆舌に尽くし難いほどの物凄い暑さだったものです。

それと共に、標高3000~3500m超の稜線上は、北にチベットの氷雪の峰々に連なること、両側に深い渓谷を擁した切り立った山稜であることなどから、標高以上に、温帯系の生物群集が育まれているように思われます。両者の中程に広がる、標高1500~2500m前後の山腹の原生林や渓流の生物相の魅力は、もって知るべしでしょう。






↑というわけで、難儀を重ねて、バス・タクシーその他を乗り継ぎ、百花嶺の宿泊所に辿りつきました。宿泊所の屋根上から望んだ、集落と高黎貢山の一峰。






↑宿泊所の庭と僕の部屋の向かいの棟。







↑右下一階部分は茶室を兼ねたベンチ。







↑僕の部屋。







↑室内から望んだ、夕映えの怒江方面。







↑窓の下です。






↑宿のご主人とお子さん。





↑おじいちゃん、おばあちゃん(?)と一緒に食事。







↑左のスープの具は、この瓜の様な野菜の蔓だそうです。アオミドリフチベニシジミを撮影した、集落の草地にも植えられていました。







↑翌日には、瓜の実そのものも、スープの中に(左上と手前)。韮とじの卵焼きは僕の大好物です。

宿泊費は幾らだったか記憶していないのだけれど、確か一泊30元(400円強)と言われたように思います。帰る際、まとめて2日(夕方までいたので実質3日?)分を支払ったら、思ったよりも高額で、150元ほど(約2000円)を取られてしまった。食事代がかなり高くついたのでしょう。清算時、御主人が非常に申し訳なさそうに、これだけの額を支払って頂けないでしょうか、と紙に子細に記した請求書を、恐る恐る出してきたのが印象に残っています。外国人の宿泊客は僕が3人目由、一人はアメリカ人、一人は日本人(恐らく何かの分野の研究者)、アルバムを見せてくれました。

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