青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 10 アオミドリフチベニシジミ(その2)

2011-03-24 11:26:12 | チョウ



雲南省保山市高黎貢山百花嶺2007.7.6【17:14】
 

(第10回)アオミドリフチベニシジミHeliophorus androcles Ⅱ

百花嶺の2日目は、集落から3㎞ほど尾根を登った辺りの林内の草地(北回りの林道との接続地点で、古街道跡の“旧街子”の近く)で、アオミドリフチミドリシジミの♂に出会いました。ここでは、フカミドリシジミと混棲し、キンイロフチベニシジミらしき個体も目撃しています。本来の目的は野生アジサイの探索なので、昼間の撮影は短時間で切り上げ、さらに尾根道を10㎞余往復し、午後5時頃から改めて観察・撮影を始めました。天候は(途中何度かの小雨を挟んで)曇り。午後5時から5時半頃にかけてはアオミドリフチベニシジミが多数見られたのに対し、5時半以降はフカミドリフチベニシジミだけとなりました。調査例が少なすぎるので何とも言えませんが、前日の集落近くでの午前中の観察ではアオミドリフチベニシジミのみが見られたことと併せ、両種の間に活動時間帯や微気候に対する何らかの差があるのかも知れません。





アオミドリフチベニシジミHeliophorus androclesとフカミドリフチベニシジミHeliophorus viridipunctata[夏型翅裏面]
(全写真)雲南省保山市高黎貢山百花嶺(標高1700m~2200m) 2007.7.5~6
1段目左2頭:アオミドリフチベニシジミ♂
2段目右2頭:フカミドリフチベニシジミ♂
1段目右端と2段目右端は、どちらの種に属するか未検証。


   

   

アオミドリフチベニシジミHeliophorus androclesまたはフカミドリフチベニシジミHeliophorus viridipunctata[夏型♀]
(全写真)雲南省保山市高黎貢山百花嶺(標高1700m~2200m) 2007.7.5~6
*1段目左2カット、1段目右と3段目2カットは、それぞれ同一個体(計3頭)。




≪撮影個体、および場所と時間の一覧表≫

2007年7月5日(集落上の畑縁の草地・標高約1700m地点/薄曇り)
9:12アオミドリ♂ 7=撮影総数(0=翅裏面)カット
9:16-9:19アオミドリ♂ 53(8)カット
9:31アオミドリ♂ 5(0)カット
[他に未整理(行方不明)写真一部あり、午後はヒグラシの録音]

2007年7月6日(主稜線に至る山間林内に開けた草地・標高約1900m地点/曇り~小雨)
[午前中の集落周辺での撮影カットは未整理(行方不明)]
13:31種不明 1(1)カット(アオミドリ♀?)
13:31-13:33フカミドリ♂ 30(9)カット
13:34-13:35種不明♀ 21(0)カット
13:37-13:38種不明 6(6)カット
13:45-13:46フカミドリ♂ 23(1)カット
[この間アジサイ探索のため林内の尾根を標高2500m付近まで登攀往復]
16:57-16:59アオミドリ♂ 30(0)カット
17:01フカミドリ♂ 4(0)カット
17:10-17:11フカミドリ♂ 13(0)カット
17:12-17:13アオミドリ♂ 6(0)カット(*著しい汚損個体)
17:14-17:17アオミドリ♂ 48(3)カット
17:21フカミドリ♂ 5(0)カット
17:23-17:24フカミドリ♂ 8(0)カット
17:27-17:29フカミドリ♂ 7(4)カット(*訪花/未同定)
17:29フカミドリ♂2頭 8(0)カット(*占有姿勢)
17:29フカミドリ♂ 3(0)カット
17:30フカミドリ♂ 1(0)カット
17:35フカミドリ♂ 4(0)カット
17:46種不明 1(1)カット (おそらくフカミドリ)
17:46種不明♀ 3(0)カット (上掲と同一個体の可能性)
17:50種不明♀ 4(0)カット
17:51種不明♀ 5(0)カット
17:53-17:55フカミドリ♂ 20(0)カット
17:56種不明 2(2)カット(*訪花/シソ科クルマバナ)
17:56-17:58フカミドリ♂ 16(1)カット
18:00フカミドリ♂ 7(0)カット
18:01-18:02種不明♀ 5(0)カット

フカミドリフチベニシジミ♂17頭149カット、アオミドリフチベニシジミ♂6頭149カット、種不明♀5頭38カット、種不明(翅裏面のみ撮影)4頭10カット、他に、草原②の入り口付近で(6日16時前後)キンイロフチベニシジミと思われる1♂を目撃(未撮影)。








↑高黎貢山百花嶺の山間林内に開けた草地。ここにアオミドリフチベニシジミとフカミドリフチベニシジミが多数見られます。2007.7.6 





↑食草はタデ科で間違いないでしょう。この葉はおそらくギシギシ属、チョウはどちらの種か不明。高黎貢山百花嶺2007.7.6【13:31】






↑高黎貢山百花嶺2007.7.6【16:57】








↑手前はギシギシ属の花序。高黎貢山百花嶺2007.7.6【16:57】








↑高黎貢山百花嶺2007.7.6【16:57】








↑おおむね新鮮な個体が多いのですが、中には飛び古した個体も見かけます。写真下、右の蝶はウラナミジャノメ属の一種。高黎貢山百花嶺2007.7.6【17:12~13】













↑♂翅表の金属光沢鱗は、後方から見たより前方から見たほうが鮮やか、ただしキンイロフチベニシジミの場合と違って、大きく異なることはありません。この個体も翅裏の褐色条が太く、あるいはフカミドリフチベニシジミとの有意な区別点と考えて良いのかも知れません。高黎貢山百花嶺2007.7.6【17:14~17】




↑地図にしろプレートにしろ、「百花嶺」となっているのと、「白花林」となっているのと、2通りあるので、何故なのだろう?どちらが正しいのだろう?あるいは別々の場所なのだろうか?と疑問に思っていたのですが、解りました。読み方が両方とも「バイファーリン」なのです。






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