
「ドラゴン武芸帳」
「ドラゴン武芸帖」
原題:白道/黒白道
英題:The Brave and the Evil
製作:1971年
▼今年も残すところあとわずか…というわけで2014年最後の作品紹介となる今回は、年末恒例の王羽(ジミー・ウォング)作品でいってみましょう。
本作はジミー先生が古巣のショウ・ブラザーズから離脱し、ゴールデン・ハーベストや独立プロで活躍し始めた頃に撮られたもので、当時の年間興行収入7位(資料によっては8位)にランクインしています。
肝心の内容は驚くほどシンプルですが、巨大な城砦や大勢のエキストラを動員してスケール感を演出。アクションシーンも見応えがあり、ヒットしたのも頷ける出来となっていました。
■九華山に本拠をかまえる張沖(ポール・チャン)盗賊団は、悪の限りを尽くしていた。盗賊団には大勢の兵隊に加え、手強い3人の幹部(薛漢・曾江・萬重山)が控えており、張沖自身も恐るべき剣技の使い手である。
この日も連中は[金票]局(用心棒を兼ねた運送業者)を襲撃し、リーダーの馬驥を始めとした運送人全員を殺害。まんまと宝物を強奪するが、馬驥の娘である上官靈鳳(シャンカン・リンホー)が仇討ちに来ることを予期しつつあった…。
一方、諸国を行脚していた剣客のジミー先生は、たまたま立ち寄った茶屋で彼女の噂を耳にした。彼は1人で仇討ちに向かう上官靈鳳の身を案じ、密かにバックアップしようと思い立つ。
盗賊団の息がかかった旅館で合流した2人は、反発しつつも敵の連絡係だった苗天を討ち取り、曾江と萬重山も連続で撃破する。しかし上官靈鳳が1人で先走り、敵陣に突入して捕えられてしまう。
ジミー先生は対盗賊団用の秘密兵器を開発すると、盗賊団の志願者に化けてアジトに潜入した。四方八方敵だらけという状況の中、上官靈鳳を助け出したジミー先生は最後の戦いに臨む!
▲この作品を語るうえで無視できないのが、有名なジミー先生と上官靈鳳の大ゲンカ事件です。2人はこのトラブルが原因で二度と共演しなくなったそうで、その影響は本編中にも波及しています(中盤で明らかに上官靈鳳が代役を使っているシーンがある)。
しかし本作はこうしたゴタゴタがあったにもかかわらず、なかなかの力作に仕上がっていました。先述したスケール感もさることながら、ストーリーもテンポ良く進むので非常に見やすく、主役2人のキャラクターもそれなりに立っています。
アクションも激しさに富み、大人数を相手にしたバトルが画面狭しと展開! 圧巻はラストの剣戟戦で、長時間にわたって延々とつばぜり合いが繰り広げられ、泥臭くも生々しい迫力に満ちていました。
ちなみにこの当時、まだジミー先生は色物路線に染まりきっておらず(『片腕ドラゴン』を撮ったのが本作と同じ年)、今回は奇抜なギミック描写が控えめとなっています。
唯一の例外は張沖が使用する武器で、こちらは『片腕必殺剣』に登場した変形剣を参考にしているものの、ラストにジミー先生らしいアレンジがされていました(笑
最後までトラブルに振り回されつつも、自分らしさを貫き通したジミー先生の意地が垣間見える作品。当ブログでは今後もこうした傑作から珍作、果ては駄作まで紹介していくつもりなので、また来年もよろしくお願いします!
「ドラゴン武芸帖」
原題:白道/黒白道
英題:The Brave and the Evil
製作:1971年
▼今年も残すところあとわずか…というわけで2014年最後の作品紹介となる今回は、年末恒例の王羽(ジミー・ウォング)作品でいってみましょう。
本作はジミー先生が古巣のショウ・ブラザーズから離脱し、ゴールデン・ハーベストや独立プロで活躍し始めた頃に撮られたもので、当時の年間興行収入7位(資料によっては8位)にランクインしています。
肝心の内容は驚くほどシンプルですが、巨大な城砦や大勢のエキストラを動員してスケール感を演出。アクションシーンも見応えがあり、ヒットしたのも頷ける出来となっていました。
■九華山に本拠をかまえる張沖(ポール・チャン)盗賊団は、悪の限りを尽くしていた。盗賊団には大勢の兵隊に加え、手強い3人の幹部(薛漢・曾江・萬重山)が控えており、張沖自身も恐るべき剣技の使い手である。
この日も連中は[金票]局(用心棒を兼ねた運送業者)を襲撃し、リーダーの馬驥を始めとした運送人全員を殺害。まんまと宝物を強奪するが、馬驥の娘である上官靈鳳(シャンカン・リンホー)が仇討ちに来ることを予期しつつあった…。
一方、諸国を行脚していた剣客のジミー先生は、たまたま立ち寄った茶屋で彼女の噂を耳にした。彼は1人で仇討ちに向かう上官靈鳳の身を案じ、密かにバックアップしようと思い立つ。
盗賊団の息がかかった旅館で合流した2人は、反発しつつも敵の連絡係だった苗天を討ち取り、曾江と萬重山も連続で撃破する。しかし上官靈鳳が1人で先走り、敵陣に突入して捕えられてしまう。
ジミー先生は対盗賊団用の秘密兵器を開発すると、盗賊団の志願者に化けてアジトに潜入した。四方八方敵だらけという状況の中、上官靈鳳を助け出したジミー先生は最後の戦いに臨む!
▲この作品を語るうえで無視できないのが、有名なジミー先生と上官靈鳳の大ゲンカ事件です。2人はこのトラブルが原因で二度と共演しなくなったそうで、その影響は本編中にも波及しています(中盤で明らかに上官靈鳳が代役を使っているシーンがある)。
しかし本作はこうしたゴタゴタがあったにもかかわらず、なかなかの力作に仕上がっていました。先述したスケール感もさることながら、ストーリーもテンポ良く進むので非常に見やすく、主役2人のキャラクターもそれなりに立っています。
アクションも激しさに富み、大人数を相手にしたバトルが画面狭しと展開! 圧巻はラストの剣戟戦で、長時間にわたって延々とつばぜり合いが繰り広げられ、泥臭くも生々しい迫力に満ちていました。
ちなみにこの当時、まだジミー先生は色物路線に染まりきっておらず(『片腕ドラゴン』を撮ったのが本作と同じ年)、今回は奇抜なギミック描写が控えめとなっています。
唯一の例外は張沖が使用する武器で、こちらは『片腕必殺剣』に登場した変形剣を参考にしているものの、ラストにジミー先生らしいアレンジがされていました(笑
最後までトラブルに振り回されつつも、自分らしさを貫き通したジミー先生の意地が垣間見える作品。当ブログでは今後もこうした傑作から珍作、果ては駄作まで紹介していくつもりなので、また来年もよろしくお願いします!
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