功夫電影専科

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『リメインズ/美しき勇者たち』

2008-02-02 23:03:58 | 千葉真一とJAC
「リメインズ/美しき勇者たち」
Remains: Beautiful Heroes/Yellow Fangs
1990

●JAC(ジャパン・アクション・クラブ)の創立20周年記念として企画された作品だ。真田広之を筆頭に、菅原文太、黒崎輝といったメンバーが多数参加。監修に深作欣二、そして本作こそが千葉真一の初監督作でもある。
本作は大正時代、突如現れた人喰い熊アカマダラを追うマタギたちの物語で、移りゆく世の中で生きるマタギとその運命。そして大自然に挑戦する彼らの奮闘を描いている。広大な雪国をバックに繰り広げられるスタントは、当時の邦画としても最先端のレベルで、初監督ながら手堅い作りにしているあたりは、さすが千葉真一といったところだろう(これ以後の監督作が『覇拳』ぐらいしかないのが不思議だ)。
本作の目玉である人喰い熊・アカマダラは本物の熊を使用して撮影しているが、さすがに街中にアカマダラが現れるシーンや、ラストの真田&村松美香とアカマダラの決戦では着ぐるみのダミーが使用されている。とはいえ、その迫力はなかなかのもの。かつてモンスターパニックものの映画で『グリズリー』(『ジョーズ』の熊バージョン)という作品があったが、本作のほうが出来としては秀逸。人VS人の戦いではないものの、これは面白かった。
だが、本作で一番気になるのが、ヒロインである村松美香の存在である。独立愚連隊の如き行動を取る彼女の存在は見ていてあまり必要とは思えないキャラで、特に終盤のアカマダラとの決戦では、女の匂いで寄ってくるアカマダラをおびき寄せる為に皮ビキニで現れるのだ(爆
ここまでかなりの盛り上がりを見せておいたのに、なんだかこれでバカ映画へ突き落とされたような気分だ。こういうシリアスなストーリーへ安易に恋愛要素を絡めたヒロインを登場させてしまうと、一気に陳腐に見えてしまう例の典型。正直、ここだけは見ていてガッカリしてしまいました。

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