功夫電影専科

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『狂犬 Mad Dog』

2009-07-14 21:29:28 | 日本映画とVシネマ
「狂犬 Mad Dog」
製作:1994年

▼これまで清水宏次朗によるアクション作品をいくつか紹介してきましたが、そろそろ当ブログで取り上げられる主演作(純粋な格闘映画)も少なくなってきました。
高瀬将嗣監督作の『ケンカ包丁 義』は格闘シーンが無いようですし、『獣のように』『武闘の帝王』シリーズは毛色がちょっと違うのでパス。個人的には『新・ピィナッツ』『ワル 正伝』が今後の注目株ですが、こっちはそれぞれ元となる作品群があるため、少し取っつきにくいイメージがあります。あとは『ビーバップ』シリーズもあるけど、こっちは逆に作品数が多いし…うむむむ。
ということで本作の視聴に至ったのですが、この作品における最大のセールスポイントは石橋雅史が出演している事に尽きます。物語は巻き込まれ形式の復讐記で、とてもシンプルな作品となっていました。

■平凡なサラリーマンの清水は、北原佐和子と幸せな新婚生活を送っていた。ところが、暴力団の錦城組を仕切る白竜が突然押し入り、北原を無理矢理奪い去ってしまう。警察はあてにならず、孤軍奮闘を強いられた清水は妻を取り戻そうとするのだが、単なる一般人である彼がヤクザを相手にできるはずもなかった。
そんな中、清水は錦城組に敵対する男・新藤栄作と出会う。彼は錦城組の逆襲によって殺されてしまうが、死に際に「恐谷特別刑務所の石橋雅史に頼れ」というメッセージを清水に告げた。自ら進んで出頭した彼は、極悪刑務官と錦城組の刺客が日常的に襲い掛かってくる塀の中で、どうにか石橋との接触に成功する。
拳法の達人であった石橋に師事し、復讐のために腕を磨いていく清水。ところが、時を同じくして白竜は自身の父親が意外な人物であることを知り…。

▲本作は清水が珍しく弱いという設定のため、最初の1時間はとにかくやられる場面ばかりが続きます。しかし、刑務所で石橋に出会ってからはエンジンが掛かり、痛快な格闘アクションが次々と披露されていきました。
特に石橋雅史の存在感は圧倒的で、謎多き師匠役を凄みたっぷりに演じています。もちろん清水VS石橋の師弟対決もじっくり見られるし、同時期の『拳鬼』と違って石橋の吹き替えスタントも極力少なめ。後半の採石場を舞台に繰り広げられる清水VS石橋の一戦は、まず間違いなく清水のベストバウトの1つとして数えられる名勝負と言えるでしょう。
 ですが、あまりにも石橋雅史の持つインパクトが強すぎたせいで、反対にワリを食ってしまったのが白竜でした。白竜は序盤こそ狂気を孕んだキャラクターで飛ばしていますが、物語が進むに連れて狂気の度合が薄まり、ラストバトルである清水VS白竜がとても淡泊なものになってしまっています。
他にも人死にの多すぎる展開に疑問符を浮かべてしまうものの、Vシネ格闘アクションとしては十分佳作に入る作品。格闘映画好きは必見です!

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