功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『雷拳』

2007-11-14 20:06:34 | バッタもん李小龍
雷拳
Dragon Claws/5 Pattern Dragon Claws/Thunderfist
1982

▼残念ですが、またまた巨龍(ドラゴン・リー)作品のレビューです(爆
しかし今回は心強い味方がいまして、何と本作に立ちはだかる強敵に黄正利(ウォン・チェン・リー)が出演しているのだ。本作以外でも幾度か巨龍と立ち会ったことのある黄正利だが、自分はこの顔合わせを見るのは本作が初だ。殺陣がダメでも黄正利が絡んでいるならそこそこ良いアクションをやってくれていると思われるが…。

■少林寺主催の武術大会が行われ、巨龍たちのチームが勝利を勝ち取った。「これからも修行に励むのじゃぞ」と少林寺の偉い坊さんにお言葉を頂いた巨龍たちだが、敵対している黄正利の武館とは相変わらず犬猿の仲だ。ある夜、巨龍の兄弟子が少林寺の館長を殺害して少林寺の秘伝を盗み出そうとしたが、途中で発覚する(どうやら黄正利にそそのかされた様子)。
悪逆非道な黄正利らの悪行は止まるところを知らず、巨龍の仲間をボコッたり眼鏡の叔父さんを殺したりとやりたい放題だ。遂には黄正利は巨龍たちの道場を襲って乗っ取り、そこで仲間うちではナンバーワンの実力である巨龍が挑んだ。なかなかの勝負を繰り広げる両雄…しかし黄正利が足技を繰り出してきたところで劣勢に追い込まれ、巨龍は敗北してしまう。
そして秘伝書は何故か黄正利の手の中に…リベンジに訪れた巨龍の仲間たちも1人を残して返り討ちにされ、少林寺も下手に動けずじまいだ。黄正利に逆らうものがいなくなった今、武林の利権は完全に黄正利の手の中へと渡った。
ところで巨龍だが、黄正利に負けて埋められそうになったところを(犬かよ)、白髪の老人に助けられていた。実は白髪の老人は少林寺の高僧で、以前秘伝書を盗もうとした兄弟子もここで保護観察処分を受けていたという(しかし兄弟子は自戒の念から自殺)。黄正利の一味に襲われそうになっていたヒロインとも合流し、今の実力では黄正利に勝てない巨龍は、『ヤング・ボディガード』のメインテーマに乗って修行に励む。
黄正利の蛮行は相変わらず続き、生き残っていたヒロインの兄が殺され、少林寺も襲撃に遭った。鷹拳と足技だけでもムチャクチャ強いのに、盗んだ秘伝書を駆使して更に武器術・拳法まで身に付けていく黄正利。もう奴を止められるのは俺たちだけだ…修行を終えた巨龍は、先だって向かった高僧を追って、黄正利の根城へと突入する!

▲モヤモヤしていた『五大弟子』とは打って変わって、本作はストレートな正統派の功夫片だ。黄正利と巨龍はもちろんのこと、忠臣役の白黄基や巨龍の仲間たち、更にはすぐ倒されるザコに至るまで総キッカー状態であり、かなり迫力のあるアクションが展開されている(脇役に過ぎない巨龍の仲間が黄正利お得意の三段蹴りを放った時は驚いた)。
巨龍はいつもの気持ち悪いモノマネは極力見せないし、ストーリーもありがちだがそれなりに作ってある。そして何よりも凄いのが黄正利で、今回の彼は少林寺の秘伝を悪用して更なる足技を習得(タイトルにある"雷拳"か?)。なんと蹴ると雷が響き、蹴ったところが発火するのだ(爆)!ラストバトルでも巨龍と高僧の2人がかりにもかかわらずやたら強いし、なかなか見応えがあった。巨龍作品の中では良作であると言えるので、黄正利ファンならずとも見て欲しい一片である。ただ、仲間が次々と殺されていくので作品の色としては陰惨な方かな…?

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6 コメント

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はじめまして (りゃん)
2007-11-14 22:52:26
こんばんわ、りゃんといいます。
この作品は予告編にしびれて入手しました。
内容的にも、黄正利をはじめアクションも充実してたと思います。それにしても韓国製クンフー映画?は足技のレベルが高いですね。。。テコンドーの影響ですかな???
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テコンドーファイター (龍争こ門)
2007-11-17 08:21:59
りゃんさんこんにちは!&返信遅れてスミマセン…。
りゃんさんとは『雌雄雙殺』のコメントで既にお会いしていますが、もしかして同名異人の方でしょうか?

>内容的にも、黄正利をはじめアクションも充実してたと思います。
確かに本作のアクションはなかなかよかったですね!
巨龍もまともにアクションをすればそれなりに見られる動きが出来るんですけどねぇ。黄正利の"雷拳"はムチャ過ぎて凄かったです(笑

>テコンドーの影響ですかな???
韓国産の功夫映画に脚技要素が強いのはやっぱりテコンドーによるものでしょうね。
香港映画と比較するとカット割りなど若干レベルが落ちますが、脚技アクションはあちらの専売特許ですし、何より黄正利や黄仁植といった凄腕ファイターを生み出しているところも大きな特色です。
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同一人物ですよ (りゃん)
2007-11-17 18:23:59
失礼しました、仰るとおり同一人物です。
今後とも楽しいブログよろしくお願いします。

脚技アクションは、個人的には
華麗な左足なら、タン・トウリャン
伸びる右足なら、ジョン・リュウ
回転力なら、カサノバ・ウォン
実践的なら、ウォン・チェンリー
ってとこですかね。。。

今後とも楽しいブログよろしくお願いします。
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キッカーたちの黄昏 (龍争こ門)
2007-11-17 22:54:21
りゃんさんこんばんは!

>華麗な左足なら、タン・トウリャン
>伸びる右足なら、ジョン・リュウ
>回転力なら、カサノバ・ウォン
>実践的なら、ウォン・チェンリー
>ってとこですかね。。。
持久力なら『ヤング・マスター』でジャッキーと延々20分以上戦いまくった黄仁植…かな(笑)?脚技ファイターには同じように見えてそれぞれちゃんと特色があるとこがいいですねぇ。
あと、りゃんさんはもしかしてその名前からして梁小龍のファンですか?脚技ファイターの中で梁小龍は総合的にレベルの高いアクションが出来るスターと思ってまして、私は大好きです!
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ブルース・りゃん (りゃん)
2007-11-18 22:47:28
その通りです。何度あの連続廻し蹴りを真似したことでしょうか。というぐらい凄いですね~
プラス跳び後ろ廻しも。。。
ベストは一般的には「必殺ドラゴン鉄の爪」みたいですが、個人的にはvs倉田保昭の「帰って来たドラゴン」ですかね。。。

実現して欲しかったですね、梁小龍vs黄正利!!!

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キッカー同士の対決 (龍争こ門)
2007-11-19 23:44:15
りゃんさんこんばんは!

>その通りです。何度あの連続廻し蹴りを真似したことでしょうか。というぐらい凄いですね~
やはりそうでしたか!しかしホントに梁小龍の流れるような技の数々は見事の一言に尽きますね。

>実現して欲しかったですね、梁小龍vs黄正利!!!
一応『激突!少林拳VS忍者』では一緒に出演していますが、黄正利はOPのみの登場で、梁小龍もカメオ出演だったので絡むまでには至りませんでした。
梁小龍と黄正利は共に呉思遠繋がりでブレイクしたので、この2人の共演があってもおかしくはなかったですね。
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