企業年金・退職金制度として、確定給付型がいいか、確定拠出型がいいかを
検討する場合、掛金を従業員が自分で運用するということをめぐって、判断が
分かれるようです。
確定給付型がいいというケースでは、年金資産の運用を企業が行うという点が
労使共に好ましいと考えてるようです。確定拠出型は従業員が自分で運用とい
うことがネックになるようです。
さて、確定給付型は企業が年金資産の運用責任を負うということですが、これは
事業主が負っているわけですが、従業員も全く無関係ではありません。
例えば、運用がマイナスとなった場合を考えて見ましょう。
期末に年金資産が10億円のなる想定が、委託先金融機関の運用がマイナスで
あったため1億円の積立不足が発生したとします。この1億円の不足分は、企業
利益から穴埋めしていくことになります。
企業利益から穴埋めするということは、事業主や経営陣だけが、その不足の1億
円のために身を粉にして働くのではなく、従業員全員が1億の穴埋めのために、
がんばらなくてはならないことを意味しています。
従業員が200人の会社の場合、1億円は1人当たり50万円です。
1人平均50万円の利益を出すために、通常より多く働かなければなりません。
別の表現をすれば、1か月から2ヶ月ただ働きをすることをが必要になるということ
です。
確定給付型のほうが、従業員にやさしい制度と、考えない方がいいでしょう。
●確定拠出年金のことを、DCといいます。
DCは、defined contributionを略したものです。