(オデサОдесаの港)
けさの朝日新聞に『(耕論)ロシア流「大本営発表」』のタイトルで3人の論者へのインタビューがのっていた。なぜ、「ロシア流」とあるのか、私には わからない。ロシアの悪口を言えば読者に受けるという下心があるのではないか。戦争がはじまれば、どちらもウソばかりをつく。人を平然と殺すことは、まともな人にはできないことである。戦争はまとまな人にもそれを要求する。だから、政府はすべての人を人格障害者にすべく、ウソをつき、煽り立てる。そうして、政府は暴君に変身する。
ウクライナも本格的な戦争が始まった2月から、総動員令を発して、18歳から60歳の男は国から逃げては いけないとしている。国境では、役人に賄賂を払わなければ、男は家族とともに逃げることができない。国は、愛国主義を鼓舞するために、戦いに勝っているような発表をする。そして、戦わない男を卑怯者呼ばわりをする。
なぜ逃げてはだめなのか。
2,3日前に、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ようやく、毎日、200人から300人のウクライナ兵士が殺されていると公言した。アメリカに、遠くのロシア兵を殺すための強力な兵器を求めるために、本当のことを言ったのである。
最近、ロシアが捕虜の兵士を裁判で死刑にすると公表した。ウクライナ国籍を持たないのにウクライナ側で戦ったからが理由である。いっぽう、ウクライナも捕虜のロシア兵を戦争犯罪人として裁判で終身刑に処した。
けさの『(耕論)ロシア流「大本営発表」』には、80年前の日米戦争中、日本政府が、北海道帝国大学の学生を、外国籍の英語教師に軍事機密の飛行場の存在を漏らしたとして罰した事件が取り上げられていた。飛行場の存在はみんなが知っていることなので、罰するような軍事機密でなかったという。「見せしめ」である。
現在のウクライナのオデサでは、港湾の写真をとっていけないとなっている。しかし、港オデサは観光地であり、ネットには、いくらでも写真があがっている。なんでもかんでも軍事機密になり、国民は心の中まで統制される。誰かが「見せしめ」に罰せられる。
今、日本のテレビでは、元自衛隊幹部や現役の防衛研究所の所員が、情報戦こそ現代の戦争の要である、ウクライナは成功しており、ロシアは失敗していると言う。
戦争にも参加していない日本のメディアが、なぜ、戦争における情報操作を持ち上げるのか。
戦争が始まったら、政府は勝つために何でもする。政府に異論を唱える者を非国民と呼び、「見せしめ」に罰してくる。
20世紀以降の戦争は総力戦である。アメリカは戦争のたびに他国を空襲し、戦闘員、非戦闘員の区別なく、殺してきている。ロシアだけが異常なのではない。情報操作にだまされてはいけない。
政府に戦争をさせないことが、いちばん、だいじなことである。他国を敵国と呼び、軍備増強を図る政党に投票しないことが、だいじである。戦争をしたときのために、緊急事態条項を憲法にいれるなどという政党に投票しないことが、だいじである。