日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 休日なのに何でこんなに忙しいのかわかりません。というより私の本業、日本側は土日や祝祭日関係なしの年末進行(月月火水木金金……古すぎ?)ですから愚痴をこぼしても始まらないのですが。

 という訳で、今回は「muruneko」さんから前回頂いた御質問に回答する形式とらさせて頂きます。ただし手抜きではありませんよ。

 まずは頂いた御質問から。

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 ●支那人はどの程度状況を理解してる? (muruneko)
 2005-12-23 12:05:04

 御家人さん、確かに「籠の中の鳥」である香港人民主派の閉塞感や現状への不満が良く伝わってきました。

 このような直接選挙制への攻防が香港で行なわれているという状況を本土の支那人はそもそも認識・理解しているのでしょうか?

 本土の新聞やTVに出る類の話ではない(報道抑制の対象)ぐらいは容易に想像が付きますが、様々な噂が庶民の間で流布されている筈と推測します。

 羨ましく(妬ましく)思っている、それとも「ふーん」と対岸の火事視して興味も無い、はたまた目出度くも愛国教育の成果で「民主主義」に反感を持っている、民度が低すぎて理解できない、どんな感じなのでしょうかね?

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 >>murunekoさん

 1997年の香港返還を私は現地(香港)で迎えたのですが、地元テレビ局のニュースや新聞報道をみた限り、大陸人(広東省を除く)は香港人が諸手を挙げて返還を喜んでいると信じて疑わないようでした。……「香港・香港人」に対する致命的な誤解、といっていいでしょう。

 現在もそういう意識差、いやむしろ断絶に近い価値観の違いが根強く残っているように思います。私が「なんちゃって香港人」として反日サイトの掲示板に入ると、

「中央が色々援助したり優遇措置を与えたりしているのに文句を言うとは贅沢だ」

 という声が出たりします。大陸側が過度な愛国主義を香港人に期待し(大陸人は香港人も同じ気持ちだろうと誤解している訳です)、その余りの極彩色ぶりに香港人がひいてしまう、という場面を目撃したこともあります。

 その一方で、香港の民主化が進めば大陸の民主化にも好影響を与えるだろうと期待する向きもありますが、私はそれはないだろうと思います。民度が違い過ぎますから。

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 実は昨年、某翻訳掲示板で香港人として振る舞っていたとき日本人から質問を受けて、返還後の香港人の心情を書いたことがあります。これは後に副業先の編集部の連中に読ませたところ絶賛されましたから、リアル香港人の意識からそう遠くない内容なのでしょう。それを仕立て直して大陸の掲示板に貼ってみたところ、

「香港の立場は理解できるが、大局眼を持たない本位主義傾向が強いと思う」

 という感想が相次ぎました。「本位主義」とは「諸侯経済」で「諸侯」が地方保護主義に走ることを批判するときに使われる言葉です。地元最優先で中国全体の局面を理解しようとしない風潮、ということかと思います。

 ちなみに、「なんちゃって香港人」の私が某翻訳掲示板で日本人にレスした上記文章を貼っておきました。ネスケ推奨です。IEで見ると文字化けやレイアウトの崩れなどがあるかと思います。……もう1年以上も前、ちょうどサッカーアジアカップが中国で開催された直後のものです。

 ●Re: 19411208先生(2004/09/04)

 あと古いエントリーですけど、よかったらこちらもどうぞ。

 ●大激論!香港人vs中国人(2004/08/05)
 
 ●「愛国度」が試された?香港vs中国(2004/11/25)

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 中国国内メディアによる香港報道は非常に偏向かつ限定されており、要するに返還当時に「香港人はみな喜んでいる」と報じたスタイルそのままです。今回の件についても、

「政治改革によって大きく民主化への道を踏み出せる筈だったが否決されたのは残念」

 という曽蔭権・行政長官(香港のトップ)の談話などが紹介された程度です。

 http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2005-12/22/content_3953628.htm

 反対派の意見や「12.4」民主派デモなどといった詳細はもちろん省かれています。短波ラジオで「VOA」(美国之音)や「RFA」(自由亜洲電台)、あるいはBBCなどを聞いたり、ネットで当局の封鎖をくぐり抜けて情報を得たりしなければ詳しい経緯はまずわからないでしょう。

 ただ、現在は広東省など一部地域に限って香港への観光旅行(自由行)が認められています。そういう機会を通じて何事かが大陸に還流されていく可能性はあるでしょう。何たって新聞スタンドに寄れば反中共雑誌が普通に売られていますし、スターフェリーの乗り場近くで法輪功が活動していたりするのですから。今後観光客の増加に伴って「還流」が無視できない状況となり、中共は何らかの手を打つ必要に迫られると思います。

 もっとも「還流」が無視できない状況となるまで中共政権が無事でいれば、の話ですけど。

 ですから基本的には、当局によって染め上げられた「香港人」のイメージが庶民レベルには浸透しているのではないかと私は考えています。そもそも大陸の人間にとって、「反日」「台湾」に比べれば、政治的な存在としての「香港」はそれほど興味を引く対象ではないようにも思います。



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