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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

昭和の障害者の思い克明に 30~40年前の有線放送番組を本に

2017年02月14日 10時31分04秒 | 障害者の自立

 野田市に以前あった有線放送で、1974(昭和49)年から10年間、障害のある人や親たちが日々感じた喜怒哀楽を率直に語る番組が流れていた。番組の録音テープをもとに編集した本「昭和を生きた! 野田の障害者」が今冬、自費出版された。約30~40年前の当事者の肉声から、当時の障害者らの思いと社会状況が浮かび上がる。現在との比較もできる貴重な証言集だ。 

 番組の司会役だった市身体障害者福祉会の元会長、日佐戸(ひさと)輝さん(93)が二〇一五年十月から、保管していたテープをボランティア団体の協力で書き起こし本にまとめた。

 番組のタイトルは「社会福祉の時間」。当時の「野田市有線放送」が七四年十月から八三年十二月まで、ほぼ月一回のペースで計百十回放送した。一回二十分で朝と昼に流した。

 旧陸軍兵士だった日佐戸さんは終戦直前の四五年七月、仙台市で空襲に遭い、右足を負傷して失った。

 有線放送から番組の依頼を受けた時は福祉会事務局長。「戦前戦中は障害者はやっかいもの扱い。これからは一人の市民、人間として生きていくために私たちも頑張ろう」と、仲間と熱心に活動していた時だった。

 「番組は障害者の生の声を聞き、理解してもらう絶好の機会」と、知人たちに協力を依頼。出演を渋る仲間には「番組に出ることで社会が変わる」と説得したこともあった。

 番組は日佐戸さんとの対談形式。延べ百五十人以上が番組で語った。放送期間中の七六年には、国連が八一年を国際障害者年に決めるなど、世界的に障害への意識が変わり始めた時期でもあった。

 証言集では「私は車いすに乗ってます」「白杖(はくじょう)が頼りです」「施設がほしい」「戦争はいやです」など九つのにテーマに分け、三十四回分を掲載。出演者は自分の障害や生い立ち、外出時や仕事の苦労と楽しみ、障害への周囲の理解などを素直に語っている。

 放送当時と比べ、障害者への支援制度は整えられ、道や駅など街のバリアフリーは進んだ。一方で、昨年七月には相模原市の障害者施設で殺傷事件が起きた。日佐戸さんは「本は、苦しい思いの中にいた障害者が立ち上がった記録。心のバリアフリーに時間はかかると思うが、読んでもらい、共生の社会の実現に少しでも役立ってくれれば」と話している。

 三百部発行。県内の図書館などに寄贈。A5判。二百七十二ページ。問い合わせは日佐戸さん=電04(7122)1418=へ。

【障害者らの声】

 下半身が不自由で車いすを使う男性「(外出時の障害の)1番がトイレでもって、次に段差。段差のない病院が近くにほしい」

 下半身が不自由な別の男性「まだまだ車いすで大勢の中に行くと変な目で見られたり、必要以上に哀れみを掛けてくれる人がいますが、車いすに乗っていれば足が動かなくても大抵のことはできるし、健康な人と同じように接してほしい」

 目が不自由な男性「(障害について)親御さん、家族の人たちははずかしいとかかわいそうとか、そんなことは一切もう捨ててね、どんどん世の中に出すべきだ。それが将来の幸せに結び付く大事なこと」

 知的障害の子どもの母親「私たちが50歳、60歳と年齢を重ね、体力関係が逆になった場合どうしようかなというのが、やはり眠れませんね、そこまで考えますと」

昭和の障害者らの声を本にした日佐戸輝さん。手前は番組を録音したテープ

 (番組での発言を本から抜粋)2017年2月12日  東京新聞


震災で障害、届かぬ救済 「見舞金」支給に厳しい要件

2017年02月14日 10時23分08秒 | 障害者の自立

 昨年4月の熊本地震が原因で体に重い後遺症が残り、「災害障害見舞金」(最大250万円)を支給された人が、4人(昨年12月時点)にとどまっている。支給要件が厳しく、申請が通らないケースが多い。過去の大きな震災でも受給者は少なく、専門家は支給要件の緩和や「震災障害者」の実態調査の必要性を訴えている。

 災害障害見舞金の支給の条件としては、両腕や両足の切断など1級障害者と同等の重度障害が残った場合や、常に介護が必要となった場合などが、災害弔慰金法の「別表」に定められている。

 熊本県内の自治体への取材によると、昨年末までに支給が決まったのは、熊本、八代両市と益城、大津両町の計4人。身を寄せていた避難所で脳塞栓(のうそくせん)症となった80代の男性(熊本市)や、家屋の下敷きになって7時間後に救出され、現在も入院している80代の男性(益城町)らだ。

 熊本地震での重軽傷者は2600人以上。熊本市には2月3日現在で25人から申請があったという。申請者がいる県内の自治体の担当者は「支給要件のハードルが高い」と語る。

 2011年の東日本大震災の被災県への取材では、今年1月までに少なくとも92人(宮城30人、岩手20人、福島42人)が見舞金を受給。福島県によると、申請数は増えており、避難生活の長期化などで精神障害についての申請が目立つようになったという。

 地震で負傷して後遺症が残った「震災障害者」については、その人数も含めて実態がよくわかっていない。首都直下型地震対策を考える内閣府の検討会は、10年の報告書で震災障害者への支援に言及。翌年度予算で実態調査のための予算も計上されたが、東日本大震災の発生もあり、実施には至っていない。

 災害障害見舞金は、1973年に議員立法で成立した災害弔慰金法に基づくもので、見舞金の支給は82年から始まった。国が半分を、残りを都道府県と市町村が負担する。

 岩崎信彦・神戸大名誉教授は「災害弔慰金法は死亡者に対する弔慰金支給を出発点としたこともあり、命が助かった負傷者に対して手厚くない」と指摘。「震災から時間がたち、復興が進むほどに苦しい気持ちを抱え続ける人たちを支える仕組みが必要だ」と話す。

ログイン前の続き■「まずは実態把握を」

 4万人以上が重軽傷を負った1995年の阪神・淡路大震災では、見舞金を受給したのは64人。がれきの下敷きになって車いす生活を余儀なくされた人や、家具が頭にぶつかって脳に障害を負った人も受給していない。神戸市のNPO法人「よろず相談室」は、兵庫県神戸市に支援や実態調査の必要性を訴えてきた。

 県と市は10年、障害者手帳の申請時の書類を調べ直した。障害発生日が「1995年1月17日」の人や、理由欄に「震災」とある人を抽出、県内に震災障害者が少なくとも349人いることが判明。「支給要件の緩和や、障害者手帳の申請書類の記載などによって震災障害者の把握が必要」と結論づけた。

 障害者手帳の申請書類の体裁変更は自治体でもできる。県と市は身体障害者手帳について、通常は交通、労災、戦災などに限られる診断書の原因欄の選択肢に、「震災」「天災」を追加した。県の担当者は「障害者の存在を把握する手段の一つと判断した」と説明する。

 よろず相談室の牧秀一理事長(66)は2月中にも厚生労働省を訪れ、この仕組みを全国に広げるよう申し入れる。「多くの犠牲者がいた中で、苦しみをはき出せずに抱え込んで生きてきたのが震災障害者。今後、大災害があったときに同じような思いをする人たちをつくらないため、まず実態が把握できる仕組みが必要だ」と話す。

■「脊髄損傷、手にしびれ」対象外

 兵庫県西宮市の野田正吉さん(69)は、両手に手袋をはめて過ごす。「こうすれば手のしびれが少しとれるから」。22年前の阪神・淡路大震災で、暮らしていたアパートが崩れ、隣で寝ていた当時13歳の娘に覆いかぶさった。その背中に冷蔵庫や家具が倒れ、脊髄(せきずい)を損傷。首の骨がずれていた。手足が思うように動かせなくなった。

 経営していた警備会社を手放し、02年に障害者手帳を取得。震災障害者の支援者とつながり、災害障害見舞金のことも聞いたが、自らの負傷程度では援護外だと知った。

 いま、杖が手放せず、自宅にこもりきり。食事や着替えなど、生活のあらゆる場面で、妻千代さん(62)の介助が不可欠だ。「せめてこういう思いをしながら生きている人間がいるということを知ってもらえたら」と話す。

写真・図版 

阪神・淡路大震災で家具の下敷きになり脊髄などを損傷した野田正吉さん。手のしびれを和らげるため夏でも手袋をつけるという

2017年2月13日   朝日新聞


施設建て替え要望相次ぐ 相模原殺傷で住民説明会

2017年02月14日 10時17分45秒 | 障害者の自立

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され27人が負傷した事件で、神奈川県は13日までに、施設の建て替え問題など今後の在り方に関する住民説明会を園内の体育館で開いた。地元住民ら約30人が参加し、全面的な建て替えの要望が相次いだ。県は昨年9月に決定した施設の建て替えについて、障害者団体などから異論があり、見直しを進めていると説明した。

 やまゆり園の建て替えを巡っては、グループホームなど小規模施設への移行を求める障害者団体から異論が出ている。

 12日の説明会の参加者からは「園のおかげで利用者と地域が交流してきた歴史がある」「町おこしにつながる形で再生してほしい」などと、園の建て替えを求める声が上がった。利用者の意思確認が前提だという意見もあった。

 また、建て替えの根拠となる事件現場の状況が明らかでなく説得力がないとして、施設内部を報道陣に公開すべきだといった提案もあった。

 県はやまゆり園の在り方を検討する部会を設置している。部会は5月にも建て替えの是非をめぐる見解を県に示す。県は入所者本人の意向も踏まえ、やまゆり園の在り方を示す「再生基本構想」を夏ごろまでに公表する方針だ。

 一方、障害福祉に関わる市民や行政関係者らが大津市内で意見交換した「アメニティーフォーラム」の実行委員会は13日までに、相模原市の障害者施設殺傷事件に関し、神奈川県が検討しているやまゆり園の現地再建案を撤回するよう求める意見書をまとめた。

 意見書は、事件の起きた園の再生に向け「生涯にわたり保護・支援する施設から、地域移行を進める施設に方向転換しなければならない」と指摘。現在地は市の中心部から遠く、地域交流に適さないとした。また、重い障害がある人は考えを伝えるのが苦手で言葉を発しない人もいるとして、どこに住みたいかの意向確認を慎重に行うよう要請した。

  ▼相模原殺傷事件 2016年7月26日、相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者が次々と刃物で刺され19人が死亡、職員3人を含む27人が負傷した。神奈川県警は同日、殺人未遂容疑などで元施設職員植松聖容疑者(27)を逮捕。翌27日に容疑を殺人に切り替えて送検した。8月に女性入所者9人への殺人容疑で再逮捕、9月に男性入所者9人を殺害した容疑で再逮捕した。横浜地検は事件当時の精神状態を調べるため鑑定留置を実施している。

2017/2/13    日本経済新聞

 

〔共同〕


規制緩和で高齢者施設と障害者施設が合築可能に、江戸川区が事業者公募

2017年02月14日 10時10分58秒 | 障害者の自立

 東京都江戸川区は、土地区画整理事業地内にある区有地に特別養護老人ホームや障害者向けグループホームなどの合築施設を整備するため、プロポーザル方式で民間事業者を公募する。募集要項は公開済みで、2月20日から24日まで事業者からの質問を受け付ける。民間事業者からの提案書の受け付けは5月上旬から中旬を予定している。

 対象地は、江戸川区北小岩1丁目東部地区内の近隣商業地域、第一種住居地域にある1357m2だ。京成本線江戸川駅から約350メートルの場所にある。高齢化率が高い地域で、要介護者、高齢化した障害者やその家族、子育て世帯が共に暮らせる地域整備が課題となっていた。今回整備する施設は、区の地域包括ケアシステムの拠点となる。

 施設に設ける優先順位の高い機能として、特別養護老人ホーム、障害者向けグループホーム、重症心身障害児通所施設を挙げている。そのほか、認可保育園などの子育て支援機能や、多世代が交流できる場、生活支援機能の拠点なども求めている。

 事業方式として、区有地の売却か、50年の一般定期借地かを事業者が選択できる。売却の場合の価格は5億209万円、借地の場合の賃料は月額125万5255円としている。このほか、施設整備の条件として多摩産材の使用などを定めている。

 今回の公募に至るまでに、区は有効活用のアイデアや市場ニーズを把握するため、民間事業者を対象にした対話型調査を2016年3月から4月にかけて実施していた。この結果を受け、当初は同年9月に公募要項を公開する予定だったが、国の規制によって特別養護老人ホームと障害者向けグループホームとを同一の敷地内に設置できないことが発覚。区は内閣府に規制緩和を要望し、同年12月の閣議決定によって、両施設の同一敷地内設置が認められることになった。

 事業予定者の選定は、大村謙二郎・筑波大学名誉教授や太田貞司・京都女子大学教授などの学識経験者と区職員の8人で構成する選定委員会で行う。選定の観点として、資金調達能力、事業実績、事業計画の実現性と安定性、地域課題への対策、周辺環境への配慮などを挙げている。

 選定は6月から7月にかけて、2段階の審査で行う。1次審査は書類審査とし、上位3者を対象に2次審査のヒアリングを実施する。6月下旬に1次審査、7月中旬に2次審査を行い、7月下旬に事業予定者を決める。

2017.2.13    nikkei BPnet


感動ポルノはどこからくる? Eテレが挑戦した規格外の徹底企画

2017年02月14日 03時09分34秒 | 障害者の自立

2012年に「障害者のための情報バラエティ」として「モテナイ障害者改善計画」「ここが変だよ健常者」など、タイトルだけを見ると、これは果たして笑ってもいいのだろうかと一瞬考えてしまう企画を夜に送り出し続けてきている番組が、Eテレの『バリバラ』です。

『バリバラ』とは「バリアフリー・バラエティ」の略。一般的に障害者の関わる事柄はシリアスに扱われることが多いですが、『バリバラ』は、笑いを交えながらそうした事象と向き合うことで、バリアの前で止まってしまいがちな思考を前進させていきます。

ドキッとする企画といえば、昨年夏に生放送で行われた「検証!『障害者×感動』の方程式」でしょう。出演者はお揃いの黄色いTシャツを着ていますが……そう、この回は毎年日本の夏の終わりに放送されているアノ番組の真裏だったのです。テーマは「感動ポルノ」でした。

この感動ポルノという言葉は、世界的講演会TEDで、自身も障害を持つコメディアン兼ジャーナリストのステラ・ヤングさんが2014年に提唱した言葉。障害を持つ人々が、健常者に勇気や感動を与えるための道具になっていると話したのです。

『バリバラ』は番組冒頭で同講演を紹介し、感動ポルノが生まれるまでの流れをコミカルに徹底検証。レギュラー出演者で難病を患っている大橋グレースさんが架空の感動ドキュメンタリー番組に本人役で出演し、「感動ポルノ番組」で扱われるカットとボツになるシーンを再現していきます。

例えば、感動へのステップとして重要な「大変な日常」を撮るシーンでは、病と闘う障害者の1コマが不可欠です。ベッドで胃ろうカテーテルをつないだグレースさんに、番組スタッフは「大変ですね……」と話しかけますが、グレースさんは「全然大変じゃない、(何もしなくていいので)むしろ楽」と笑顔でいいます。すると「そこ大変な感じでいきましょう」とスタッフ(苦笑)。どこまで本当で、どこからがギャグなのかはさておき、明るいコメントが入ってくると全く感動ドキュメンタリーにはなりません。

見ると爆笑必至のかなりのブラックジョーク企画となっていますが、感動ポルノとして消費されている人の生活であることもまた事実。こうした問題とも、笑いとともに対峙させてくれるのが『バリバラ』の真骨頂といえます。プロデューサーの真野修一さんは、こう話しています。

「ドキュメンタリーで何かを伝えようとすると、1つのゴールに向かって起伏を作りながら物語を紡いでいく必要がでてきます。しかしバラエティなら、そもそも視聴者との距離が近くなりますし、トピックごとに必要な情報を届けやすい。笑いに包まれると、受け手は構えないで情報に触れますからね」

届け方によって、同じ情報も全く違う映り方をするのです。

『バリバラ』
放送開始:2012年4月6日
放送時間:毎週日曜日19:00~19:30

◆ケトル VOL.34(2016年12月14日発売)

太田出版ケトルニュース   2017年02月13日