ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者働く「ともしびショップ」 各地に広がる

2017年02月01日 03時38分12秒 | 障害者の自立

 障害者が働く喫茶やパン店は神奈川県内各地にある。かつては親の会などが市民と接する場として始めることが多く、近年は法人が運営する店が増えてきたという。はやりのコーヒーショップとはひと味違う、ゆったりとした接客が魅力だ。

 海老名市役所1階にある「ともしびショップ ぱれっと」。昼が近づくと次々に客が訪れ、12あるテーブルが満席になった。

 「ナストマトのお客様って、大きい声で言ってね」。調理場のスタッフが天野多恵さん(32)に声をかけ、パスタをお盆に載せた。天野さんはそろりそろりと丁寧に運んでいく。代表の藤田精子さん(63)は「ランチタイムは戦場です」。

 運営するのは、親や支援者で作る海老名市手をつなぐ育成会。藤田さんはその会長で、自身も障害者の親だ。障害者が市民と接し働く場として、2000年春に開店。4人の知的障害者が働いている。

 「仕事は机を拭いたりスープをよそったり。すごく楽しい」と働き始めたばかりの堤勇太さん(20)。福井美知子さん(48)は「ノロウイルスがあるので机を拭くのも気をつけないと」と話す。「貯金して洋服や本を買うのが楽しみ」という篠田誠さん(41)は、働いて15年のベテランだ。

 チェーン店のようなマニュアルに沿った接客はできない。それゆえの丁寧でゆったりとした雰囲気を、心地よいと感じる客に支持されているという。

 藤田さんは津久井やまゆり園の事件後、「障害者はかわいそうだから優しくしよう」という風潮を感じるという。「本人は自分のことを不幸だなんて思っていない。障害者にも生きがいがあるし、その存在に助けられる人もいる」。店で接することで、そんなことも感じ取って欲しいという。

 「ともしびショップ」は1989年に県庁内に1号店が生まれた。公共施設を中心に県内41カ所に広がり、県社会福祉協議会のウェブサイトに一覧がある。

 横浜市が支援する「ふれあいショップ」も市内に9店舗。社会福祉法人やNPO法人が独自に運営する店も県内各地にある。

 横浜市旭区で障害者が働く喫茶など12店は昨年12月から、「くらむぼんの地図 愉快なカフェスイーツ店マップ」を配っている。スタンプラリー形式で、持参すると特典も。問い合わせは喫茶カプカプ(045・953・6666)。

神奈川県内に障害者40万人

 神奈川県の統計によると、県内の障害者の数は昨年度末時点で40万5643人。人口の4・4%がなんらかの障害を抱えている計算だ。

 身体障害者がもっとも多く27万835人。精神障害者は6万9814人。知的障害者6万4994人と続く。11年度末は全体で約35万6千人で、年々増加している。社会の高齢化が進み、加齢のため障害を負う人が増えていることが一因という。

 神奈川は全国的に見ると、入所施設で暮らす障害者が極めて少ない地域だ。14年3月時点で施設に入所している人の数は5053人。人口10万人あたりの入所者数は全国平均の104・2人に対し、神奈川県は56・5で全国最少という。

 県障害福祉課は「早い時期から地域で暮らしていく取り組みについて、障害者や家族、行政が協力して努力を積み重ねてきた結果が表れている」としている。

 グループホームは増加が続いている。06年度に3528人だった利用者数は、15年度には7294人まで増えた。

写真・図版

「ぱれっと」では、知的障害がある4人のスタッフを藤田さん(左から2人目)らが支える=海老名市役所

2017年1月31日   朝日新聞


障害者の尊厳 安心できる共生社会の実現を

2017年02月01日 03時30分02秒 | 障害者の自立

 日本の障害者をめぐる深刻な課題が年初から問われる年となっています。14日には、埼玉県のJR駅で盲導犬を連れた男性がホームから転落して電車にはねられ死亡する事故が起き、26日は、多くの障害者が犠牲になった相模原市の障害者施設での殺傷事件から半年の節目の日でした。障害者の人権や尊厳をどう保障していくのか。障害のあるなしにかかわらず、安心して暮らせる社会をどうつくっていくのか―。障害者施策の拡充へ向けた取り組みをさらに前進させることが求められます。

命失う悲劇繰り返させぬ

 障害者ら46人が殺傷された相模原市の事件から半年、現場には花を手向ける人たちが訪れ、「悲劇を風化させてはならない」などと語りました。容疑者の元職員が“障害者は不幸しか生まない”という趣旨の暴言を繰り返したことは怒りと衝撃を広げ、多くの障害者・家族は、事件を自らのこととして危機感を募らせ声を上げました。“障害者は役に立たない”などとの誤った危険な風潮、差別や排除を助長する考えを絶対に許さず、障害者の命と尊厳を守る取り組みを強めることが必要です。

 昨年は、東京や大阪で視覚障害者がホームから転落し、電車にはねられ死亡する事件も続きました。ホームドア設置の遅れなど障害者が安心して鉄道など公共交通機関を利用できない実態が浮き彫りになりましたが、今年すでに悲劇が繰り返されてしまい、鉄道事業者や行政の姿勢がきびしく問われる事態となっています。

 昨年4月、障害者差別解消法が施行され、障害者や家族、関係者は、障害者の社会参加を促し、障害の有無で分け隔てされない社会への一歩になると期待しましたが、状況は打開されていません。

 日本政府は2014年、国連・障害者権利条約を批准しました。同条約は、障害者の権利と尊厳の促進と、障害のない市民と同様に地域で暮らし、学び、働き、スポーツや余暇を楽しむことなどの権利保障を掲げています。この条約批准にあたり政府は、障害者団体の強い要望に応え、障害者や家族なども参加する審議会を設置、関連法の整備を進めました。なかでも、利用者に重い負担を強いた障害者自立支援法の廃止後の新法に向けて取りまとめた「骨格提言」は、「障害の有無にかかわらず個人として尊重され、真の意味で社会の一員として暮らせる共生社会」をめざすと明記しました。

 ところが政府は、自立支援法の名前を「障害者総合支援法」に変えただけの「新法」にし、負担を強いる「応益負担」の仕組みなどを温存しました。障害者の施設や事業所では、常勤職員の非常勤への置き換えを促進する制度の下、非常勤の比率が大幅に高まるなどして、職員間のコミュニケーションが減り、専門性を培うことが困難な状況に陥っています。関係者の改善・拡充の声に応えず、社会保障改悪をすすめる安倍晋三政権の責任は重大です。

権利条約と憲法を力に

 障害者が安心して暮らせ、輝いて生きていける社会づくり―それは障害者権利条約、個人の尊厳を保障した13条など憲法にもとづく政治・社会を実現することと一体です。安倍政権の改憲の企てを阻むたたかいは、障害者の生活と権利を守るためにも重要です。

2017年1月31日    しんぶん赤旗


意思表示、うまくできなくても- 障害者の尊厳描く映画、来月・民博で上映

2017年02月01日 03時23分20秒 | 障害者の自立

 意思表示がうまくできない障害者とのコミュニケーションと、人としての尊厳について描いたポーランド映画「幸せのありか」(2013年、107分)の上映会が2月11日、国立民族学博物館講堂(吹田市千里万博公園)で開かれる。ダウン症の娘を持つ同博物館の信田敏宏教授による解説もある。

  舞台は80年代から現在に至るポーランドで、実話が基になっている。主人公の男性は重い脳性まひのため手足が不自由で、言葉が発せない。本当は、言語への理解力と繊細な感情を持っているが、周囲のほとんどがそれに気付かない。さまざまな人と出会い、悲しみや怒り、そして恋愛を経験していく姿が、ユーモアを交えて表現されている。

 同博物館の鈴木紀(もとい)准教授は「コミュニケーションが取れないと、人権が否定され、偏見につながってしまう。しかし、障害者も当然、いろんなことを考え、感じている。障害者とのコミュニケーションを考え直す作品です」と話している。

 午後1時半開始で、上映終了後、解説と質疑応答の時間がある。定員450人。無料だが、同博物館の展示観覧券(一般420円)が必要。同博物館(06・6878・8210、平日午前9時~午後5時)。

毎日新聞   2017年1月30日 


子ども、障害者、高齢者、生活困窮者などに関し、相談支援の現場で想定されるケースを豊富に設定した『福祉・医療関係 相談支援マニュアル』を1月27日(金)に発行

2017年02月01日 03時17分29秒 | 障害者の自立

新日本法規出版株式会社(所在地:愛知県名古屋市中区栄1丁目23番20号、代表取締役:服部昭三)は、子ども、障害者、高齢者、生活困窮者などに関し、相談支援の現場で想定されるケースを豊富に設定した『福祉・医療関係 相談支援マニュアル』加除式書籍7,778円(税込)を1月27日(金)に発行しました。

新日本法規出版株式会社(所在地:愛知県名古屋市中区栄1丁目23番20号、代表取締役:服部昭三 http://www.sn-hoki.co.jp/) は、子ども、障害者、高齢者、生活困窮者などに関し、相談支援の現場で想定されるケースを豊富に設定した『福祉・医療関係 相談支援マニュアル』加除式書籍7,778円(税込)を1月27日(金)に発行しました。


加除式書籍とは、バインダー形式の「台本」に登載されている法令・通達の改正や新しい事例の追加など「台本」の内容に変更・補正の必要が生じた場合に、その該当ページ部分だけを差し替える「追録」(有料)が発行される書籍です。

新日本法規出版株式会社    2017年1月30日


やまゆり園事件から半年(2)~生きることだけに一生懸命な「いのち」を理解する

2017年02月01日 03時07分41秒 | 障害者の自立

「まゆちゃん、ほら、記者さんが来たわよ」

 相模原市の障害者施設で、伊藤光子さん(75)が車椅子を押しながら次女のまゆみさん(48)に声をかける。少し瞳が揺れ動いたが、大きな反応はない。

 「こうやって、物を介してコミュニケーションをとるのが好きなんです」。光子さんがひざの上に置いていた汁粉の缶をまゆみさんの手に当て、話しかけるとニッコリと笑った。

 まゆみさんは重い知的障害と肢体不自由を併せもつ「重症心身障害者」。医療的ケアを必要とすることから「最も弱い障害者」とも言われ、全国に4万人ほどいる。

 言葉を発することもできなければ、身体もほとんど動かせない。どうやって本人の思いをくみとっているのか。記者が尋ねると、光子さんはこう答えた。

 「目の動き、表情、声。『多分、こうじゃないか』でもいい。繰り返し観察することで、おぼろげながら意思が見えてくる」

 食べたい物はじっと見つめる。お気に入りの男性職員がいれば目で追いかけ、光子さんが食事をあげようとしても口を開かない。「まゆみだって、1人の女性。できないことの方が多いけど、できることだって、たくさんある」

 生まれて1カ月ほどしてからのことだった。声をかけても目が合わない。あやしても笑わない。4歳上の長女と比べて明らかに成長が遅かった。

 重度の脳性まひ。なぜなのかと光子さんは自分を責めた。就職、結婚、出産……。この子は姉と違って「普通」の人生は歩めない――。駅のホームから線路に飛び込んで一緒に死のうと考えたこともあった。

 1歳から続いたてんかんの発作は多い日で1日数十回にもなった。それが、毎日のように繰り返される。瞳孔が開き、手足がガタガタと震える。黙って見ていることしかできず、30分近く続くこともあった。

 年に何度も入退院を繰り返し、「お願い、生きて」と祈るように看病した。「日が明けては暮れての繰り返し。毎日生きるのに精いっぱいだった」

 だからこそ、小さい成長が健常者の何倍もうれしかった。ご飯を好き嫌いせず食べられるようになったり、排尿ができるようになったり。ワンピースを着て成人式に出席したときには、涙が出そうになった。昨年10月に自費出版した手記には、「いのち」についてこう記した。

 「常日頃から『いのち』の危機にさらされ、その都度、献身的な医療や看護に守られている。たった一つの『いのち』を守ることによって、周囲に生きる喜びを伝えている」

 伊藤さんは県重症心身障害児(者)を守る会の会長でもあり、相模原市の津久井やまゆり園で起きた事件の後、月命日に必ず園に足を運んで花を供えている。26日も献花し、「事件はどうしても風化していくけれど、やまゆり園を忘れないで」と話した。

 半年前、植松聖(さとし)容疑者(27)が世の中に発した「障害者は周囲を不幸にするだけ」というメッセージ。インターネットには「正直正論だと思う」「被害者には気の毒だが、社会の負担にしかなっていない存在」といった声もあった。こういう意見があるなかで、重症心身障害者とともに生きることをどう考えればいいのか。

 記者の問いに、伊藤さんは静かに答えた。「あなただって、まゆみだって同じ『いのち』。こうやって、生きることだけに一生懸命な『いのち』があるということをわかってもらうことが大事なのではないでしょうか」

写真・図版 

伊藤光子さんと次女のまゆみさん。提供を受けた7枚の写真はすべて、まゆみさんの肩を抱く光子さんの姿が写っていた。「やっぱり、母親ですからね。常にまゆみを感じていたいんです」 

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