goo blog サービス終了のお知らせ 

ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

被害者の匿名、障害者や関係者どう思う? 事件に寄せて

2016年07月31日 02時51分34秒 | 障害者の自立

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件で、神奈川県警は犠牲者やけが人の氏名を公表していない。被害者の姿が見えにくい事件に、各地の障害者らの思いも揺れる。

 私は三宅浩子です。46歳です。知的障害者です。横浜市グループホームに住んで、作業所でお豆腐の製造と販売をしています。

 「障害者なんていなくなればいい」という言葉はひどい。同じ障害のある仲間が「同じ考えの人が僕を探しにくるんじゃないか」と言っているのを聞いて、怖くなりました。みんな怖がっています。

 私には将来の目標があります。手話を勉強して、資格をとることです。楽しみは、Hey!Say!JUMPのコンサートに行くことです。だから殺された人たちにも、障害があっても、目標や楽しみがあったと思うんです。こんな人たちがいたんだ、ということを知ってもらうためにも、名前や顔を出してもらいたいと思います。

 でも、障害は社会に理解されていません。私は話もできるし、見た目も健常者と変わりません。だけど計算が苦手で、豆腐屋で1万円を出されると困ってしまいます。おつりの計算に時間がかかると、お客さんに大きな声で「早くしろよ」と言われます。ご飯も食べられないくらい落ち込みます。障害のためにできないことがあるのに、それを理解してもらえません。

 事件の被害者の家族もきっと今までたくさんの差別や偏見に苦しんできたと思います。障害が社会に理解されないまま障害者の名前や顔が出ても、その人たちが正しく理解されるとは思えない。きっと家族はそんな差別や偏見から子どもを守りたいんだと思います。私の両親も私の障害を周囲に理解してもらおうと、いつも頑張っていました。

 私は今回、名前も顔も新聞に掲載してもらうことにしました。自分で決めました。私の顔を見て、世の中の人に障害者を理解してもらいたいと思ったからです。障害者にも意思はあります。

■知的障害者が働く作業所などを運営する社会福祉法人「夢21福祉会」の常務理事、岩山みどりさん(57)

 3年ほど前、作業所近くの商店街で芸能人がテレビ番組の撮影をしていたので、利用者さんたちと見にいきました。私たちもテレビに映って、みんな放送日を心待ちにしていました。でも、放送ではダウン症の利用者さんにモザイクがかけられていました。配慮されたということなのかもしれませんが、障害者の存在を消されてしまったようで、とても悔しく、悲しい気持ちになりました。本人には放送日を言えませんでした。

 利用者さんたちは、皆さん成人された大人です。それぞれに意思があります。だから自分の名前や顔、障害のことを公表するかどうかは、それぞれの意思を尊重したいと思います。ただ、保護者にも必ず確認を取ります。本人の意思に反して、保護者が反対することがあるからです。本人の意思を尊重したいと言いながら、障害者は自立が難しく、家族の支援が不可欠なので、保護者の意向を無視できない。葛藤はいつも抱えています。

 障害に対する考え方、受け止め方は保護者の世代や環境によって大きく異なります。年配の人たちは、差別や偏見にさらされたという思いが強い。私には計り知れないつらい経験をされていると思うと、子どもを守りたいという保護者の気持ちも大事にしたいと思います。

2016年7月30日   朝日新聞


相模原・障害者施設殺傷事件 「塀を越えてくる悪意」とどう向き合うべきか?

2016年07月31日 02時46分08秒 | 障害者の自立

 「夜は門が施錠され、飛び越えないかぎりは中に入れないはず。建物だって施錠されているのに……」。入居者家族会の副代表はそう語り、凄惨な現場を背にして絶句した。

 平成に入ってから死者数では最悪の無差別殺人の現場となってしまった社会福祉法人かながわ共同会「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)。県の指定管理者が運営を受託し、4月末時点で149人の知的障害者(10~70代)らが長期入居中だった。

 2つの居住棟には夜間も1棟あたり2人の職員が配置されていたが、園内すべての鍵を開けられるマスターキーを持つ職員はいなかったという。

 しかし、同業者として全国紙の取材に応じ、同園職員の気持ちを代弁したかのような次の談話がなんともやりきれない。

 「ハンマーでガラスを割れば入ってこられる。悪意を持った人が侵入して殺傷する事件が起きるなんて考えていなかった。有効な防犯対策は今すぐ思いつかない」(朝日新聞7月27日付朝刊)

 相模原市消防局が「刃物を持った男が暴れている!」との通報を受けたのが26日午前2時56分。6分後に現場到着した消防・救急の6人(及び警察官2人)は、複数犯の可能性を警戒し、防刃ベストや防火服を装備して暗い施設内に入ったという。

 警察官らの到着と入れ替わるように、植松聖容疑者(26)が津久井署に単身出頭したのが午前3時ごろ。容疑者は、今年2月に衆院議長宛に持参した手紙や、かつての同僚職員に対し、「重度障害者の大量殺人はいつでも実行できる」と示唆していた。

 とはいえ、実際に〈悪意〉が暴走すれば、施設の周囲に建てられた塀も、施錠も、職員数も、そして後手の通報さえもが空しく映る。

高齢者や障害者の施設がまた狙われる?

 老人ホームなどの介護施設を狙った犯罪は、過去にも例がある。2005年、中国人窃盗団が関東・東北地方の老人ホームを狙った計120件の窃盗事件の被害総額は5億4000万円(読売新聞:2005年9月21日付)。

 また2006年、日本人や在日韓国人らも属する巨大窃盗団による23都道府県下の老人ホームや病院などを狙った犯行例では同6億7500万円(計730件)という膨大な被害実態が明らかにされた(毎日新聞:2006年9月28日付)。

 厚生労働省によれば、障害者の入居サービスを提供している施設は全国で2617。政府が「脱施設(=地域ぐるみの在宅利用の充実)」を掲げるなか、これらの施設も減少傾向にあるとはいうものの、13万1565人の利用がある(2016年3月時点)。

 役人の机上論は〈地域開放〉を奨励し、従来の入居者家族や見舞客、出入り業者などに加えて不特定多数の人間が入りやすい環境作りを目指す施設も最近は少なくない。事件が起きた津久井たまゆり園も積極的な地域交流ぶりが好評で、入居者たちも地元で歓迎されていたという。

 しかし、その開放性が、〈特異な悪意〉の持ち主を呼び込み、犯罪現場になってしまったのも哀しい現実だろう。今回の凄惨な事件のように、施設内の事情にも精通しているOB職員が抱いた悪意の前には打つ手もないが、防犯は人員を増やせば解決できるものでもない。

 ましてや重労働・低賃金・将来性ゼロと三拍子揃って、〈高離職率の象徴〉でもある介護職。施設内での窃盗案件や認知症の入居者からの不条理な暴言や暴力、移乗作業による慢性腰痛や昼夜を問わないトラブルなど、「外敵」以前に迎えうつ対象に疲弊している職員が大勢だろう。

「美しい国」の救世主は「マイルドヤンキー」?

 半年やれば後輩ができ、1年続けば先輩が減り、2年で中堅、3年持てば「現場の要」といわれる介護業界。その人材不足の活路を〈マイルドヤンキー待望論〉として説いた厚労省社会・援護局の福祉人材確保対策室長(当時)への違和感は、当サイトでもかつて掲載した。
*「厚労省が本気で考える"マイルドヤンキー"での介護人材不足対策は成功するのか?」

 介護職は仕事の内容の負担が重い割りに、いまだ低賃金だ。平均給与は約22万円と、全業種平均に比べ10万円以上も低いといわれている。離職者も多く、平均勤続年数は全業種平均の半分の6年にとどまる。 

 「負け組の温床」と揶揄されて、まともな教育時間も組めないままに、次々と人が入れ替わってゆく介護業界。不特性多数の外来者や人材応募者の受け皿として、危険なリスクをどう回避すべきなのか。問題は山積する一方だが、人材は一向に根付かない。

 植松聖容疑者を知る近所の人々は、「挨拶もよくする」「とても明るい青年」と異口同音に語り、地元や仲間を大切にする一面も多く聞かれる。

 そんな青年が、「教職免許を取るために児童養護施設でボランティアをしていた」と入職を希望してきたら、介護現場では前向きに採用するだろう。多少の問題があっても、立派な人材に育てようと努めているのが介護現場の実情だ。 

 今回の事件を受けて政府は28日、関係閣僚会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「再発防止に全力を」と述べ、塩崎恭久厚生労働相や河野太郎国家公安委員長らに対し、施設の安全確保強化や「措置入院」の運用見直しを早急に検討するよう指示した。

 出頭直前、植松容疑者がSNS上に綴ったコトバは「世界が平和になりますように。beautiful Japan!」だった。かつて自著の新書タイトルで『新しい国へ~美しい国へ』と謳った安倍首相は、介護・福祉の課題が複雑に絡み合うこの問題と、どう戦うつもりなのだろうか?

2016.07.29  ヘルスプレス


入所する知的障害者に暴行容疑、34歳職員を逮捕 千葉

2016年07月31日 02時41分07秒 | 障害者の自立

 福祉施設に入所する知的障害を持つ男性に暴行してけがを負わせたとして、千葉県警旭署は29日、同県旭市野中の医療型障害児入所施設・療養介護事業所「聖母療育園」の介護職員武田寿幸容疑者(34)=同県東庄町東今泉=を傷害と暴行の容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。施設を運営する、社会福祉法人ロザリオの聖母会は武田容疑者を28日付で懲戒解雇した。

 署によると、武田容疑者は12日午後3時20分ごろ、施設内で入所者の男性(52)に暴行を加えて左胸打撲のけがを負わせ、同日午後6時45分ごろ、この男性の顔を殴るなどの暴行を加えた疑いがある。

 同施設によると、14日に男性の体にあざが見つかり、調査をした。勤務記録や目撃情報などから武田容疑者の関与が疑われ、市と同署に通報したという。男性は重度の知的障害があり20年以上前から入所していた。武田容疑者は今年2月から勤務していたという。

 同会は「職員への虐待防止の研修などを強化し、このような事件が2度と起こらないようにしたい」とコメントした。

2016年7月29日   朝日新聞


障害者施設襲撃 事件を防ぐことは 「措置入院」の現状とは

2016年07月31日 02時27分42秒 | 障害者の自立

神奈川・相模原市の障害者施設で起きた事件をめぐり、29日夜は、措置入院の現状に迫った。
車いすに座り、笑顔を見せる女性。
津久井やまゆり園の事件で、重傷を負った、野口貴子さん(45)。
野口さんの父親によると、28日、ICUから一般病棟に移ったという。
野口貴子さんの父親・宣之さんは「後頭部の首のところ、4カ所刺されていまして、特に深い傷は4cm。深さ4cm。幸いなことに、一命はとりとめたもようであります。(娘さんには、どのような声をかけた?)もう、しっかり頑張れよという。ほっぺたに触ったりして、向こうはコミュニケーション取れませんもんでね。しゃべれないものですから、『頑張れよ、頑張れよ』と言うだけでね」と話した。
「彼らは、人間ではありません」などと、障害者に対し、強い偏見を持っていた、植松 聖(さとし)容疑者(26)。
2016年2月、植松容疑者は、「他人を傷つけるおそれがある」として、神経科病院に措置入院をしていた。
その措置入院とは、そもそもいったい、どのようなものなのか。
措置入院が必要とされた患者を受け入れている、横浜市内の病院。
特に重い症状の患者が入院する病室を見せてもらった。
一面真っ白な、6畳ほどの部屋。
入ってすぐ、ドアの脇にはトイレがあり、部屋の真ん中にはベッドが置かれている。
そのベッドには、見慣れぬものが。
横浜相原病院・藤渡辰馬副院長は「ご本人さんが、不安が強いとか、興奮が強いときに、安静を保てるように、おなかを固定させていただくためのものですね。このベルトはそうですね」と話した。
開放感を与えるため、窓は大きく作られていた。
しかし、この窓を開けることはできない。
そして、部屋の外からでは気づかなかったが、ドアの内側には、ノブがない。
部屋の中から、このドアを開けることはできない。
藤渡副院長は「基本的には、外からスタッフが操作をして、出入りをするという仕組みになっております」と話した。
また、天井には監視カメラがあり、24時間態勢で、患者をモニターしている。
措置入院が必要かどうかの判断は、どのようにされるのか。
藤渡副院長は「精神障害があるということが大前提ですね。措置入院というのは、その中でも、自傷他傷のおそれがある場合に、都道府県知事の命令、行政上の命令による入院ということになります。その場合は、精神保健指定医という資格を持った医師が2人で、必ず診察を行って、それが一致したところで、入院ということになります」と話した。
多くの人にとっては、縁遠い措置入院。
そのありのままの現実を描いた、ドキュメンタリー番組があった。
精神障害者の妻は「掛け軸で殴ろうとしてきます。殴ったら、何するかわからない」と話した。
2016年5月、FNN岡山放送で放送された、ドキュメンタリー。
精神障害者らに手を差し伸べる活動をしている女性が訪れたのは、ごみ屋敷のように、足の踏み場のない家。
この家に住む家族が、助けを求めてきた。
精神障害者の妻は「謝り、土下座をしても、頭を足げりにしたりね。あの子(長男)が、ちっちゃい、幼稚園入るぐらいから」と話した。
統合失調症の夫が、毎日のように、家族全員に暴力を振るっているという。
番組ナレーションでは、「警察が介入し、家族が危険な状態にあるとして、夫は措置入院。妻と子どもたちは、家を脱出しました」とあった。
この夫は、措置入院終了後の今も、自らの意思で入院を続けているという。
一方の植松容疑者は、2週間ほどで退院し、そのおよそ4カ月後、凶行に及んだ。
本人、そして周囲の人の人生を大きく左右する判断を迫られる措置入院制度。
厚生労働省は、植松容疑者が措置入院していた北里大学東病院に対し、立ち入り調査を行い、関係者から、くわしい経緯を聞いた。
また、塩崎厚生労働相は、今後の課題について、「措置入院の問題について、措置解除の判断、これに関わる対応をどうするか。それから、措置解除後の本人に対するフォローアップをどうしていくのか」と述べた。
塩崎大臣は、措置入院のときには、自治体職員が立ち会うが、解除のときには立ち会わないことが問題点として、指摘されていると述べた。
厚労省は、運用の見直しも視野に、検証を進めている。
しかし、その一方で、強制的に入院させられることが、人権侵害であるとする声も上がっており、人権への配慮が求められる。

07/30    fnn-news.com


相模原障害者殺傷事件 日本社会の中に潜む事件の遠因を考える

2016年07月31日 02時21分52秒 | 障害者の自立

 相模原市の障害者施設で19人が殺害された事件の容疑者が、「障害者は安楽死させるべきと考えて殺した」などと話していることが明らかになり、社会に衝撃が走っている。中でも最も大きな衝撃を受けたのは、障害者自身だった。

 障害者の多くが、生産活動における効率や生産性が絶対視される風潮の中で、必ずしも効率よく仕事ができない自分たちが社会から取り残されたり、そんな自分たちに対して批判的な眼差しが向けられていることを感じていたと、日本障害者協議会の藤井克徳代表は語る。そうした中で今回の事件は起きた。

 「社会的に生産性が乏しいと、価値がない人間と断定されてしまう。今の社会にもそんな風潮があるように思います」と自身が全盲の藤井氏は語る。「今回のような犯罪に対して、社会の中に共感を覚えたり同調する人が出ることを恐れています。」

 藤井氏はナチスドイツが「T4作戦」で障害者の大量虐殺を図ったことに触れ、今回の事件の容疑者の考え方の根底には、ナチスの優生思想があることは明らかだという。T4も最初は障害者から始まり、その対象が病人や同性愛者などに拡大されていった。そして、最後はユダヤ人600万人の大虐殺にまで行きつくことになる。

 社会が不安定になればなるほど、人々は不満のはけ口を探し始める。典型的な社会的な弱者の障害者は恰好の標的となる。

 「もし障害者が居なくなれば、社会は次の厄介者を探し出す。それは高齢者かもしれないし、病気の女性や子供かもしれない。」そのような弱者探しの連鎖を続けて何になるのかと藤井氏は問う。

 今週のNコメはジャーナリストの神保哲生が藤井氏のインタビューをもとに、相模原事件が社会に投げかけた大きな課題の正体を考えた。

ニュース・コメンタリー (2016年7月30日)