NPO法人日本フロアホッケー連盟(細川佳代子理事長、事務局・長野市)は19日、2005年に県内で開いたスペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会・長野と同連盟設立から10周年を記念したシンポジウム(信濃毎日新聞社、信毎文化事業財団共催)を、長野市のJAアクティーホールで開いた。細川理事長や阿部守一知事らが「SO世界大会から10年社会はどう変わったか、めざすべき社会」をテーマに討論し、約250人が聞いた。
討論には、知的障害者の雇用に力を入れている広島県の食品トレー製造「エフピコ」の佐藤守正社長、来年2月に新潟県で開くSO日本冬季ナショナルゲーム・新潟の実行委員会の久保田健事務局長も参加。増田正昭・信濃毎日新聞編集委員がコーディネーターを務めた。
05年の大会には、84カ国・地域から知的障害のある選手やコーチらが出場した。阿部知事は、大会を機に「県民全体が障害者をみんなで支えていこうという機運が盛り上がった」と指摘。久保田事務局長は「長野で開いたSOで世の中が変わりつつある」とし、開幕が迫る新潟県での大会を「次のステップにしたい」と話した。細川理事長は「特別支援学校の児童生徒をどんどん街に出して交流を深めてほしい」と訴えた。
フロアホッケーはSOの競技種目で、1チーム6人で対戦。スティックでフェルト製のパックを相手ゴールに入れて得点を競う。障害のない人にも選手層が広がっている。
エフピコはグループ内でフロアホッケーの普及に力を入れており、グループ会社を含め全国に9チームある。メンバーの社員は全体で約500人に上るという。佐藤社長は「障害者かどうか、男性か女性かどうかも関係なくプレーできる」と話した。
討論の前には、プレーを通じて社員同士の意思疎通が図られたり、社内に一体感が生まれたりした―とするエフピコ社員の声を紹介。会場にはSO冬季世界大会・長野の写真パネルなどが展示され、大会に関わった人たちが当時を振り返っていた。
