ゴエモンのつぶやき

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知的障害者に学ぶ場「カレッジ福岡」 自立支える「福祉型大学」

2015年12月26日 02時34分58秒 | 障害者の自立

長谷川正人理事長

長谷川正人理事長

 知的障害者にもっと学ぶ場を-。障害者福祉事業を展開する「鞍手ゆたか福祉会」(福岡県鞍手町、長谷川正人理事長)が九州と東京に五つの「福祉型大学」を開き、青年期教育の場を提供している。先駆けとなった福岡市の「カレッジ福岡」を訪ねた。

 「くまモン誕生の秘密」「徳川家康について」「自分の成長と将来」…。カレッジ福岡の特色の一つ「自主ゼミ」は、知的障害や発達障害がある学生たちが関心のあるテーマを1年かけて掘り下げ、論文にまとめて発表する。自主性やコミュニケーション力、情報収集能力を身に付けていく。

 カレッジ福岡は2012年4月、福岡市東区のビルに開設された。制度上は障害者総合支援法に基づく自立訓練事業と就労移行支援事業を組み合わせた多機能型事業所だが、利用者を「学生」、支援員を「支援教員」と呼ぶ。授業料は原則無料で、給食費など月約9千円を負担する。

 障害の程度で普通科と生活技能科に分かれ、自立訓練に当たる前期(2年)を「教養課程」、就労移行支援の後期(最長3年)を「専門課程」とする。自主ゼミのほか経済、ヘルスケアなど、教育を重視したカリキュラムが組まれている。

 現在、18~28歳の27人が学ぶ。1年の女性(20)は「友達と話をしたり、先生に悩みを聞いてもらったりできて楽しい」。2年の女性(20)も「漢字検定などの勉強ができて充実している」と笑顔で話した。

 入学当初、対人関係のトラブルが絶えなかった男子学生が、今は行事で後輩をリードするなど、成長した姿が見られるという。来春卒業予定の1期生5人のうち、2人は退所したが、1人は就職が内定、2人も近く就職が決まりそうだ。

 カレッジは北九州市小倉北区、福岡県久留米市、長崎県大村市、東京都新宿区に増え、5カ所で計85人が学んでいる。全国でも「専攻科」などの形で同様の学びの場は広がっている。

 文部科学省によると、特別支援学校高等部を卒業した知的障害者の進路(12年3月)は、福祉施設などへの通所・入所が67%、就職が28%で、大学などへの進学はわずか0・5%にすぎない。これに対し、一般の高校生の進学率は70%を超える。

 福岡女学院大の猪狩恵美子教授(特別支援教育)は「障害がある人はゆっくり育つのに、現状では18歳で社会に出なければならない。大学並みに学ぶ時間があれば、自分で考えて決める力が育ち、社会に出てもうまく適応できるようになる」と話している。

 ●指導者の確保課題 長谷川正人理事長

 カレッジ福岡を運営する鞍手ゆたか福祉会の長谷川正人理事長(55)は「知的障害者の大学創造への道」(クリエイツかもがわ)を出版するなど、特別支援学校卒業後の学びの場の必要性を訴えている。

 -なぜ福祉型大学が必要か?

 「ささいなことで離職してしまう障害者を多く見てきた。もう少し長く学べれば状況は改善するとの確信があった。また、友達と遊んだり、自分の好きなことを突き詰めたり、挫折したり、もっと青春を楽しむ時間があっていい。むだに見える時間や体験こそが折れない心を育てる」

 -理想的な形は。

 「米国では、300カ所以上の大学が知的障害者を受け入れている。学士号を与えるわけではないが、健常者と一緒に学ぶ機会を保障している。(障害にかかわらず、共に学ぶ場を保障する)インクルーシブな環境は、障害者も健常者も学ぶものは大きい」

 -今後の課題は。

 「指導者の確保。高校や特別支援学校での勤務経験がある教員免許保持者を採用しているが、給与水準や福祉型大学の認知度の低さのためか、人材確保が難しい。知的障害者のための『大学』を国の制度に位置づけるなどして、優秀な人材が集まるようにしたい」


=2015/12/24付 西日本新聞朝刊=


プルデンシャル生命が信託子会社を設立

2015年12月26日 02時27分26秒 | 障害者の自立

発達障害などハンディキャップを持つご家族がいるご家庭にとって、親亡き後に子どもが生きていくためのお金、またお金の管理については何にも増して心配なことです。こうした心配を少しでも和らげることにつながる会社が誕生しました。日本で初めて、生命保険会社が「生命保険信託」を目的とする信託子会社を設立したのです。

 

プルデンシャル生命が信託子会社を設立

2015年9月プルデンシャル生命保険は100%出資の信託子会社である「プルデンシャル信託」を設立、10月に営業を開始する。2010年信託銀行との業務提携で、日本で初めて死亡保険金を信託財産とする「生命保険信託」を開発したが、業務提携は続けながら新たに独自の信託子会社を設立した。

「生命保険信託」とは何なのか、プルデンシャル生命はどうして信託銀行との業務提携ではなく「信託子会社」を設立したのか、信託になじみがない一般の方たちにとってわからないことも多いと思います。

今回は「生命保険信託」の仕組み、信託銀行とプルデンシャル信託の違い、生命保険信託の活用法について、障害者を持つご家族に向けて解説したいと思います。

生命保険信託とは?

そもそも信託とは、自分(=委託者)が信頼できる人(=信託銀行などの受託者)に財産を預けて(=名義移転)、自分が指定する人(=受益者)のために財産の管理や処分等を行ってもらう仕組みです。
生命保険信託は、死亡保険金について信託の制度を利用することで、「自分の死亡後は毎月○○円ずつ子どもの口座に振り込む」などあらかじめルールを設定しておくことができます。

親御さんが生きているうちに、ハンディキャップを持つお子さんに確実に毎月生活費が振り込まれるような仕組みを作ることができるため、大きな安心を得ることができます。

■生命保険信託の仕組みの一例

スライド1

■生命保険信託の代表的な商品

信託商品名信託会社信託契約代理店
安心サポート信託 三井住友信託銀行 プルデンシャル生命保険
想いの定期便 みずほ信託銀行 第一生命

プルデンシャル生命はなぜ信託子会社を設立したのか?

生命保険会社と信託銀行のコラボでできた生命保険信託ですが、最低保険金額が3000万円以上であることや、手数料が高いことから契約件数はあまり伸びませんでした。

こうした問題点を改善して、プルデンシャル生命が独自に信託子会社を設立したのがプルデンシャル信託です。三井住友信託銀行との提携も続けながら、最低保険金額を100万円からとし、手数料を低く抑えることで、生命保険信託の普及をはかります。

実際に、三井住友信託銀行とプルデンシャル信託の手数料や報酬コストを比べてみましょう。

■三井住友信託銀行とプルデンシャル信託の手数料

手数料の種類ほか 信託銀行 プルデンシャル信託
契約締結時 5万円 5千円
死亡保険金の支払開始時 保険金5000万円まで:3%
5000万円超1億まで:2.%
1億円超:1.%
一律保険金の2%  
口座にお金がある間かかるお金 金銭信託中の管理報酬が月額1万円~3万
その他運用信託報酬
毎年3/31に2万円
最低保険金額 3000万円 100万円から可能

※手数料には消費税がプラスされます
※三井住友信託銀行・プルデンシャル生命コールセンターで確認後筆者作成

たとえば3000万円の死亡保険金を10年で受け取る場合、信託銀行なら契約締結時に5.4万円、支払い開始時に97.2万円、受取期間中に1万円/月×10年分の120万円で合計222.6万円がかかります。

プルデンシャル信託では契約締結時5400円、支払い開始時64.8万円、受取期間中20万円と合計85.34万円に抑えることができます。

生命保険の死亡保険金が1億円超であれば、信託銀行の手数料は1%となるのでコストダウンになりますが、その分掛金が高くなり、一般に普及させるためにはハードルが高くなってしまいます。

子どもが小さい時期の掛け捨ての死亡保障なら大きな死亡保障を付けることもできますが、自分亡き後の子供の将来を考えるころには親もある程度高齢になり、大きな保障に入りにくい、ということかもしれません。

親亡き後の生活費として信託を使えるように

プルデンシャル信託を使える生命保険は、プルデンシャル生命の保険に限られていますが、死亡保険金が付いている保険であれば、特に商品は問わないそうです。今後は、最低保険金額のバーがなくなり、コストもある程度低く抑えられることで、親亡き後の障害者のお子さんを支える一つの方法として、生命保険信託が広がっていく可能性もあるのではないでしょうか。

また、今回は発達障害などの障害者を持つ親御さんの立場から考えてみましたが、このスキームは様々な応用がききます。

たとえば、認知症の配偶者を残して亡くなる場合、離婚して離れて暮らす子どもへの養育費、子どもがいない場合の相続財産の使い道の指定などが考えられます。

認知症、離婚、子どもがいない家庭は、今後の日本社会でまだまだ増えていく問題ばかりです。また、障害者でなくても、引きこもりやニートの高齢化など、生命保険信託が有効に機能する潜在的ニーズは大きいのではないでしょうか。

プルデンシャル信託の設立で生命保険信託の認知度が上がり、社会的に弱い立場の方が安心して暮らしていける一助になってくれることを期待したいと思います。

2015年12月25日    保険ジャーナル


視覚障害者をサポート!追跡ガジェット「Sunu」は振動でお知らせ

2015年12月26日 02時19分59秒 | 障害者の自立

鍵や財布など、普段頻繁に使うものの紛失防止などに使われる追跡ガジェット。その多くが、GPSで連携するスマホのマップにありかを表示するというものだ。

しかし、当然のことながら、もし視覚障害を持っているとこれは意味をなさない。そこで、視覚障害者にも同様のガジェットをと開発されたのが、「Sunu」だ。

・振動でお知らせ

Sunuは専用タグをバッグなどに取り付け、リストバンドやスマホと連携させる。するとタグとの距離を計測し、距離が近くなるとリストバンドやスマホが振動する。

近づけば近づくほどバイブレーションが増えていくので、おおよその位置がわかるという仕組みだ。

Sunu2

障害物の存在もわかる!

また、バンドには超音波や加速度センサーを活用して障害物を感知する機能もある。これは、衝突回避につながり、視覚に困難を抱える人の行動範囲を広げてくれる。加えて、振動で時間を知らせる機能も便利そうだ。

Sunuは現在クラウドファンディングサイトIndiegogoで投資を募っていて、今ならタグ1つと充電器のセットが40ドル、リストバンドが89ドル、タグとリストバンドのセットが199ドルの出資で入手できる。

開発元によると、視覚障害を抱える人は世界に2億8000万人いると推計されているとのこと。そうした人の日々の暮らしが改善される、意義が大きいガジェットと言えそうだ。

2015.12.24    Techable


日本初の重症心身障害児者通所施設 「朋」が出来て30年

2015年12月26日 02時11分39秒 | 障害者の自立

 今年は、社会福祉法人訪問の家の日本で初めての重症心身障害児者通所施設「朋」(横浜市栄区)が出来て30年がたつ。開所時、重症心身障害児の通所施設は法律にないということで、法律的には精神薄弱者通所更生施設(当時)という形で認可を受けた。精神薄弱者施設なのに玄関先に車いすが何台も並んでいたのだからおかしな施設だった。当時医療に守られた入所施設で暮らすのがふさわしいとされた人たちへ、日中活動、社会参加、地域生活という言葉を使ったのだから、関係するドクターたちから無謀な試みだと非難されたことも今は懐かしい思い出となった。

  一方、障害者施設ということで地域の反対にあう体験もした。中学校の体育館で行われた説明会では「障害者施設に反対はしないがここでなくてもいいではないか」「施設が出来たら散歩に出るのか」などの意見の中で「どんどん出てきてください、そしてお友達になりましょう」と大きな声で言ってくれた若い女性の声を忘れることが出来ない。

  反対はおかしい、と積極的に障害児者のことを知りたいと勉強会を始めた20人近い主婦の方たちが、開所後ボランティアとして積極的に朋の中に入ってくださった。そのグループから高齢者関係のボランティアも生まれ、現在に至るまで積極的に朋を始め地域の福祉施設にかかわってくださっている。区内のボランティアの数は横浜市18区の中で2番目に多い。

  更に、メンバーたちはあの女性の声を信じて、どんどん地域に出て行った。公園でたこ揚げをしたり、スーパーマーケットに買い物に出掛けたり、地区の行事には積極的に参加し、地区の皆さんと仲良くなった。今年も地区の夏祭りには公園の中は車いすとストレッチャーでいっぱいだった。

  重症心身障害児者に医療は欠かせない。医療がイニシアチブをとるのではなく、地域生活が可能なようにサポート役をしてほしいと2階に作った朋診療所が朋のみんなの健康を支えてくれた。

  生活のすべてに介助を要し、医療的ケアを要する人も多い重症心身障害児者。彼らは生活のすべてを他の人に委ねながら、おおらかで屈託のない笑顔を見せてくれる。命はそこにあってこそ命となる。その命のおおらかな笑顔を地域での出会いの中で更に広げていきたいと願っている。

151221談話室02

2015年1225日     日浦 美智江・社会福祉法人訪問の家理事


公立小中校への障害児通学 保護者付き添いが大きな負担

2015年12月26日 02時05分30秒 | 障害者の自立

 障害児が公立小中学校に通う際、学校からの要請で保護者が日常的に授業に付き添っている子どもは、全国で約千八百九十人に上ることが、文部科学省の調査で分かった。重い障害でも一般の学校に入学する例が増えたことが背景にあるが、保護者の負担は大きいため、障害者団体は「ケアを担う支援員を増やすなど、必要な措置を講じてほしい」としている。

 文科省の調査は、全国の全公立小中学校約三万校(分校を除く)が対象で、このうち5%に当たる千四百九十五校で保護者が付き添っていた。

 保護者が行っているのは「たんの吸引など医療的ケア」が20%、その他が80%。その他の内訳は▽食事・トイレの介助や教室移動の補助 34%▽代筆や読み上げなど発達障害児の学習支援 22%▽パニックによる危険行動を防ぐこと 20%-などとなっている。

 ただし、発作や事故を過度に警戒するあまりに、付き添いを求めたとみられる例もある。岡山大病院てんかんセンターの吉永治美副センター長によると、てんかんの症状がある子どもの保護者に対し「発作が心配だから付き添ってほしい」と求めた例や、登校自粛を求めた例も報告されているという。

 全国の障害者団体でつくるNPO法人「DPI日本会議」事務局の崔栄繁(さいたかのり)さん(49)によると、重い障害児が一般の学校への入学を希望して認められた場合、保護者の付き添いを条件にされることが多い。保護者の負担を減らすため、障害児を介助する目的で支援員と呼ばれるパート職員を雇用する自治体もある。しかし、支援員の時給が安いことや、夏休みなどには仕事がなくなることなどから、応募がない自治体もある。

 難病の子ども支援全国ネットワークの小林信秋会長は「支援員への応募がなく保護者が付き添わなければならないケースは多い。特に、看護師資格が必要な医療的なケアが必要な子では不足が深刻だ」と指摘する。

 障害者が社会生活を送るための障壁を取り除くため、公的な機関に配慮を義務付けた障害者差別解消法は、来年度に施行される。崔さんは「国は、障害に関係なく一緒に学ぶ教育を目指すべきだ」とする。

◆「障害に関係なく、学べる場を」

 中部地方の三十代の女性は数年前から毎日、小学校高学年の長女の通学に付き添っている。

 女性によると、長女は病気の後遺症で体に重い障害があり、自分の意思を指で示すことはできるが、食事とトイレは自分一人ではできない。小学校入学の際、女性の希望通り地元の小学校に通うことになったが、学校から「保護者が学校に来て世話してほしい」と求められたという。特別支援学級に在籍しているものの、授業は一般のクラスで受けている。

 付き添いはほぼ一日中だ。朝の集団登校では女性が長女の車いすを押して、他の子どもたちと一緒に学校へ。授業中は別室で控えているが、休み時間にトイレに連れて行き、昼には教室で給食を食べさせる。下校も母子一緒だ。

 「同級生と一緒に勉強をして、娘に積極性が出てきた」と母親は感じているが、欠かさず付き添うのは大変だという。自分の体調が悪い時は学校を休ませなければならないほか、障害のない他のきょうだいの世話をする時間が取れない。

 女性は、学校の配慮には感謝を示しつつも、「障害に関係なく安心して学べる仕組みを整えてほしい」と話す。教育委員会も女性の負担を軽減しようと、十一月から支援員を募集しているが、応募がないままだ。

2015年12月25日       中日新聞