ウルムチで一泊した翌朝、敦煌へ向かうために空港へ行った。
空港も暑いので、扇子を買おうとした。
ガラスケースの中におさまっている扇子はまずまずの品物に見えた。
二千円というのは高い気がしたが、なにせ空港の売店である。
出発時間もせまっていたのでそれを買った。
すぐに使うべく広げたのはいいが、閉じられない。手にとってみて分かったのだが、新品ではない。
色あせた扇子の中古品に唖然とした。
今買ったばかりである。広がったままの現物を突き出して、文句を言った。
売店のおばさんは、慌てず騒がず、扇子のひだをひとつひとつ無理やり折り畳み、しれっと、こちらに返してきた。
こんなぼろはいらない、と言ったら、首を横に振った。
一度お金を払ったら、例えどんな事情があろうとも、もう二度と戻らない。
日本とは違うのである。
しかし、暑いので、滞在中、やむをえずこれを使用した。
敦煌で一泊したあと、またウルムチに戻り、バスでトルファンに向かった。
車窓からの眺めは、砂地、荒野、岩山が続く。行けども、行けども、灰色の大地が果てしなく続く。
ところどころにある窪地や小山の膨らみは、波のようで、まるで曇天の海のごとくに広がる。
廃墟である高昌故城や、三蔵法師で知られる火焔山のあるトルファンは、 日中の気温が四〇度近くになる。
その炎天下を歩くのである。
砂漠の中をロバ馬車に乗って移動する。
ロバ馬車といえば可愛いが、西部劇の馬車もかくやと思えるほど、ガタガタに揺れる。突っ走る。
しがみつく鉄枠は灼けて素手では触れないほどに熱い。
このときの写真を見ると、砂よけのマスク、タオルで顔を覆い、そのうえに帽子をかぶり、サングラス。
みんなまるで山賊一味のスタイルであった。
とにかく暑かった!
空港も暑いので、扇子を買おうとした。
ガラスケースの中におさまっている扇子はまずまずの品物に見えた。
二千円というのは高い気がしたが、なにせ空港の売店である。
出発時間もせまっていたのでそれを買った。
すぐに使うべく広げたのはいいが、閉じられない。手にとってみて分かったのだが、新品ではない。
色あせた扇子の中古品に唖然とした。
今買ったばかりである。広がったままの現物を突き出して、文句を言った。
売店のおばさんは、慌てず騒がず、扇子のひだをひとつひとつ無理やり折り畳み、しれっと、こちらに返してきた。
こんなぼろはいらない、と言ったら、首を横に振った。
一度お金を払ったら、例えどんな事情があろうとも、もう二度と戻らない。
日本とは違うのである。
しかし、暑いので、滞在中、やむをえずこれを使用した。
敦煌で一泊したあと、またウルムチに戻り、バスでトルファンに向かった。
車窓からの眺めは、砂地、荒野、岩山が続く。行けども、行けども、灰色の大地が果てしなく続く。
ところどころにある窪地や小山の膨らみは、波のようで、まるで曇天の海のごとくに広がる。
廃墟である高昌故城や、三蔵法師で知られる火焔山のあるトルファンは、 日中の気温が四〇度近くになる。
その炎天下を歩くのである。
砂漠の中をロバ馬車に乗って移動する。
ロバ馬車といえば可愛いが、西部劇の馬車もかくやと思えるほど、ガタガタに揺れる。突っ走る。
しがみつく鉄枠は灼けて素手では触れないほどに熱い。
このときの写真を見ると、砂よけのマスク、タオルで顔を覆い、そのうえに帽子をかぶり、サングラス。
みんなまるで山賊一味のスタイルであった。
とにかく暑かった!