風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

アイム・ソーリー

2010-08-27 10:46:03 | ご近所
 我が家の斜め向かいのご主人は、外国の人である。
金髪の白人だからそう思うだけで、ほんとうの国籍は知らない。

 奥さんは日本人らしいが、玄関の向きが我が家と反対なので、奥さんの顔はまだ見たことがない。

 車庫で洗車をしていたり、庭木の剪定をしているご主人の姿はよく見かける。
もうここに来て半年ほどになるが、とくに挨拶を交わしたことはない。

 とにかく、こちらは日本語しか喋れない。
英語……かどうか、わからないけど、ペラペラペラと言われたら困るので、なんとなく会釈だけして通り過ぎる。

 先日、風子ばあさんが、自転車で帰ってきて、段差につまずき、転びそうになった。
たまたま、このときも車を磨いていた外人さんは、ダイジョウブデスカ、と声をかけ、近づいて来てくれた。

 オオ、失礼しました。ダイジョウブ、ダイジョウブ。

それから、こんにちは、こんばんは、と日本語で挨拶をするようになった。

 昨日、この暑いのに、脚立にのってカイヅカイブキの剪定をしている彼に出会った。
調子にのって、つい、「ご精が出ますね」と言ったら、彼は、きょとんとしていた。

 そうだよねえ、ご精が出ますね、なんて、いまどき、日本人でも遣わない年寄り言葉だよね、と反省した。

 で、アイム・ソーリーと言ったら、剪定作業がなんでアイム・ソーリーになるのか分からず、彼はますます、きょとんとしていた。