風子ばあさんはバスに乗るのが好きである。
バスの中で、若い女が連れの男に機嫌をとらせていたり、
婆さんどうしのグループが、そこにいない人の悪口を言い合ったりしているのを、
黙って聞いているのは中々にオツなものである。
今日は、風子ばあさんが座っていると、三人連れのばあさんが後から乗ってきた。
あいにく、ほぼ満席であった。
ばあさんが集団になると怖いものなしとなる。
中の一人が、風子の方をじろりと見て、
「年寄りが乗ってきたんだから、席を譲りなさい」
という。
「?」
まさか、私のことじゃあないよね。
辺りを見まわすが、どうもやっぱり風子に言っているようである。ついには、
「私、70ン歳なのよ、代わってよ」
と迫ってきた。
マア、私と同じ齢ね……むらむらと戦闘的になりかけたが、やめた。
これ以上のお世辞はないだろうから、にっこり笑って席を譲った。
こんなことがあるからバスは楽しい。
ウフフ……。
バスの中で、若い女が連れの男に機嫌をとらせていたり、
婆さんどうしのグループが、そこにいない人の悪口を言い合ったりしているのを、
黙って聞いているのは中々にオツなものである。
今日は、風子ばあさんが座っていると、三人連れのばあさんが後から乗ってきた。
あいにく、ほぼ満席であった。
ばあさんが集団になると怖いものなしとなる。
中の一人が、風子の方をじろりと見て、
「年寄りが乗ってきたんだから、席を譲りなさい」
という。
「?」
まさか、私のことじゃあないよね。
辺りを見まわすが、どうもやっぱり風子に言っているようである。ついには、
「私、70ン歳なのよ、代わってよ」
と迫ってきた。
マア、私と同じ齢ね……むらむらと戦闘的になりかけたが、やめた。
これ以上のお世辞はないだろうから、にっこり笑って席を譲った。
こんなことがあるからバスは楽しい。
ウフフ……。