目じり、耳たぶが痒くて痛い。
どこの皮膚科に受診しようか?
友だちに相談したら、駅前のあそこがいいよ、と教えてくれた。
彼女が、腕の湿疹が中々治らずに受診したら、先生は、ひと目、見て、「隠してもダメだ、足に水虫があるだろう」と見破ったそうである。
たいしたもんだ、あの先生は名医だと感心していた。
それではと、風子ばあさんも、診てもらいに行った。
たいしたことはない……、と先生は重々しい口調で言われた。
お薬を出しましょう、というが、病名と原因はおっしゃらない
これはいったいどういう皮膚病でしょうか? とばあさんは訊ねた。
「なにか哀しいことはないかね」と先生。
はっ?
「いや毎晩泣いているんじゃないのかね」
にこりともせずにおっしゃる。
つまり涙が刺激して、炎症をおこしているという意味のようだが、これではあまりに文学的? にすぎる診断である。
では、耳の方は、とお訊きしたら、
「誰かが悪口言ってるんだよ」
これもにこりとも笑わずにおっしゃった。
どちらも同じ軟膏が処方された。
一応軟膏で炎症はおさまっているが、はてさて彼は名医か否か。
どこの皮膚科に受診しようか?
友だちに相談したら、駅前のあそこがいいよ、と教えてくれた。
彼女が、腕の湿疹が中々治らずに受診したら、先生は、ひと目、見て、「隠してもダメだ、足に水虫があるだろう」と見破ったそうである。
たいしたもんだ、あの先生は名医だと感心していた。
それではと、風子ばあさんも、診てもらいに行った。
たいしたことはない……、と先生は重々しい口調で言われた。
お薬を出しましょう、というが、病名と原因はおっしゃらない
これはいったいどういう皮膚病でしょうか? とばあさんは訊ねた。
「なにか哀しいことはないかね」と先生。
はっ?
「いや毎晩泣いているんじゃないのかね」
にこりともせずにおっしゃる。
つまり涙が刺激して、炎症をおこしているという意味のようだが、これではあまりに文学的? にすぎる診断である。
では、耳の方は、とお訊きしたら、
「誰かが悪口言ってるんだよ」
これもにこりとも笑わずにおっしゃった。
どちらも同じ軟膏が処方された。
一応軟膏で炎症はおさまっているが、はてさて彼は名医か否か。