風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

きょうだい

2018-10-30 10:22:55 | はらから集いてソウル

 一緒に旅行、などといえばいかにも仲良しきょうだいのようだが、そうでもない。

東京、広島、福岡、と離れていることもあるが、実をいえば五年ぶりの再会で、

その間、ほとんど音信不通にちかい。

 弟は、もうお互い齢だからこれが最後と思って誘ってくれたのかもしれない。

 電話したってさ、足が痛い、腰が痛いって言い合ったところで

面白くもなんともないでしょ、というのが弟の言い分である。

ごもっともである。

 妹のところは亭主が十数年前に脳腫瘍で倒れて以来、

彼女が掃除のおばさんで家計を支えている。

近くに世帯をもつ息子たちから孫の世話を頼まれることもある。

このごろは韓国語も習いはじめた。

つまり暇なお姉ちゃんの電話相手などする暇はないのである。

    

     仁寺洞を歩くと韓服姿の男女によく出会う、借り着屋が結構繁盛しているらしい。

    ↓   地下鉄カード

         

 


ホテル

2018-10-29 16:56:02 | はらから集いてソウル

 当初、弟が提案したホテルは、韓国の住宅仕様で、

オンドル床一室、ツインのベッドルーム一室で、床室に弟が、ツインに私と妹が泊まったらどうか、

というものだった。

 これならかなり格安で、弟はホテル代全額持ってくれるつもりのようだった。

妹はどっちでもいいよと言ったが、不眠症のわたしは原則独りで寝ることにこだわるので、

一室ずつにしてくれと注文をつけた。

 ホテルにシングルがなかったのだろうか、行ってみると

ツインの部屋を妹とわたし、弟とひとりずつに用意してあった。

大きなベッドが二つ並んだ部屋に入ったときは、さすがにもったいないなと思いながら、

しかし快適ではあった。

 二人一緒は、時間に余裕がない旅先で、ホテルのバスルームで、待ったり待たせたりするのは

お互いに気をつかうものである。

 まあ、ちょっと贅沢ではあったが自分の都合で風呂に入る、寝る、起きる、は気楽なことであった。

              


食のたのしみ

2018-10-28 10:46:57 | はらから集いてソウル

 旅の楽しみのひとつは美味しいものを食べることである。

まして今回は韓国出身の遙ちゃんのダンナが案内役である。

さっそく連れて行ってもらったのが蟹料理の店である。

界隈、蟹づくしの店が並ぶなかで小さな洒落たお店に予約を入れてくれていた。

小皿に並ぶ豆料理、野菜料理、むろん美味しそうなキムチ、鍋料理、メインの蟹の甘辛タレの姿煮など

どれも唾が出そうに食べたい。

 しかし、無念にも、蕁麻疹がこわくて、わたしが注文してもらったのは、

おこげ粥とふわふわのオムレツ風の卵料理。

  でもこれも、ほかのメンバーにも評判がよくて分けて食べた。

 夕食の焼き肉のときも、辺り一帯焼き肉屋が並ぶ中の一軒だったし、

次の日に唐揚げを食べに行ったときもあたりは唐揚げ屋街といったふうで

共存共栄といったところか。

       

         ↑ カニ料理                  ↓  チキンのお店

      


体調

2018-10-27 16:31:43 | はらから集いてソウル

 実を言えば、出発前、わたしは体調を崩していた。

8月半ばに原因不明の蕁麻疹に罹り、薬で抑えてはいるが完治はしていなかった。

 小心者のわたしはこれまでも海外旅行へ行く前になると決まって体調を崩した。

スペインのときは硝子体剥離で眼帯をしていたし、

中国の桂林のときは顔面ヘルペスでお岩さんのように目の上を腫れあがらせ、

鎮痛薬を飲みながら川下りをした。

ドイツ行きのときは気管支炎で咳が止まらず、肺癌かもしれない、これが最期の旅になる……と

悲壮な決意で旅立ちだった。

 だから、今回も、蕁麻疹、きましたねえ、という感じがしないでもなかった。

 旅先で発疹が出たらいけないので皮膚科で応急用の薬も貰った。

韓国料理といえば唐辛子を思いうかべるが、韓国だって辛いものばかりでもなかろう、

まずは先に告げておかねばと、案内役の遙ちゃんには車の中で白状した。

         


COEX

2018-10-26 11:42:41 | はらから集いてソウル

 漢江の南側の江南(カンナム)地区に

coexという後楽園ドーム三個分という広大なモールタウンがある。

その一画にあるコエックスインターコンンチネンタルホテルに泊まった。

夕刻のロビーではヴァイオリンの演奏があり、フロントでは日本語も可で、

朝食のバイキングもおいしく、快適なホテルライフであった。

ホテルを出て奉恩寺を背に数メートル歩くと韓国都心空港がある。

空港まで行かないでも出国手続きはすべてここですませられるので

日本を出るときに冷や汗をかいた身には

遙ちゃんたちに付き添ってもらえて心丈夫だった。

あとはリムジンバスで仁川空港まで移動して出国ゲートに直行出来る。

coexには映画館も水族館もあり、むろん各種ショップもある。

老人には広すぎてとても歩きまわれない。

ホテルに帰るだけで迷子になりそうだった。

 シャイニーのCDは明洞で探しまわったが、

帰国後、聞くところによるとシャイニーの事務所がCOEXにあるということだ。

灯台もとくらし、あとのまつりである。

      

    リュウシオンさんの誕生パーティもホテルで開催されていた。

              奉恩寺  


韓流コスメ

2018-10-24 13:13:10 | はらから集いてソウル

 妹は息子のお嫁さんに顔に塗るパックを頼まれてきたそうで、

化粧品屋でパックの詰め合わせを山ほど買った。

これがけっこう重かった。

 わたしもクリームをいくつか買い、それらを入れる大きなショッピングバッグを近くの店で調達した。

買い物がすんで、さて店を出ようとしたら荷物が重すぎて持ち上がらない。

遙ちゃんのダンナとユウトくんが両方から抱えて歩いてくれた。

 ほかにどこか行きたいところがありますか?

 遙ちゃんに訊ねられたが、こんな重い荷物を持たせてどこへ行けといえるだろうか。

いやいや、なにより、もうすぐ70歳になる妹と、すでに80歳になったわたしは、

買い物をすませただけでへとへとなのであった。

 75歳になる弟は近くのコーヒーショップで根気よく待機していた。

 これはこれで我慢のいることだったろう。

        


シャイニー

2018-10-23 22:41:10 | はらから集いてソウル

 行きたいところの一番にBTSを上げた妹をせせら笑ったわたしも、

実はいつも世話になっている友人にシャイニーのCDを頼まれてきていた。

友人の孫はシャイニーの大フアンで、メンバーのひとりに不幸があったときは涙にくれて

円形脱毛症になったほどのファンだそうである。

 明洞のCDショップでそれを買ってきてやってくれないかと言われてきたのだ。

ここは是が非でも明洞に行ってシャイニーのCDを確保せねばならない。

一泊二日目の真ん中の日に、明洞へ行った。

しばし歩きまわったあと、遙ちゃんのダンナがスマホで確認をとってくれたCDショップで

ようやくゲットした。

 シャイニーがどんなミュージシャンなのかおばあさんの私には見当もつかない。

ただただ、円形脱毛症になった孫を思う友人の望みをかなえてやりたかったのである。  

       


健診

2018-10-22 12:33:58 | 健康

 夏の終わりに罹った蕁麻疹の原因が特定できないまま、あまりはかばかしくないので、

セカンドオピニオンで別の医師に診てもらった。

 最近健康診断や検査は受けていますかと訊かれたので、

病院がきらいですから、いっさいの検査は受けていませんと答えた。

 健診は受けたほうがいいですよ、と言われるので、

もうこの齢ですから何かあってもこのままでいきます、と言うと、

医師はアハハハと声を上げて笑った。

 そういうことを言う人に限って、いざとなったら大慌てで大騒ぎするもんです、

といかにもおかしそうに笑った。

言いあてられて面目ないわたしもそうだろうそうだろうと思いながら

アハハハと笑うしかなかった。

       


Kポップ

2018-10-20 21:40:14 | はらから集いてソウル

 時代おくれのわたしは、今回はじめてKポップが韓国のポップで、Jポップが日本のそれであると知った。

ああ、なるほど、「K」と「J」ねえ。

そしてJポップもさることながら、Kポップは今や人気抜群で第二の韓流と呼ばれる勢いらしいことも。

知らないのはおばあさんだけなのだった。

          


ファン心理

2018-10-19 17:25:20 | はらから集いてソウル

  BTS……とはなんぞや、流行おくれのおばあさんにはちんぷんかんぷんだったが、

防弾少年団、ビッグヒットエンターティメントという人気Kポップスなのだそうである。

事務所に行って彼らに会えるわけではない。分かっていてもファン心理、妹はそこへ行きたいのだ。

じゃあ、まあ、ご希望なら行きましょうかね~~。

遙ちゃんのダンナはあまり気乗りしないふうだが引き受けてくれた。

きっとなんにもないと思うよ~と、弟はせせら笑った。

昼食をすませたあと、遙ちゃんのダンナがそこへ案内してくれた。

弟の予想どおり、小さなありふれた何の変哲もないビルだった。

ダンナは中へ入って行き、事務所の人に確かめてくれたが、

BTSのメンバーがが来ることは絶対にないですと言われて出てきた。

部厚いガラスの扉に張り紙がしてあった。

「このビルの前にプレゼントや手紙を置いていかれてもアーティストにはお渡し出来ません」

ハングル文字の下に、日本語でも書いてあったのでわたしにも読めた。