背の高い、カッコいい男性ヘルパーさんに引率されて、おばあさんたちが、婦人服売り場を散歩している。
冷房完備のショッピングセンター内は、ばあさんたちの格好の散歩コースなのである。
ウオーキングには好都合の海辺の町に住む風子ばあさんも、この暑い季節は、ショッピングセンターの中をうろうろとしてその代替としている。
ヘルパーさんに手をつないでもらっている人、杖を突く人、どうにか自分の足で歩ける人たちが、夏物バーゲンセール、半額の値札に、安い安いと手にとってはしゃいでいる。
いくつになっても女性は洋服が好きである。
「だけど、これ透けてるねえ」
一人が、シースルーのブラウスを広げて言う。
横目で見ていた風子ばあさんも、うん、そうだねえ、透け過ぎてるよねえと思う。
しかし、カッコいいお兄さんヘルパーは、にこやかに優しい声で、無情にも言い放ったのである。
「いいんじゃない、もう八十過ぎなんだから。 透けても……どこが見えても」
やだねえ。
風子ばあさんも、腰が悪いし、物忘れはひどい、ヘルパーさんのお世話になる資格は十分あると思うけど、もうしばらく我が家で頑張っていようと思った。
冷房完備のショッピングセンター内は、ばあさんたちの格好の散歩コースなのである。
ウオーキングには好都合の海辺の町に住む風子ばあさんも、この暑い季節は、ショッピングセンターの中をうろうろとしてその代替としている。
ヘルパーさんに手をつないでもらっている人、杖を突く人、どうにか自分の足で歩ける人たちが、夏物バーゲンセール、半額の値札に、安い安いと手にとってはしゃいでいる。
いくつになっても女性は洋服が好きである。
「だけど、これ透けてるねえ」
一人が、シースルーのブラウスを広げて言う。
横目で見ていた風子ばあさんも、うん、そうだねえ、透け過ぎてるよねえと思う。
しかし、カッコいいお兄さんヘルパーは、にこやかに優しい声で、無情にも言い放ったのである。
「いいんじゃない、もう八十過ぎなんだから。 透けても……どこが見えても」
やだねえ。
風子ばあさんも、腰が悪いし、物忘れはひどい、ヘルパーさんのお世話になる資格は十分あると思うけど、もうしばらく我が家で頑張っていようと思った。