風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

夜更けのコンビニ

2010-08-29 14:33:37 | ご近所
 いつでも開いているコンビニが好きである。
暑いので、夜が更けてから、散歩ついでに立ち寄る。

 コピーをしたり、メール便を出したりする。
週刊誌の立ち読みもする。
 物はめったに買わないので、あまりいいお客とは言い難い。

 昨夜、近所の外人さんが、息子を連れてアイスクリームを買いに来ていた。

 母親が日本人で、息子はハーフである。
ときどき、通学途中の小学生の群れの中に、この子を見るが、際立って美貌で、目立つ。
 子供どうしでは、立派な日本語で悪態もついている。

 アイスクリームを選ぶとき、金髪の父親は、ベラベラベラ~、と早口に何か言った。

息子も、ベラベラベラ~と答えて、びっくりするほど大量のアイスクリームを買っていた。

 ふ~ん、この子は父親と話すときは英語なんだと感心した。

 家では、父の方を向いて英語、母の方を向いて日本語を喋っているのだろうか。
ときには、父親と母親の通訳をするかもしれない。

 いいなあ、羨ましいなあ。

 金髪の夫は無理にしても、せめて英語だけでも、もっと勉強しておけばよかったと悔やみながら、ばあさんは、家で待つじいさんのために、あの子と同じアイスクリームを籠に入れてレジに並んだ。