孫のことは書くまい、語るまいと思い決めている。
自分の孫が可愛いのは当り前だが、他人の孫の話ほど退屈なことはない……。
と言いながら、語るもおろかなことだが。
過日、四歳の孫を連れて蕎麦屋へ入った。
勘定を払う段になり、千円札を二枚出して釣銭を待った。
そのときである。
この子は、伸び上がるようにしてレジに小さな手を突き出した。
「お釣りちょうだい」
相手が子供のことだから、店員さんは、
「はいはい、おりこうさんね」
と数個の硬貨を幼い手に握らせてくれた。
店を出たところで、風子ばあさんが、はい、おばあちゃんに返しなさいと言った。
すると、この子は、
「ねえ、これ私に頂戴、ママがいつもお金がないって言うから、これ、あげたいの」
むむむ……。
この孫は、むろん女児である。男の子は、多分、この手のことは言わないような気がするが、どうであろうか。
自分の孫が可愛いのは当り前だが、他人の孫の話ほど退屈なことはない……。
と言いながら、語るもおろかなことだが。
過日、四歳の孫を連れて蕎麦屋へ入った。
勘定を払う段になり、千円札を二枚出して釣銭を待った。
そのときである。
この子は、伸び上がるようにしてレジに小さな手を突き出した。
「お釣りちょうだい」
相手が子供のことだから、店員さんは、
「はいはい、おりこうさんね」
と数個の硬貨を幼い手に握らせてくれた。
店を出たところで、風子ばあさんが、はい、おばあちゃんに返しなさいと言った。
すると、この子は、
「ねえ、これ私に頂戴、ママがいつもお金がないって言うから、これ、あげたいの」
むむむ……。
この孫は、むろん女児である。男の子は、多分、この手のことは言わないような気がするが、どうであろうか。