風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

孫のこと

2010-08-18 21:44:23 | 家族
 孫のことは書くまい、語るまいと思い決めている。
自分の孫が可愛いのは当り前だが、他人の孫の話ほど退屈なことはない……。
 と言いながら、語るもおろかなことだが。

 過日、四歳の孫を連れて蕎麦屋へ入った。
勘定を払う段になり、千円札を二枚出して釣銭を待った。
 
 そのときである。
この子は、伸び上がるようにしてレジに小さな手を突き出した。
「お釣りちょうだい」

 相手が子供のことだから、店員さんは、
「はいはい、おりこうさんね」
 と数個の硬貨を幼い手に握らせてくれた。

 店を出たところで、風子ばあさんが、はい、おばあちゃんに返しなさいと言った。
すると、この子は、
「ねえ、これ私に頂戴、ママがいつもお金がないって言うから、これ、あげたいの」

むむむ……。
 
 この孫は、むろん女児である。男の子は、多分、この手のことは言わないような気がするが、どうであろうか。