風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

映画「25年目の弦楽四重奏団」

2013-07-15 16:21:54 | ギター、映画など他

 咳止めを飲み、のど飴を持ち、クッションを抱えて映画へ行った。

風邪気味のオバアサンは、映画ひとつ観るのも大変なことなのだ。

そうまでして観た映画は、

「25年目の弦楽四重奏団」というアメリカ映画で、

長年、四重奏団の仲間だったチェリストが、

病に侵され、指が震えてチェロが弾けなくなり、

最後の舞台で去るところまでの話なのである。

 楽器こそ違え、私たちギターの仲良しバアチャン三人で

それを観に行く約束をしたので、風邪を押しても行きたかったのだ。

私たちも、楽器の適齢期はとうに過ぎて、

ただ三人一緒が楽しいだけで三重奏を続けているが、

いつまで出来ることかという思いは常にあり、

映画「四重奏団」と重ねて、涙がとまらなかった。

三人がそれぞれのパートを受け持ち、

ひとつの曲を心をあわせて仕上げていく過程は

ほんとに3人にだけ分かる幸せなのだ。

いつか終わりがあるのはわかっていても、

また来週ね、と言える今日を喜ぼうね、と言って別れたことである。