風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

ミー子

2010-08-02 22:36:20 | 猫および動物
 ペットブームである。犬猫用の美味缶詰は言うに及ばす、レインコートから玩具、年寄り用のオシメ、金ぴかの位牌まである。
 動物病院もふえて、なかなか過当競争らしい。

 小さな怪我をしたミーを近くの動物病院へ連れて行ったことがある。
 
 受診した半年後に電話がかかってきた。
 その後、お変りありませんかという。
食欲は? 目やには? と懇切丁寧なお尋ねがあり、定期健診をぜひ、とすすめられた。
 まあ、考えておきましょうと、答えた。 
 電話を切ろうとしたら、何かありましたらご来院くださいますようにと言い、
「では、ミー子さまによろしくお伝え下さいませ」と、少しも笑わない声が、慇懃に言った。

 風子ばあさんの脱ぎ捨てたシャツの上で丸くなって寝ていたミーに、
「おい、ミー、ミー子さまによろしくだってよ」と言ったら、ミーは眠いのに、起こされたのが気に入らなかったらしく、いきなり、フウッと牙を剥いてこちらを威嚇した。
 
 ミー子さまは野良猫上がりで気が強いのである。