風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

「火宅の人」 檀一雄

2015-01-25 22:06:12 | 読書

「火宅の人」 檀一雄 

1975年発行だから、ずいぶん古い本だが

当時、映画にもなったベストセラーである。

妻子ある作家が愛人と過ごした数年間が描かれている。

 書きだしの

「第三のコース、あ、飛び込みました」

と、プールで泳ぐさまを父がつたえると、

寝た切りの我が子がよろこぶ場面が読み返したくて再読。

 

再読ついでに、

「檀」 沢木耕太郎 1995年 新潮社 1500円

これは「私」と一人称で描かれた「火宅の人」の妻の立場である。

 

「火宅の母の記」 高岩とみ 1978年 新潮社 800円

こちらは、長男一雄はじめ三人の子を置いて家を出た母の記である。

 

「人間 檀一雄」 野原一夫 1986年 新潮社1300円

これは檀一雄と親しかった編集者が書いた評伝である。

 

ついでにあげれば、

「檀一雄の光と影」 入江杏子 1999年

こちらは「火宅の人」の愛人のモデルとなった女優が書いているがこれは読んでいない。


「年をとったら驚いた!」 嵐山光三郎 

2015-01-18 10:37:30 | 読書

 老齢の好色は命の賛歌である、と書く著者は1942年生まれ。

 

 年をとると、昔できたことが出来なくなる、

大事なことを忘れる、全力で走れない、すぐトイレに行く。

やたらと屁が出る。

どれもこれも面白いじゃないですか、と笑い飛ばす

「早く今が昔になればいい」という境地らしい。

 

 しかしなあ、著者よりずっと超高齢のワタシラの境地には

いやあ、まだまだ……ですなあ。

 

「竹林に旧年ひそむ峠かな」 橋本鶏二

 

新講社   1400円


優先席

2015-01-11 23:24:51 | 時事

 今日、地下鉄に乗ったら、満員だったが、

見ると、シルバー優先席にひとつ空きがあった。

わたしゃ、77歳ですもんね、

失礼させてもらっても、バチはあたるまいと掛けさせてもらった。

ちょっと前までは見栄を張って座らなかったものだが、

寄る年なみとは、このことです。

 さて、座れたので、バスの乗り継ぎを調べようとバックからスマホをとりだしかけて、やめた。

みなさんを立たせておいて、座らせてもらったオバアサンは、

スマホなんか触ってはいけないような気がしたのだ。

ちょっとしょんぼりうつむいて……

優先席には優先席に座らせてもらう顔をしないといけないような気がしたのである。

やっぱり齢はとりたくないなあ。


「昔日の客」 関口良雄

2015-01-08 11:05:39 | 読書

平成22年、名著復刊で、32年ぶりの復刊。

大森馬込の古本屋さんが

正宗白鳥、尾崎士朗、尾崎一雄、上林暁、野呂邦暢、多くの文学者との交流や

日々の思いを綴っている。

「本」に寄せる著者のその思いの篤さが読んでいて心地よく伝わる。

 

 上林暁を初めて訪ねたとき、署名を願ったら、

「本を愛する人に悪人はいない」と書いてくれたとある。

 

 尾崎士朗が危篤になり、

「おれの好きだった歌を唄ってくれ」と言うので

誰からともなく「桜井の駅」が歌われたが、実は彼が歌ってほしかったのは

「白虎隊の歌」だったとか。笑いもいっぱい。

 

 「虫のいどころ」には、声を出して笑った。

厠の5燭の電燈を消されたことからの夫婦喧嘩の顛末。

5燭とは懐かしい。

 

30数年前に書かれた本が、今読んでも少しも古びていないどころか

心にのこる「昔日の客」だった。

      夏葉社   2200円

 


一緒に笑ってください。

2015-01-06 21:51:33 | 時事

たったいま、ネットの記事で見ました。

神戸のどこかの家で、見知らぬ男が入ってきたので

「誰や」と訊ねたら

「泥棒です」と答えて、去って行ったんですって。

パソコンの前でひとり声を出して笑いました。

ひとりで笑うより誰かにつきあって笑ってもらいたくて、書きました。


おめでとうございます。そして、ふりかけ。

2015-01-01 13:18:47 | ご挨拶

 おせち料理、オードブル、お刺身にお雑煮、

ごちそうづくめの正月だが、

わが家の孫たちは、「ご飯の友」というふりかけが大好きである。

百数十円の安価なものだが、孫たちが来るときは正月といえども欠かせない。

 

 元旦の今日、その「ご飯の友」のことが新聞記事になっていた。

なんと、「ご飯の友」は、元祖ふりかけで、大正時代に薬剤師によって考案されたものだそうな。

「国際ふりかけ協議会」とういかめしい名前の団体があることも記事で知りちょっと笑ったが、

わが家の孫たちも、これをすすめた風子ばあばも、まんざらでない味覚をもっているのだと

ちょっとせこい自慢正月なのである。