風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

メルヘン号

2013-04-16 07:40:13 | 旅行

 今年の桜は、童話の里、玖珠というところで見た。

友だちと二人で、桜並木の川沿いを歩いた。

小さな城下町まで足をのばし、歴史散歩もした。

角牟礼城跡も登り、いささか歩き疲れたころ、

向こうからマイクロバスが来た。

「メルヘン号」と踊るように大きな文字が見えた。

「おお、シャトルバスがあったのねえ」

手を上げそうになった。

 

通り過ぎていく車体に、介護センター、デイサービス「メルヘン」とあった。

 

メルヘン号に乗れなかった老体は、かなり疲れた。


パソコンメール

2013-04-15 06:37:06 | 日記

パソコン始めたばかりの頃、

初メールはクミちゃんに送った。

届いたあ? と電話するが、まだだようと。

おかしいなあ、ともう一度。

駄目え? 駄目だよう。

クミちゃんのダンナは、パソコン出来るひとである。

ちょっと、ダンナに訊いてみてよ。

電話口で説明したが、

見てみないことにはわからんなあということになった。

「今からそっちへ行きますよ」

バスなら一時間もかかるところを、

ダンナはバイクを飛ばしてきてくれた。

「なんだ、ドットが抜けてるよ」

「まあ、こんなテンくらい負けてくれてもいいじゃないのねえ」

と風子は本気で思った。

郵便なら、

一文字くらい抜けたってちゃんと届けてくれるのにと

随分しばらく腑に落ちなかった。


ワイン

2013-04-13 09:17:24 | 日記

 遺伝的にアルコールを受けつけないたちである。

夫も息子も、

オールアルコール不可の一家である。

正月も、誕生日も、なにがあっても、いきなり、

イタダキマ~スとご飯である。

 

 つまんないね~と言うのは風子だけで、

べつに呑みたくないものを欲しいとは思わないというのが

我が家の男どもである。

 

 風子は呑めないけど、呑みたい。

居酒屋なんか大好きである。

で、酒呑みの練習の意味をふくめて、

晩酌にワインをほんの微量だけたしなむ。

フルーティな香りがして美味しい。

もっと呑みたいのだが、

ほんのちょっぴりで身体中が赤くなりドキドキしてくる。

 ああ、もっとぐいぐい呑みたいなあ。

 そこで思いついた!

ワインが美味しいのだから、

ぶどうジュースだっていけるかもしれない、

よし、今夜はぶどうジュースでグイグイやろうと決めた。

 

 いくぞ~っと 唐揚げや魚と一緒にジュースを飲んだが、

甘いばかりで、ちっとも、うまくなかった。

ああ、強くなりたい、のん兵衛の風子さん、なんて言われてみたい。


ウンウン

2013-04-12 11:59:02 | 日記

 我が家では目下のところ

老夫婦まずまず無事に暮らしている。

しかし、二つ違いの夫の姉は少し足が悪い。

一人暮らしである。

夫は近くに住むこの姉を、老老介護する日々である。

姉は、デイサービスやヘルパーさんの介護も受けている。

 ときどき、そのヘルパーさんやサービスセンターなどから

我が家に電話がかかることがある。

 今日も夫のいない時間に電話があり、風子が出た。

義姉のことであれこれ確認の事項があった。

話の途中から、受け答えに「うん、うん」が入った。

ずっと若いと思われる相手から、

うん、うん、そうだねえ、と言われるのは

あまり嬉しくなかった。

直接介護を受けている身でないから、まあ、いいが、

これが介護を受ける身となれば、

いっそう切ないことだろうと思った。

 

子供のころ、

うん、はいけません、と親から言われ、

ハイ、ハイと答えたら、

ハイは二度言わない!一度でいい、と怒鳴られた。


ラーメン

2013-04-11 20:52:43 | 日記

 

 一人では外食ができないという女性はわりに多い。

風子は、わりに平気である。

平気ではあるが、一人のときは、蕎麦屋とかちょっとしたランチの店とかを選ぶ。

どちらかといえばラーメン店は、バアサン一人では入りにくい。

今日、ひる少し前、通りがかったラーメン店の扉を開けた。

早かったのか、まだ客は誰もいない。

いらっしゃい、とこちらを見たカウンターのオッサンは

「うちはね、超濃厚こってりとんこつ味ですが大丈夫?」

にこりともしない。

いけませんか? と訊いた。

「いけなかないけど、超濃厚こってりだよ」

こういう親父さんを風子は案外好きなのである。

「かまいません」

「薄めましょうか」

「大丈夫です」となんだか、悲壮なラーメン注文となったが、

結果は、親父さんが言うほど濃厚でもこってりでもなかった。


四月になりましたね

2013-04-01 20:52:37 | ご挨拶

 4月1日、エープリルフール。

前の晩から、明日のエープリフールをどう盛り上げようかと思ったのは、もう遠い昔。

ジジばば暮らしの今は、うっかりウソなんかつけません。

そもそも日々がウソかまことか分からぬ暮らしです。

ここにあったものも、あそこに置いたものも、突然消えてしまうのですから。

毎日あれがない、これがないと探し物をしています。

 みなさんもお元気で。