今年の桜は、童話の里、玖珠というところで見た。
友だちと二人で、桜並木の川沿いを歩いた。
小さな城下町まで足をのばし、歴史散歩もした。
角牟礼城跡も登り、いささか歩き疲れたころ、
向こうからマイクロバスが来た。
「メルヘン号」と踊るように大きな文字が見えた。
「おお、シャトルバスがあったのねえ」
手を上げそうになった。
通り過ぎていく車体に、介護センター、デイサービス「メルヘン」とあった。
メルヘン号に乗れなかった老体は、かなり疲れた。
今年の桜は、童話の里、玖珠というところで見た。
友だちと二人で、桜並木の川沿いを歩いた。
小さな城下町まで足をのばし、歴史散歩もした。
角牟礼城跡も登り、いささか歩き疲れたころ、
向こうからマイクロバスが来た。
「メルヘン号」と踊るように大きな文字が見えた。
「おお、シャトルバスがあったのねえ」
手を上げそうになった。
通り過ぎていく車体に、介護センター、デイサービス「メルヘン」とあった。
メルヘン号に乗れなかった老体は、かなり疲れた。
パソコン始めたばかりの頃、
初メールはクミちゃんに送った。
届いたあ? と電話するが、まだだようと。
おかしいなあ、ともう一度。
駄目え? 駄目だよう。
クミちゃんのダンナは、パソコン出来るひとである。
ちょっと、ダンナに訊いてみてよ。
電話口で説明したが、
見てみないことにはわからんなあということになった。
「今からそっちへ行きますよ」
バスなら一時間もかかるところを、
ダンナはバイクを飛ばしてきてくれた。
「なんだ、ドットが抜けてるよ」
「まあ、こんなテンくらい負けてくれてもいいじゃないのねえ」
と風子は本気で思った。
郵便なら、
一文字くらい抜けたってちゃんと届けてくれるのにと
随分しばらく腑に落ちなかった。
遺伝的にアルコールを受けつけないたちである。
夫も息子も、
オールアルコール不可の一家である。
正月も、誕生日も、なにがあっても、いきなり、
イタダキマ~スとご飯である。
つまんないね~と言うのは風子だけで、
べつに呑みたくないものを欲しいとは思わないというのが
我が家の男どもである。
風子は呑めないけど、呑みたい。
居酒屋なんか大好きである。
で、酒呑みの練習の意味をふくめて、
晩酌にワインをほんの微量だけたしなむ。
フルーティな香りがして美味しい。
もっと呑みたいのだが、
ほんのちょっぴりで身体中が赤くなりドキドキしてくる。
ああ、もっとぐいぐい呑みたいなあ。
そこで思いついた!
ワインが美味しいのだから、
ぶどうジュースだっていけるかもしれない、
よし、今夜はぶどうジュースでグイグイやろうと決めた。
いくぞ~っと 唐揚げや魚と一緒にジュースを飲んだが、
甘いばかりで、ちっとも、うまくなかった。
ああ、強くなりたい、のん兵衛の風子さん、なんて言われてみたい。
我が家では目下のところ
老夫婦まずまず無事に暮らしている。
しかし、二つ違いの夫の姉は少し足が悪い。
一人暮らしである。
夫は近くに住むこの姉を、老老介護する日々である。
姉は、デイサービスやヘルパーさんの介護も受けている。
ときどき、そのヘルパーさんやサービスセンターなどから
我が家に電話がかかることがある。
今日も夫のいない時間に電話があり、風子が出た。
義姉のことであれこれ確認の事項があった。
話の途中から、受け答えに「うん、うん」が入った。
ずっと若いと思われる相手から、
うん、うん、そうだねえ、と言われるのは
あまり嬉しくなかった。
直接介護を受けている身でないから、まあ、いいが、
これが介護を受ける身となれば、
いっそう切ないことだろうと思った。
子供のころ、
うん、はいけません、と親から言われ、
ハイ、ハイと答えたら、
ハイは二度言わない!一度でいい、と怒鳴られた。
一人では外食ができないという女性はわりに多い。
風子は、わりに平気である。
平気ではあるが、一人のときは、蕎麦屋とかちょっとしたランチの店とかを選ぶ。
どちらかといえばラーメン店は、バアサン一人では入りにくい。
今日、ひる少し前、通りがかったラーメン店の扉を開けた。
早かったのか、まだ客は誰もいない。
いらっしゃい、とこちらを見たカウンターのオッサンは
「うちはね、超濃厚こってりとんこつ味ですが大丈夫?」
にこりともしない。
いけませんか? と訊いた。
「いけなかないけど、超濃厚こってりだよ」
こういう親父さんを風子は案外好きなのである。
「かまいません」
「薄めましょうか」
「大丈夫です」となんだか、悲壮なラーメン注文となったが、
結果は、親父さんが言うほど濃厚でもこってりでもなかった。
4月1日、エープリルフール。
前の晩から、明日のエープリフールをどう盛り上げようかと思ったのは、もう遠い昔。
ジジばば暮らしの今は、うっかりウソなんかつけません。
そもそも日々がウソかまことか分からぬ暮らしです。
ここにあったものも、あそこに置いたものも、突然消えてしまうのですから。
毎日あれがない、これがないと探し物をしています。
みなさんもお元気で。