風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

シルクロードは美しかった

2010-08-23 15:10:33 | 旅行
 シルクロードには四十もの少数民族が暮らす。
このうち遊牧民のカザフ族は百十万人という。
 百十万といえば少数とはいえないだろうが、放牧民族である。

 ウルムチからバスが天池へ近づくにつれ、彼らの住居であるパオも散見されるようになる。
 夏は涼しい天池近くで過ごし、厳しい冬になると山を下りるのだそうである。

 その彼らに率いられた羊の群れが、突然、バスの行く手を遮った。何百頭もの羊がメヘーメヘーと鳴きながら、もこもこと道路を横切る。

 どうなることかと思ったが、バスの運転手さんがブーブーと鳴らしたら、羊さんたちは素早く道を渡り切り、馬上の牧夫も少しも慌てなかった。

 氷河が溶けて天山山脈に流れ込んで出来た湖が天池で、晴れの日は年間、八十日ほどしかないそうである。
 幸い、この日は上天気で、美しいエメラルド色の湖上を遊覧することが出来た。

 この日、ウイグル自治博物館も見学した。かの有名な楼蘭ミイラの美女がいるところである。

 博物館はまるでミイラ館みたいに沢山のミイラさんがいらっしゃったが、かの美女は格別の美しさで、美女というのはミイラになっても美女であることを納得した。
 
 これだけ大事なミイラのいる博物館だから、決していかがわしいものではなかろうが、館内を案内していた職員が、最後はやっぱり商売気をだした。
 貴重な骨董品だという壺や玉が詰まった木箱が、日本までの送料込で百五十万円という。

 誰も買わなかったけど、偽物を売れば国の名誉に関わるだろうし、本物なら、保護しなければならないはずだが、やっぱりよその国のことは分からないものである。
コメント (2)
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