風子ばあさんには、思いこんだら命がけの、いちずなところがある。
美容院でも、あちらの都合が変わらない限り、こちらから行かなくなることはない。
五年でも十年でも、同じ美容師さんにお世話になる。
しかし、あちらが何かの都合で引っ越したりすると、新しい店を開拓しないといけなくなる。
そうなると、結構うるさいばあさんになる。
だいたい、一度や二度でこちらの好みが伝わるはずがない。
だから、はじめは気にいらないのが当たり前である、というのがばあさんの持論である。
この人、と決めたら、気にいるまで根気よく、こちらの希望を伝えればよいのである。
はじめは、うるさいばあさんだなあ、と思われても、そうやって、だんだん、「あなた」でないと駄目になる。
そうして、うちとけた彼が、この春、店長になりました、と嬉しそうに言った。ほう、よかったねえ、頑張りなさい、と風子ばあさんは、わが子が出世したように嬉しいのである。
付け加えると、彼は中々のイケメンである。
美容院でも、あちらの都合が変わらない限り、こちらから行かなくなることはない。
五年でも十年でも、同じ美容師さんにお世話になる。
しかし、あちらが何かの都合で引っ越したりすると、新しい店を開拓しないといけなくなる。
そうなると、結構うるさいばあさんになる。
だいたい、一度や二度でこちらの好みが伝わるはずがない。
だから、はじめは気にいらないのが当たり前である、というのがばあさんの持論である。
この人、と決めたら、気にいるまで根気よく、こちらの希望を伝えればよいのである。
はじめは、うるさいばあさんだなあ、と思われても、そうやって、だんだん、「あなた」でないと駄目になる。
そうして、うちとけた彼が、この春、店長になりました、と嬉しそうに言った。ほう、よかったねえ、頑張りなさい、と風子ばあさんは、わが子が出世したように嬉しいのである。
付け加えると、彼は中々のイケメンである。