風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

お客様は神様

2010-07-19 12:04:14 | 口は災いのもと
 通りかかった喫茶店の前で、若い男がチラシを配っていた。
 チラシを持って入れば、何パーセント割引というようなことだった。差し出されたチラシを受け取らずに、有難う、とだけ言って通り過ぎた。
 
 すぐに背後で、ありがとうは貰ってから言え、貰わないでありがとうなんて言うな! バカ! と声がした。

 なるほどなあ、上手いこと言うなと感心した。言われてみれば、その通りである。なんでもかんでも有り難う、なんていうのはかえって失礼な話だったかもしれない。
 
 けどなあ、それにしても、バカ、は余計だろう。
 
 お客さまは神様というのは古い話だが、店に入らなければ、お客様でないわけで、ありがとうの遣い方も知らないバカにバカと言って何が悪い……と言われればそれまでである。