風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

子供って可愛い

2010-07-05 02:51:23 | 家族
 可愛いから抱かせてください、と近づき、抱いている間に赤ちゃんを骨折させたという、なんとも痛ましいニュースがあった。

 わが子の虐待も後を絶たない。
 自分が子育てをしている間は、正直、よその子の可愛さまで目がいかなかった。
齢をとったせいか、このごろは、どの子もしみじみ可愛いと思うようになった。

 平日のショッピングセンターには子供は少ないが、土日になると子供連れが多い。
若いお父さんが誇らしげに抱いている赤ちゃんがすやすやと眠っている姿なぞは、幸せを絵に描いたようで、見ているこちらまでほのぼのとする。

 聞き分けなく泣いてパパママを困らせている子供を見てさえ、あんなに一生懸命なにを訴えているのだろうと、つい足を止めてみてしまう。
 ダッコー、ダッコーなどと泣き叫ぶ声を聞くと、もうたまらなくなる。

 若い親は、しつけの都合があるのだろうが、責任のないこちらは、ダッコくらいしてあげればいいのに、と思ってしまう。

 子育ては、そのときは夢中だが、すんでみたら、あっけないものである。
ダッコをせがまれるのなんか、たったの二、三年のことである。
 あと数年したら、こっちが触ろうとしても、鬱陶しがられるようになる。

 ああ、ダッコしてやんなさい、と言ってあげたくなる。

 買ってぇ、買ってぇ……も、なになに、ポップコーン? そのくらい買ってあげなさいという気になる。

 自分が親のときはそうではなくて、ダメです! だったくせに。
 子供を見ると、つい傍に寄っていきたくなる風子ばあさんも困ったものである。
コメント (3)
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