風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

お中元

2010-07-21 14:37:29 | 口は災いのもと
 本来、お中元とは目上の人や、お世話になっている人へのご挨拶である。
友だちどうしなら、暑中見舞いの方が堅苦しくない。

 今日、風子ばあさんは、親しい友に、お気に入りの水ようかんとゼリーの詰め合わせを送った。
 売り場を離れて歩きはじめたら、息を切らせて担当者が追ってきた。
 申し訳ございません、暑中お見舞いは間違いで、残暑お見舞いでした。
 彼女は、マニュアルともいうべき一覧表を手にしている。
どらどらと覗くと、なるほど、暑中見舞いに×印がついて、残暑見舞い、と太字で書いてある。
 いやあ、まだ七月ですからね、暑中見舞いでいいはずですよと、ばあさんは念のために、その一覧表を手にとって見せてもらった。
 少し読みにくい書式で、お中元を過ぎたら残暑見舞い……と書いてある。残暑の太字に彼女は反応しすぎたのである。
 いえ、まだ暑中見舞いでいいんですよと言うと わかりました、申し訳ありませんでしたと彼女は恐縮した。

 ここで終わらないところが風子ばあさんである。
あなた、よかったじゃない、これでひとつ利口になったのよ、と得意になって言ったのである。大きなお世話である。
 
 ついでに言えば、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替わるのは、お中元をはさんで、ではない。立秋を過ぎれば、どんなに暑くても残暑なのである。
 この手のことに限れば、ばあさんたちはかなり詳しい。なんでも訊いてください。

 あ~ ふーふー。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする