Genの思いつ記(Gen建築設計所)

人はいろいろであります。いろいろな日常を思いつくままに記録していく建築設計事務所のブログです。

増築 その2

2008年03月11日 | ブログ

京都での増築計画はその後、少しずつであるが進んでいる。少しずつというのは 景観ですっかり停滞しているからだ。だいたいですね~、とんでもない条例をつくって それができないからという理由で 京都市の内部で意見がまとまらない。

 

そもそも既存部分の3階から上をセットバック(壁面後退)しろとか、屋上の形状を変更せよとか、もうできているものに関して なぜ指導するのか。セットバックは建物をつぶさないとできないので 了解してもらっているが、今更 屋上に何をつけろというのか。誰が費用を持つのか。お金のことをいうと「それはできない理由にならない」といわれる。

 

今回は増築するところは 条例に沿ってできるのだが、既存部分も条例にあわせよ、という部分が引っかかり、前に進まない。正面の通りから見えないところを なぜあんなにこだわるのだろう。条文を杓子定規にやろうと指導しているだけではないか。あまりにも実態とかけ離れた条例だ。

 

景観条例が変わってから第1号の増築計画であったのも ネックになっている(今は他にも出てきているそうだが・・・)。条例だけが一人歩きしていて 実際に協議段階に入って問題点がたくさん出ている。初めてなので既成事実をつくってしまうと歯止めが利かなくなるという危惧も手伝って妙に慎重に対応される。実態とあっていないのは担当の人もわかっているはずなのだが、上からOKがでない。

 

ボクも京都で生まれ育ち、京都の景観は気になるところであるが、取ってつけたような庇、どうしようもないデザインでも条文に合致していれば実際にできていて どうみてもキッチュな建物が建っている。おかしい~。もっと柔軟な対応ができないものか。

 

いっそのこと もっと厳しくして できませんときっぱり言ってもらったほうが 話しが早い。そうすれば誰もが諦めがつくというものだ。ただ、それが 本当に京都のためになるかどうかは 別問題である。経済的な面と観光的な面との両立は難しい。まだまだ京都は揺れ動くだろう。