「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子によく似た花屋さん (5)

2012年03月13日 23時06分59秒 | 心子、もろもろ
 
 今月は都合で 月命日の17日より前に お墓参りに行きました。

 (心子似の店員さんがいる曜日を 選んで行ってるのですが。  (^^;))

 心子に似た花屋さんと、 震災1年の新聞記事で見た 花屋の話をしました。

 両親が営んでいた花屋兼自宅が 被災して倒壊し、 両親も失くした男性が、

 再開は無理だと思っていたところ、 知らない人から 電話がかかってきたそうです。

「花っこはないかい」 と。

 番号案内で調べたのか、 震災で亡くなった人に 手向ける花を欲しいというのです。

 その後も、 そうした電話が 何本もかかってきました。

 お互いに 経験を話ながら泣き、

 遺族にとって 花がどんなに大切か、 改めて気付いたといいます。

 花を必要としている人の 力になりたいと、

 プレハブで再スタートを切った という話でした。

 心子似の花屋さんは、  「最後は花ですね」 と 言っていました。

 亡くなった人にあげるのは、 お金でも食べ物でもなく、 花しかないと。

 実はこの花屋さんは、 元々長い間 事務職をしていたそうですが、

 花が好きで、 転職の最後のチャンスと思って 花屋で働き始めたのだということです。

 今の店が初めてですが、

 以前から花の勉強をしたり、 アレンジメントを習ったりしていたといいます。

 けれども実際の仕事は 大変だと言っていました。

 寒い、 暑い、 重い、 汚い、 それに 怪我もすごいのだそうです。

 でも 好きだからやっていけてると。

 花屋さんというと、 見かけは文字通り華やかで きれいな仕事だと思っていましたが、

 話を聞いてみると 違うものですね。

 でもやっぱり 素敵な仕事だと思います。

 花を買い終わって 店を出るとき、 お墓参りに行く僕に、

 花屋さんは いつも言ってくれます。

 「行ってらっしゃい」。
 


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