「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

治療の継続について (1)

2008年08月29日 21時54分36秒 | BPDの治療について
 
 一般には、境界性パーソナリティ障害は 治りにくいと言われていますが、

 その大きな理由は 治療を続けられないためであり、

 治療を続ければ 回復するケースが はるかに多いことが 分かってきています。

 境界性パーソナリティ障害の治療で 最も必要なのは、

 「治療を続けること」 です。

 境界性パーソナリティ障害では、治療を中断するために 回復しない人が大部分です。

 「治療を続けない」 こと自体が、境界性パーソナリティ障害の 症状と言えるのです。

 治療を継続できないのは、 「めくるめく信頼と罵倒」 が原因です。

 相手に全幅の信頼を 寄せたかと思うと、打って変わって 最低の酷評をし、

 特には暴力を 振るうこともあります。

 これは特に、境界性パーソナリティ障害の人が 頼りたいと思っている人に対して、

 顕著に現れます。

 医師はその典型ですから、治療のあらゆる段階で、

 信頼していた医師への 失望や批判が必ず起きます。

 医師のわずかな言動で 途端に不安定になり、

 暴言や自傷行為にいたることが 不可避とも言えます。

 主治医を見限っては ドクターショッピングをする パターンになってしまい、

 これでは 回復が望めません。

 このようなことは、境界性パーソナリティ障害の治療の

 9割以上で 起きていると考えられます。

 主治医を決めたら、その治療を受け続けることが 何よりも重要です。

 次々に医師を変えると、それは 「治療を続けている」 ことにはならず、

 「断続的な受診を 繰り返している」 だけに 過ぎないのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55719268.html

〔 「境界性パーソナリティ障害 -- 患者・家族を支えた実例集」

   林公一 (保健同人社) より 〕
 


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