「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

研究から何が言えるでしょうか (3)

2012年05月02日 19時36分18秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 無秩序な子育て

 ボーダーの家庭では ほとんど普遍的に見られます。

 ボーダーの親は情緒不安定で、 予測がつきません。

 ダブルバインド (二重拘束) 〔*注〕 を用いたり、

 子供を八方塞がりの状況に 陥れたりするかもしれません。

〔 *注: 相反する意味の ふたつのメッセージを同時に送り、

      相手がはどうしたらいいか 分からなくなってしまうこと。〕

 ほんの気まぐれで、 いつ爆発するか 分からないような生活です。

 親は 感情的な妥協点を見つけられません。

 子供の欲求を抑えつける親は 子供に近づきすぎ、

 剥奪的な親は 距離を置きすぎるのですが、

 無秩序な親は その両極がどちらも見られます。

 「お母さん (お父さん) が 私を愛しているのなら、

 どうして私を傷つけるんだろう?」

 この根源的で 恐ろしい疑問が、 絶えず子供たちの心に 付きまといます。

 そして 彼らが出す答は こうなります。

 「私が悪い子だから …… そうされても 仕方のない子だから ……

 お母さん (お父さん) は 私を愛しているからこそ、 私を傷つけるんだ」

 愛情は苦しみと等しく、 無秩序が 普通の状態になってしまいます。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 


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