「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性人格障害の治療(1)

2008年03月05日 22時52分27秒 | BPDの治療について
 
 ボーダーの治療には 長期のカウンセリングが必要です。

 支持療法,力動精神療法,認知行動療法 などもあります。

 しかし それを専門的に実施できる医師は、日本にはまだ少数だといいます。

 薬による治療は 抗鬱剤や安定剤などの 対処療法だけで、

 根治療法は 現在は少ないと言われていますが、研究もされています。

(ちなみに心子は、眠剤や痛み止め,腰痛の湿布などを含めて

 14~5種類の薬を処方され、精神科の診察を受けたあとは

 毎回 大きな袋をぶら下げて 帰ることになっていました。)
 
 欧米では、弁証法的行動療法が とても有効な治療方法として 行なわれています。

〔参考記事: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45269689.html〕


 ボーダーの人の感情や見方は、客観的な実態との間に ずれがあります。

 この 「認知のゆがみ」を 修正していかなければなりません。

 でも 自己のゆがみに 目を向けるということは、

 蓋をしておきたい醜い部分を 覗きこむことになります。

 当事者には 堪えきれないことであり、

 治療の途中で 病状がかえって悪化することもあります。

 しかし ときには、怒りや行動化(アクティング・アウト)の

 背後にあるものを 探っていくことが必要です。

 不合理な感情を自覚して 徐々に 手なずけていくようにし、

 分裂した認識を 順次 統合していくのです。

 紆余曲折を繰り返し、何年にも渡る格闘を 余儀なくされるでしょう。

 そして、不安や苦しみを 取り除くことが目的ではなく、

 不安や苦しみを抱えながら、

 持ちこたえられる自分を 作ることを目指していきます。

 「悩む力」を 身に付けていくのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/39580737.html
 

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