「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子の命日に思う、今昔(2)

2007年01月25日 18時06分40秒 | 心子、もろもろ
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44531309.html からの続き)

 ボーダー当事者はネット上では、情報はある程度 共有できるようになったとはいえ、

 一般の世間では、ボーダー/境界性パーソナリティ障害という

 言葉も知らない人が まだ多いでしょう。

 日頃ネットを利用している 当事者でさえ、

 境界性パーソナリティ障害を 知らない人も 決して少なくありません。

 自分や家族,パートナーの、感情のアップダウンや 激しい言動の 理由も分からず、

 どうしていいか 途方に暮れていた人が、

 最近やっと 「境界性人格障害」 であることを知り、

 訳が分かって 安心したという話は よく見聞きします。

(同時に、難しい障害で 不安になったという話も。)

 
 逆に 「ボーダー」 という言葉が 一人歩きして、

 悲しい誤解を 広めてしまう場合もあります。

 「境界性パーソナリティ障害」 が何であるかを 理解しないまま、

 迷惑な人 = 「ボーダー」 と勘違いし、

 ボーダー“被害者” の立場から ボーダーを悪者に 仕立て上げる向きがあります。

 とてもボーダーとは言えない人までを、「ボーダー」 と決めつけて批判したり。

(アメリカでも 必要以上に 「ボーダー」 を 恐れる時期がありましたし、

 精神科医が 厄介な患者は皆 「ボーダー」 という 診断名にしてしまうという

 不幸な傾向もありました。)

 もちろん 本当にボーダーの人に 傷つけられた人もいるでしょうし、

 ボーダーのパートナーの苦労は 実際に大変なものですから、

 そういう人たちへの 癒しも必要です。

 でも 互いに理解し合おうとする 動きがなければ、

 一般の人とボーダーの人の溝を ますます深くし、

 双方の苦しみを 増してしまうばかりです。

 そんな状態は 心子も天国で 悲しむことでしょう。

 ボーダーの人の内面を 知ることによって 巻き込まれた人の苦痛も減るし、

 将来も被害を少なくしていけると 僕は思っています。

 
 そういう意味でも 拙著をマンガ化するなどして、

 もっとボーダーについて 正しく広く知ってもらう 必要があるでしょう。

 険しい道ではありますが、挑戦していきたいと思います。
 


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