内視鏡の体験のある人って、全人口の何割くらいなんでしょうか。
最近は内視鏡の機械も技術も発達して、ずいぶん楽にできるので、けっこうたくさんいるかもしれません。
ぼくがはじめて内視鏡の検査を受けたのは、十二指腸潰瘍で入院していた20代の頃の胃カメラ。
そのころの胃カメラと来たら苦しいのなんの!
空気で胃をパンパンに膨らませて、親指くらいの太さのカメラを喉から突っ込まれます。
オエッとするし、カメラを飲みながらゲーゲーするし、お腹は痛いし呼吸も苦しい。
「どうだ、これが潰瘍だ、よく見といた方がいい」
そう言って直径3センチほどのファインダーをぼくの目に近づけてきます。
今みたいに、テレビじゃないんです。
こっちは苦しくて目に涙をいっぱい溜めていますから、見えたもんじゃありません。
医者はそんなことにおかまいなく、
「ほら、こんなでっかいやつができてるんだ、血い吐いたんだって、あたりまえだ」
なんて言いたいことを言いますが、でっかいもちっちゃいも見えてませんから!
膨らませた胃が今にも破裂しそうだし、呼吸はできないし、
こんなこともう一生やらないぞ! と心に決めました。(そのときは)
城西病院の外科のS先生は内視鏡の名人で、テレビの画面に映し出される内蔵を見ながら、いろいろと説明してくれます。痛くも苦しくもない普通にしていて大丈夫、けっこう楽しめます。ホントに。
胃カメラも小指より細い。ぜんぜん「オエッ」としません。
今日ぼくが受けたのは胃カメラではなく大腸検査ですから、もっと楽です。
しかし、検査前に腸の中を全部洗い出すので、ものすごく時間がかかります。
前日の夜8時から一切固形物をとらない状態で、朝9時過ぎからポリ容器に入った2リットルの洗浄液を、2時間かけて飲みます。
半分飲み終わった頃になると、便意をもようしてきて、ジャージャー。
気持ちいいくらい、シャーシャー出ます。
最初は黄色い色がついていたのが、やがて薄いレモンイエローに変わってくれば、お腹の中がきれいになった証拠。
これって、断食よりも手軽でいいかも。宿弁もきれいさっぱりです。
こうして、11時過ぎに飲み終わります。
たっぷり時間があるからと、『沖縄基地問題の歴史』を持ち込んだのですが、しょっちゅうトイレに立たなければならず、集中できないので思いのほか読み進めませんでした。
「検査は1時からですから、いったんお家にお帰りになってけっこうですよ。お茶は飲んでいいです。1時5分前くらいにここに戻ってきてください。
というわけで、いったん事務所に戻り、電話を何本かかけて、アシスタントに指示を出して、再び病院へ。
検査は紙製のお尻に穴のあいたパンツにはきかえてやります。
穴と言っても、お尻が見えるようにあいているわけではなく、普通は合わさっていて見えません。
先生と一緒にテレビを見ながら、あーだこーだ。
「きれいなもんだ、大丈夫だね」
「検便の潜血って、やっぱり内痔だったんでしょうかね」
「見たい?」
「はあ…」
「今ね、カメラを反転させて中から外側を見てるとこ。わかる?」
「あ、あの黒ずんだとこ?」
「そう」
「……」
「はい、おわり。ここまでどうやってきたの?」
「自転車で」
「そうかあ。安定剤でふらつくから、覚めてから帰って。それで自転車のったら、酔っぱらい運転みたいになって危ないから」
看護婦さんに促されて立ち上がったら、やっぱりふらふら。
前の時はこんなことなかったけどなあ。
車椅子で回復室へ。
「水分補給の点滴しますから、それが終わる頃にはふらふらしなくなると思います」
いつの間にか寝ていて、気がついたら点滴はあと少し。
結局事務所に戻ったのは4時過ぎ。
しかし、今日一日、何となく頭がはっきりしません。
でも、なんの異常もなく、一安心でした。
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆あなたの原稿を本にします◆
出版のご相談はメールでお気軽に galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
最近は内視鏡の機械も技術も発達して、ずいぶん楽にできるので、けっこうたくさんいるかもしれません。
ぼくがはじめて内視鏡の検査を受けたのは、十二指腸潰瘍で入院していた20代の頃の胃カメラ。
そのころの胃カメラと来たら苦しいのなんの!
空気で胃をパンパンに膨らませて、親指くらいの太さのカメラを喉から突っ込まれます。
オエッとするし、カメラを飲みながらゲーゲーするし、お腹は痛いし呼吸も苦しい。
「どうだ、これが潰瘍だ、よく見といた方がいい」
そう言って直径3センチほどのファインダーをぼくの目に近づけてきます。
今みたいに、テレビじゃないんです。
こっちは苦しくて目に涙をいっぱい溜めていますから、見えたもんじゃありません。
医者はそんなことにおかまいなく、
「ほら、こんなでっかいやつができてるんだ、血い吐いたんだって、あたりまえだ」
なんて言いたいことを言いますが、でっかいもちっちゃいも見えてませんから!
膨らませた胃が今にも破裂しそうだし、呼吸はできないし、
こんなこともう一生やらないぞ! と心に決めました。(そのときは)
城西病院の外科のS先生は内視鏡の名人で、テレビの画面に映し出される内蔵を見ながら、いろいろと説明してくれます。痛くも苦しくもない普通にしていて大丈夫、けっこう楽しめます。ホントに。
胃カメラも小指より細い。ぜんぜん「オエッ」としません。
今日ぼくが受けたのは胃カメラではなく大腸検査ですから、もっと楽です。
しかし、検査前に腸の中を全部洗い出すので、ものすごく時間がかかります。
前日の夜8時から一切固形物をとらない状態で、朝9時過ぎからポリ容器に入った2リットルの洗浄液を、2時間かけて飲みます。
半分飲み終わった頃になると、便意をもようしてきて、ジャージャー。
気持ちいいくらい、シャーシャー出ます。
最初は黄色い色がついていたのが、やがて薄いレモンイエローに変わってくれば、お腹の中がきれいになった証拠。
これって、断食よりも手軽でいいかも。宿弁もきれいさっぱりです。
こうして、11時過ぎに飲み終わります。
たっぷり時間があるからと、『沖縄基地問題の歴史』を持ち込んだのですが、しょっちゅうトイレに立たなければならず、集中できないので思いのほか読み進めませんでした。
「検査は1時からですから、いったんお家にお帰りになってけっこうですよ。お茶は飲んでいいです。1時5分前くらいにここに戻ってきてください。
というわけで、いったん事務所に戻り、電話を何本かかけて、アシスタントに指示を出して、再び病院へ。
検査は紙製のお尻に穴のあいたパンツにはきかえてやります。
穴と言っても、お尻が見えるようにあいているわけではなく、普通は合わさっていて見えません。
先生と一緒にテレビを見ながら、あーだこーだ。
「きれいなもんだ、大丈夫だね」
「検便の潜血って、やっぱり内痔だったんでしょうかね」
「見たい?」
「はあ…」
「今ね、カメラを反転させて中から外側を見てるとこ。わかる?」
「あ、あの黒ずんだとこ?」
「そう」
「……」
「はい、おわり。ここまでどうやってきたの?」
「自転車で」
「そうかあ。安定剤でふらつくから、覚めてから帰って。それで自転車のったら、酔っぱらい運転みたいになって危ないから」
看護婦さんに促されて立ち上がったら、やっぱりふらふら。
前の時はこんなことなかったけどなあ。
車椅子で回復室へ。
「水分補給の点滴しますから、それが終わる頃にはふらふらしなくなると思います」
いつの間にか寝ていて、気がついたら点滴はあと少し。
結局事務所に戻ったのは4時過ぎ。
しかし、今日一日、何となく頭がはっきりしません。
でも、なんの異常もなく、一安心でした。
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