富貴蘭と戯れる日々

富貴蘭の生長記録です。
画像はクリックで拡大できます。

薩摩浄雲

2005年03月31日 | 中斑
ややインパクトに欠けるものの
紺覆輪と紺中通し柄を現し
鉄橋殿に極似した芸を持つ品種です。

こちらのほうが明るい地合(柄) で、
やや葉幅引き大型になりますが
ただ、葉が長いためボリューム感という点では
今流行の人気品種からは遠い姿といえます。
個性豊かな品種をいろいろ見たほうが楽しいのですが・・・。

ところでこの品種、紺中通しがなくなって紺覆輪だけになると
極立葉になり小型化、付けは波型に変わってしまいます。
鉄橋殿も基本的には月型付けですが
紺覆輪のみのハデに出るとやはり小型、立ち葉、付けは波と
同じ変化のパターンを踏んでいます。
地合(柄)に葉緑素があるのかどちらも親から外しても育ちます。

あ、もう一つ同じパターンの品種がありました。
それは男爵
今年のカレンダーをめくると7月に出ています。
こちらはボリューム感たっぷりで人気の最先端にありますが
柄が一段と明るいためかハデ仔は育ちにくそう。
増殖が待たれる品種ではあります。

でも三つ有るのならもっと有ってもよさそうですね。

いずれこれらの品種は同じ遺伝子のなせる業と推測できますが
どんなメカニズムが働くのは興味のあるところです。

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淀の雪

2005年03月29日 | 覆輪
葉の幅や厚みは普通の風蘭と変わらないのに
長さが倍ほどになるため
ひょろひょろとした印象を持たれてしまう淀の雪。

日強く作っても短くなるということはありませんが
なんとなくボリュームが出て堂々とした姿になり
棚では異彩を放っています。

それにしては写真写りも悪く
損をしているかわいそうな品種です。

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都鳥Ⅱ

2005年03月28日 | 都鳥
以前にも紹介させていただきましたが別の過去画像が出てきました。

まずこれ。くるんとした小さな仔がかわいらしい。
普通の西出と比べてみても小ささがわかります。
良く増えるものだから変化が早いのかこんな針葉風になったもの
八千代風の青、いきなり普通の西出に戻るものなど
いろいろ楽しませてくれます。(有難くない変化もありますが)
でも、この品種の真骨頂は真鶴芸
紺覆輪が深いので容易に派手にはならないと思います。
固定した真鶴芸の小型木は私的には理想の姿、柄で
早く株立ちを見てみたいものです。
コメント (5)
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紫玉

2005年03月27日 | 紫玉
可愛い蘭さんも天葉もぐことが有るんですね。
お気持ち、よ~くお察しします。

と、昨年の全国大会で入手できた紫玉です。
増えが悪いということで植え替えしたり
なんたらかんたらしたりと手入れに余念がなかったせいか
秋には仔に仔を出して
これは増えてくれるかもと喜んでいました。

ところが秋に外棚から蘭舎に引っ越す時でしょうか、
知らないうちに引っ掛けたらしく気付いた時にはこの状態
とても拡大しては見られませんです。

よこしまな事は考えずしばらく付き合ってちょ!
というメッセージなんでしょうね。

秋田はまたに逆戻り。
(植え替え)は月が変わってからになりそうです。
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長生殿立ち葉

2005年03月25日 | 覆輪
三剣ついでにもう一品。
特に仔が二本内反りの御剣芸になっています。
果たして固定しているかどうか?

長生殿は見飽きない品種ですから
この仔がこの姿のまま株立ちになってくれれば嬉しいですね。

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御剣

2005年03月24日 | 御剣
宝剣、剣竜とくればやはり次は御剣。
ところが棚にあるのは
こんなしょぼい木が一鉢のみ。

御剣は母種の貴母殿から良く出るし
株立ちもそこそこあるといった具合に
入手しやすく、ある程度育てやすいのですが
逆にその点で意欲が湧かないのかもしれません。


太陽殿覆輪
と親類関係にあるとか?

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剣龍

2005年03月23日 | 剣龍
宝剣の次は剣竜です。
深い紺地に純白の深い覆輪。
そのコントラストが強烈で
怪しく光る妖刀のような魅力を秘めた品種です。

せめて5,6本位の株立ちを見てみたいと長年挑戦しているのですが
葉焼けして下葉を振るう、仔が出てもハデで育たない等
素一本の維持すら難しく
こっちが生きているうちに実現できるかどうか?
いずれ登録品種の中では一番の難物かもしれません。

強健そうな剣竜はなかなか見かけないものです。
ならば自分の棚から出そうと
伯青竜をたくさん育てていますが
10年に一度恵まれたら良い方で
貴母殿や貫雪と比べても出物は極端に少ない感じです。

私の棚で比較的元気なのが画像のもの。
もう10年以上も作りこんでいますが
03年6月03年12月04年9月
と順を追ってみても木勢は維持できているようです。

次は伯青竜畑から出たもの。
下葉は地味柄の伯青竜でしたがいきなり派手な覆輪に・・・。
今のところは根も多く下葉の緑のおかげですくすく育ってはいますが
その下葉、下根が古くなって落ちたときにどうなるか。
今までの少ない経験では数年で昇天するのがパターンでしたが
年々、作も上達していることだし
今度は懐いてくれるのか楽しみにしているところです。
派手な仔はやはり枯れてしまいましたが。

もう一つ、この剣竜下から出た仔でなかなか大きくならず、
外せば枯れそうでそのまま付けて10年近く。
親木の軸が枯れてとうとう外れてしまいました。
ただ、柄は良く見ると西出都などと同じ三光中斑で
地味柄に出る仔は育つのか一応株立ちにはなっています。
まだ小さいのですが、これが夢の株立ちへの第一候補かもしれません。
コメント (2)
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宝剣のこと

2005年03月21日 | 宝剣
風蘭のほとんどは葉が外側に柔らかい曲線で弧を描いているのに
富貴蘭でいうところの三剣(宝剣、剣竜、御剣)という品種は
自然に逆らったかのように内側に逆反りしています。
初めて見たときの何で?という新鮮な驚きが
いまだに刷り込みとして残っています。

それでもようやく棚に入ったのが一昨年の秋。
なんとか買える値段にまで下がったということです。

宝剣ですから陰作りのためか線が細いのは仕方ありませんが
秋田では冬を越す体力がなかったようで3月にはこの状態
う~ん、夢の宝剣が夢で終わるのかとあせりました。
やはり入れるのは春から夏にかけてがよさそうです。

それでも、幸運にも枯れ込みはここで止まり
秋までにはこんな状態まで持ち直してくれました。
短い葉が一枚出ただけですから木勢が落ちていて危なかったですね。

昨年はもう少し回復しての状態がこれです。
葉は前より短くなりましたががっちりした姿を見てみたいので
以前の葉が入れ替わる3~5年後を楽しみにしているところです。

それにしても仔の方は一本も外していないのにあまり印象は変わっていませんね。
仔出しは良さそうなのですが、それなりのものしか残らず
後は出ては枯れ出ては枯れ状態です。
画像を並べていて気付きました。

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花芽について

2005年03月20日 | 作について
風蘭は普通、年に葉が二枚出ます。
そして一枚の葉の付け根にひとつの芽が潜んでいて
二年後、大抵はそれが花芽となって次の年に花を咲かせます。
花が咲くとその場所はもう使用済みとなって後は何も出てこないのです。

葉がたくさんある一本立ちの古木を観察すると、
上から下までズラッと枯れた花茎が付いているのを良く目にします。
こんな木は立派な姿をしていても仔は望めませんから
意外に安く売られているものです。
増えなくても良いから毎年花を見たいという方には良いと思いますが。

普通、園芸植物では花を咲かせることが喜び、目標となっています。
ところが風蘭はあまりにも簡単に咲くため
花はいらないから仔がほしいという贅沢な希望を皆さん持っているのです。

開花時は馥郁とした香りに包まれ幸せな気持ちになりますが
そのままにしておくと終わった花が株の間に入り込んだりして
取り除くのに手間がかかります。

盛りを過ぎた頃に一本一本花茎を切るのが一番望ましいのですが
そういう時間も取れないので切るときは一気にと
咲き始めたものや、まだ蕾のものも切ってしまうことになり
画像のような山盛りの花のトレイが二つも三つも出来てしまいます。

これが風蘭から出たエネルギーだと思うとなんとも勿体無く、
花を見なくてよいものは伸びる前の花芽のうちに取り除いています。
後にその分の力が次に出る仔に化けますがそれは下のほうで・・・。

ところで花芽はいつ頃出来るのでしょうか?
観察しますと開花期から花の終わる時期にかけて
次の花芽予定地になにやら粟粒ほどの芽がポチッとあるのに気付きます。
これは7月末の画像ですが見かけ上はまだわかりませんね。

それが9月には正体を現し
伸びるのをやめて横に膨らんでくれば花芽。
そのまま伸び続けるのが仔ということになります。
12月はこんな状態でその様子が見て取れます。

普通は両方とも花芽になるか片方お休みするかで
こんな風に花芽予定地からいきなり仔は出てくれないものですが
(両方仔なら更に良いのですが)
出させるコツを一つ二つ。

まず、花の終わりごろから夏にかけて
花を咲かせて消耗し、暑くもなってきて生育は一段落しますが、
そうなると一般の植物が成熟したと同じように花芽が付きやすくなります。
逆に言うとこの時期に生育旺盛だと花芽は付き難いといえます。
根の伸びが止まれば葉の伸びも鈍ったということですから
夏の間も根の伸びを止めないことです。
(ちなみに満開に咲かせると根の伸びは止まるようです。)

また、植物は窒素肥料ばかり与えると花が咲かないと言われますが
それも逆手に取って花芽が出来る頃に薄い窒素肥料だけを何度か葉面散布。
窒素肥料は花芽を付けさせないホルモン様物質といえるかもしれません。

下から出た仔はなかなか大きくなりませんが
上からの仔は木勢が良く、すぐに一人前になってくれます。
本当はそこで株分けしないほうが
仔に仔を生じて結果として芽数は多くなるのですが、
増やしたいものほど仔が小さいうちに株分けしてしまうのはなぜでしょうね。
待つのはなかなか難しいものです。

いずれ私は花より団子派。
自分のところではお団子を花は他人が咲かせたものを
展示会などで楽しむようにしています。
ずるいかな?
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清宝

2005年03月17日 | その他の芸
青光墨と獅子王錦は青軸と泥軸の違いこそあれ
変化種も含めて驚くほど柄のパターンが似ています。

清宝()は青光墨系で言うところの青軸羆

青軸羆は天葉が真っ白く曙斑を伴って伸びる青軸紺縞が
紺覆輪に固定した品種です。
澄んだ白根を出しますが、清宝は泥軸ということで冴えたピンク根です。

ただ、清宝は紺覆輪が固定しているかというとそうでもなく
大抵は途中で白縞(中押縞)が現れて紺覆輪は崩れてしまいます。

それでもこの白柄はとてもき・れ・
途中で紺覆輪が途切れてもこのパターンを繰り返してくれれば満足です。
それにしても安い品種の割にはあまり見かけないですね。
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栽培棚の住人(虫)たち②

2005年03月16日 | その他
昨年の8月、と、ある日
バッタが出る時期じゃないし
時折、葉をかじっていくのはヤツは誰?と気にかけていましたが
ついに犯人を見付けました。
コイツ

やわらかい天葉をガリガリ食べて
サッと逃げていくのでしょうね。
今まで見つけられませんでした。

その点、トロいのがコレ
見つけてくださいと言わんばかりにジッとしています。
でもこれはお食事後の休憩のためで
取り付いている葉に異常がなくても喜んではいけません。
たいていは近くのもっと良いのがかじられています。

それとなんで秋田でと思いますが
開花時に決まって現れるのがスズメガ
可愛い花たちを渡り歩き勝手にはらませるのが
ちょっと許せない感じ

でも、まあ大きな虫は時折防虫網の隙間から入り込む程度なので
ほとんど被害はないのです。
来て欲しくないのはカイガラムシやナメクジですね。
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栽培棚の住人(虫)たち①

2005年03月15日 | その他
長い冬も終わり今日から春モードにスイッチが切り替わった模様です。
まずはめでたしですが、そうなるとやらなければならない園芸作業が
急に頭の中で走馬灯のように回り始めます。
毎年のことながら季節は待ってくれないもので・・・。

それでも外棚に出すまではまだ2ヶ月
今のところは余裕ですがこの鉢だけは
見かけたらすぐに植え替えなければなりません。
小バエ?の幼虫の出すフンで
こちらでは3月下旬に第一陣が成虫に孵化、
どうも、すぐに交尾してアチコチの鉢に卵を産み付けるようです。
せっかく植え替えたのにすぐボロボロにされてはたまりません。

ハエトリグモは毛むくじゃらの姿、
ピョンピョン跳ねまわる動作に愛嬌があって好きな虫のひとつです。
害虫も食べてくれそうですし・・・。

アシナガバチは材料(ミズゴケ)に事欠かないのか
アチコチに巣を作りますが、人を攻撃することはないようです。
いつも夏過ぎにはスズメバチの来襲であえなく全滅。
虫の世界も厳しいものです。

あと、ウジャウジャ居たら気味悪いのですが、
鉢に付いた苔を食べてを綺麗にしてくれますから
お掃除虫(名前がわからないので)と呼んでいますが
ここら辺までが居ても気にならない虫たちです。
(小バエを除いて)

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衣浦錦

2005年03月14日 | 縞物
天葉は青く出てだんだん柄が冴えてくるのが
衣浦錦という品種。
これは同じ後冴えの雲龍の滝と違って
柄がハデになっても枯れずに良く育ってくれます。
しかもハデだとも冴えた薄い藤色。
なかなか魅せてくれます。

でも柄の地味な木が多く、
あまり良さが伝わらないし
一時実生が出回ったためか
信じられないほど値段が安くなりました。

もし買ってみようとお思いでしたら
とりあえず柄のハデな木が狙い目ですね。
まだ見たことはないのですが
深覆輪や中透けに変化して固定してくれたらと思うと
かなりワクワクです。

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麒麟丸

2005年03月12日 | 青物
柄物の株立ちは下の仔が間延びしたり
柄が揃わなくなったりしますから
綺麗な大株に仕立てるのはなかなか難しいものです。

その点、豆葉の仲間は柄はないし(出てくれれば嬉しいけど)
特に手を加えなくともそのままで
数十年は維持できてしまいます。

維持するコツは一つ。
それは根を蒸らさないことです。
古い根が枯れ込むと結局はばらばらになってしまいますから。
その為には・・以前の駄文、美しく育てるにはを御参照ください。

一昨年7月昨年8月、一年間でもそれなりに生長しているものです。
コメント (1)
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織姫

2005年03月11日 | 縞物
慶賀といえば次は織姫。
富貴殿満月の例えのように
昔は夫婦品種として親しまれていました。
(今はあんまり聞かなくなりましたが)
甲乙付け難しということなんでしょうね。
ホントは彦星という品種があれば良いのですが・・。

この織姫は4年前のもの。
ちょうど見頃な感じです
株立ちは作り込んでもそんなに姿は変わり映えしない気がするし
これを見納めに株分けしてみようかという誘惑に駆られます。

でも、それはある意味正解。
仔もそんなに姿の乱れはないし、すぐに鑑賞でき
また、鉢数が増えるのは嬉しいものです。

そこをこらえてほったらかしておけば
4年後にはこんな感じに。
ここまで来るともう姿の乱れた仔しか取れなくなりますから
株分けは諦めてそのまま作り続けるしかなくなります。

そして最後は持ち崩して結局バラバラに株分け。
姿の悪い苗はたくさん出来ても
立て直すのにとても時間が掛かってしまいます。
良い姿を維持しつつ増殖させるのなら
早めの株分けのほうが何倍も良さそうです。

展示会の入賞狙いなら話は別ですが・・・。

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